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「食い尽くし系」は無意識のマウント!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3分で読めます。

先月、講談社さまから「食い尽くし系」について書いてほしいとご依頼をいただき「現代ビジネス」に執筆させていただきました。

「食い尽くし系」とは、家族などとの会食の場で、他人の分まで無遠慮にたくさん食べてしまう人たちのことを指します。

私の過去記事(食い尽くし系が気になりすぎて〜精神科医が考察してみた)や現代ビジネスに、詳しく書かせていただきましたので、よろしければそちらもご覧ください。

執筆依頼を頂いてからの一か月、食い尽くし系について色々と考えを巡らせました。確立した概念ではないので中々苦労はしましたが、自分の思い込みで書かないよう、なるべく「客観性」を求めました。精神科医や心理士、一般の方、地域が偏らないよう全国各地の知人に意見を伺いました。

また具体的にどういった場面で食い尽くし系が問題となっているのか、実際にあったケースを集めました。

食い尽くし系の原因として「これ」という結論には至りませんでしたが、一つ言えるのは(特に夫婦間においては)「無意識のマウント」が背景にあるのではないかという考えに至りました。

生まれ持った「気質」や幼少期の養育環境、それによって形成された性格や行動特性により、「当然自分が食べてもいい」という既得権益に寄りかかった行動と言えるでしょう。おそらくこういった方の中には、上司との会食の場などでは食い尽くさず、相手との関係性や立場の違いで(無意識のうちに)使い分けている方もいるでしょう。

一つ私の同僚の「食い尽くし系医師」をご紹介したいと思います。自信家で自己愛が強い彼、割とどの場面でも遠慮なく「食い尽くす」のですが、飲みかけのペットボトルを毎日職場の公共の机に置いて帰るのです(コロナ禍に数週間放置されていたことも‥)。(自分は医者だし)秘書さんや清掃員が片づけてくれる、とでも思っていたのでしょう(やはり既得権益に寄りかかっていると言えます)。

こういう方は周囲が指摘すると反発が強く、怖くて中々指摘することすらできません

夫婦間など関係性上指摘しづらかったり、あるいは指摘しても意に介さなそうな場合には、このように第三者(医師や心理士などの専門家、上司、友人など)を介して指摘してもらうと、自身の「食い尽くし系」について顧みることにつながり、うまく行けば改善に向かうかもしれません。

食い尽くし系に関しては一概に「こう」とは言えず、他にもいろいろと要因はありそうです。兄弟間、それこそ物心がつく前からそういった傾向があるという話も聞きました。

「食い尽くし系」、私個人としては大変興味深い習性だな、くらいにしか思ってはいなかったのですが、中には夫婦関係の存続に関わるような死活問題となっていることも少なくないようです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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