【読後感】自分とか、ないから。教養としての東洋哲学|しんめいP
「自分とか、ないから。教養としての東洋哲学」を読んだ。
総じて
めっちゃ面白かった。声出して笑いながら読んだ。
高校の時の世界史とか日本史もこうやって教えてもらっていたら、
もっとスッと入ってきたのになぁ。
内容もめちゃくちゃ刺さった。
なぜなら、私は現に無職だからである。
以下では、読んでいて、なるほどと思ったこと、いまいちわからなかったこと、7人の思想家の中で特に好きだった人、爆笑したところなんぞを書き散らしていこうと思う。
※この本を読んでからの方がこの記事は読みやすいと思うので、まだ読んでいない方は、最後の「爆笑したところ」だけでも見て、是非この本を読んでみてください。
「空」を感じる瞬間
この世は「空」、すなわちフィクションである。そして自分なんてものはない。
それを現実世界で感じられる瞬間を、著者は3つほど例を挙げてわかりやすく教えてくださった。
私が「空」を感じる瞬間は、草むらで横になって、木の揺れや雲の流れをぼーっと見つめ、風を感じているとき。
大学生時代、嫌なことがあったり、看護実習でストレスが溜まったりしたときは、駆け込み寺のように公園の草むらに駆け込み、屍のように横になっていたことを思い出す。
当時は「背中から毒素が抜けていく感覚だぁ」と思っていたけれど、この本を読んで、毒素どころか自分までもが溶けてなくなる感覚だったから、最高に気持ちよかったのかもしれないと思った。
自分がなくなる感覚がとっても気持ちいいのは、知っている感覚だった。
ただ、私は物理的に境界をなくさないと感覚としてつかめない。例えば市役所の待合とかで「空」を感じられるまでには至っていないなと思う。
そんなもんなのかな。
タオイストになりたい。
老荘思想がもともと好きで、この本にも興味を持ったので購入したが、未だに「道」はわかったようなわからないような感覚。
海が最強なのは何となくわかる。上記の草むらは港の公園だったので、海を見るたび「かなわねぇわこれ…」と思わされた。
タオイストが最強な理由もわかる。
ただ、どうやってなるか。
「道」をどう現代社会で活かすのか?著者は婚活と転職の例を挙げてくださっていた。
けど、正直あんまりピンとこなかった。
すんごい広い視野を持てばいい?今ある世界をフィクションとして俯瞰すること?
本を読んで思ったのは、私が「からっぽ」になりきれてないから、実感としてわからなかったのかもしれない、ということ。
「からっぽ」になって初めて「やりたいこと」が向こうからやってきたと筆者は語っている。
やりたいことを見つけようと色々模索してきた私にとって、逆転の発想だった。
実践には勇気がいるけど。
働いていないことによるそわついた気分に任せて入れた短期バイトが終わったら、どうせからっぽだ。
やりたいことが向こうからやってきますように。
禅をとおしてタオイストになれる?
私はぼーっとすることが苦手である。何も考えないことが難しい。
ぼーっとしようと景色を眺めても、雲の形とか、今日のご飯どうしようとか、ぼーっとできてるかなとか、何かしら考えてしまう。
何も考えなくなるコツがあれば知りたい。
自分がダメだと思った時に、「あ、言葉の世界に入ってるな」と思う著者の手法はすぐに使えそう。
密教、難しい。
陽キャ空海による、社会性のある哲学として挙げられていたが、どう活かされるのか、いまいちわからなかった。
何度も読み直す必要がありそう。個別にも勉強したい。
好きな思想家
やっぱり荘子が好き。思想もだけど、無職なのにあの威厳のある「おれは存在していい」顔。大好き。
あと、口悪いし敵に回したくないタイプだけど、龍樹の思想も前向きで好きだった。バーで人生相談したい。
爆笑したところ
たくさんあったけど、特に笑ったところをピックアップ。
はじめに(本屋でちらっと見て即購入)
ブッダがおかゆ食べたとき
龍樹、あの人に似過ぎ問題(読んだら表紙だけで笑える)
老子ありのまますぎ(こちらも表紙で笑える)
ダルマさんと中国皇帝のトーク
一休からみた親鸞
愚禿の挿絵
挿絵についてるコメントも大好きでした。
しんめいPさま
この本を通して、東洋哲学の知識が深まった気がします。生き方の参考にもなりました。
色んな意味で面白い本をありがとうございました!
noteも拝見します。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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