病院内で気をつけていること
こんにちは、精神科医のはぐりんです。
「精神科ってコワくない」を伝えるためにnoteを始めましたが、実際には調子が悪い方もおり、大声をあげたり、興奮して暴れる方も少なくありません。今回は病院内で身を守るために気をつけている事をお伝えしていこうと思います。
実際に興奮していたり攻撃性がある患者さんに接する際に工夫している点として、正面に立たず斜めの位置に立つ、患者さんを見下ろさず目線は同じ高さにする、物理的な距離をとる(パーソナルスペース+手足が届かないくらいの距離)、身軽な服装で、また胸ポケットにボールペンなど危険なものを差し込まない、最低でももう一人スタッフ同伴で対応する、といったことを心がけています。予防策としてそもそも病院内に危険物を持ち込ませないよう、入院時や外出から戻ってきた際に持ち物チェックを行っています。
また特定の医療者に対して被害妄想や被害的な認知を抱いている方には、一人で関わらずなるべく複数で広く浅く関わるようにしたり、「言った言わない」で揉めないように、重要なこと(診断や薬、決まりごと)を伝える人は統一して、こちらが伝えることに一貫性を持たせたりといったことも心がけています。
外来の場合は主にハード面で工夫をしていることが多いと思います。待合室を広く見渡せる構造にしたり、廊下をなるべく一直線にしたり、それと診察室に関しては密室で入り口が一つしかない構造ではなく、後ろにも通路や出口がある構造にしたり、あるいは診察室の机の引き出しの裏に非常用のボタンが押せるようになっていたりします。それと病院内は鍵がないと出入りできない場所が多いです。
色々と書いてきましたが、多少気を張っている部分はありますが、常日頃緊張していなければならないといったことは全くなく、基本的にはそういった部分も含めて患者さんに良くなってもらいたいとの思いでみな患者さんと接していると思います。