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「実存は本質に先立つ」 実存主義とは何か J.P.サルトル著

 本書の「実存が本質に先立つ」という1文が印象に残っています。

 基本的に、モノは反対に「本質が実存に先立つ」とされています。
ここで、本質とは「目的」、実存とは「存在すること」ということです。
つまり、「目的があって、モノは存在する」と考えられています。

 例えば定規には「真っ直ぐに線を引きたい」という目的、電子レンジには「冷えた食材を簡単に温めたい」という目的があって作られています。
このように、一般的にモノにはまず目的があって、その上で作られます。
そのため、「本質は実存に先立つ」と考えられています。

 しかし、人間は反対に「実存が本質に先立つ存在」であると考えられています。つまり、人間は目的がないにも関わらず存在してしまうと考えられています。

定規や電子レンジのように、目的があって生まれてくる人はいないと
考えられています。
医者になるために、教師になるために、生まれてくる人はいません。

まず人間は産み落とされ、目的はないものの存在し続けなければならない。

そして、生きていくなかで、自分は何のために存在しているのかを規定しなければならない、と考えられています。

これが好きなのではないか、これが向いているのではないか、と試行錯誤しそのなかで自分の生きている目的を作り上げていきます。

また、その結果として、医者になったり、教師になったりすると考えられています。

存在以前の目的の有無がモノとの決定的な違いであり、
人間は「実存が本質に先立つ存在」であると考えられています。


自分は「実存が本質に先立つ存在」という一文が、全ての人間に当てはまる
宿命を言い当てている表現だと感じていて気にいってます。






 

 


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