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【読書感想】プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る_2024(R6).6.12

契機
 プロレスは、大学時代に、友人の影響で見るようになったと思います。
 ちょうど柔道の小川直也と闘魂三銃士の橋本 真也の対戦が、話題になったころで、私は小川を応援する程度のプロレスファンでした。
 流れで、当時深夜の地上波でやっていた全日・新日のプロレス番組をよく見てました。
 就職してからは、仕事が遅くなって丁度TVで見ていたりもしましたが、徐々に遠ざかった感じです。

川田利明さんのイメージ
 「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る」の著者、川田利明さんは、ジャイアント馬場の全日の四天王と言われた男です。
 イメージは、多用するキックが印象的で、語弊がありますがプロレスラーぽくない強さを感じていました。
 天龍源一郎さんのグーパンチ≒川田さんのキックみたいな…。

引退後のレスラー
 就職後、プロレスのTV観戦は減りましたが、コンビニで売ってるようなプロレス実録的マンガとか、見たりしてはいました。
 全日は、馬場さんが死去、ノアと分裂、ノア旗揚げの三沢さん死去、とかは知っていましたが、川田さんのことまでは意識していませんでした。
 武藤敬司さんが頑張ってるなー、程度で。
 ただ、数年前、表記の川田さんがラーメン屋経営の実態を著した本の宣伝を見て、気にはなっていました。(勉強に集中せねばと思い、買わないようにしてたのです)
 でも、最近新聞で、(元)野人?アルゼンチンバックブリーカーの中西さんが、ガソリンスタンドで働いているとかの記事を見たり、気になり度合いが増えてきました。

川田さんのラーメン屋経営失敗談
 川田さんは、馬場さんが死去し、全日が変わったこと、あと三沢さんの死で、別の道へ進もうと思ったようだ。
 会社で言えば、経営者が変わり、経営陣も方針も大幅に変わった。そして先に会社を離れ同業を立ち上げた先輩が不慮の事故で亡くなったことから、その業種から離れたくなった、というところか。よくわかる。
 でも、「脱サラでラーメン屋経営はやめておけ」という本。
一言で言えば、ラーメン屋は「競争が厳しい」から。
 開業のために店舗改装・家賃保証料等で初期投資に1,000万円、そして家賃・機器リースで、が月固定費が80万円…一杯数百円の売上でどうやって回収するのだ、ということである。
 それでも、川田さんはラーメン屋を続けている。15年近いはず。開業10年超のラーメン屋は1割に満たないようだ。どうやって?私財を投じて、運転資金に回しているのだ。レスラー時代に購入したベンツ三台が運転資金に化けた
 なぜ、そこまでしてラーメン屋を続けるのか?
なんと「意地」で続けているという。 

意地について考える
 
経済学的に考えれば、この川田さんの意地は、サンクコストを正確に認識できないようにしている原因で、さっさと廃業した方がよいという結論になると思う。
 また、脱サラを検討するリーマンは、会社に所属するメリットをしっかり認識していない可能性がある。人間は見たいものしか見えない傾向がある。
 そして、意地というのは、承認要求なのだろう。合理的に判断するには邪魔な思考なのだろう。
 でも、合理的には邪魔な思考であろう意地があったからこそ、川田さんはレスラーとして大成したのである。
 カオスな世の中で、意地を通せば窮屈なのだろうが、どこまで通すべきかは誰にも分からない。自分で決めるしかないのか。行けるとこまで行けと言うことなのか。
 昨日、届いた本ですが、2回読んでしまいました。
 
翻って自分
 私が今、会社を退職するとして、選択肢は再就職・引退・独立開業。
 士業なら独立開業もありかと思ったが、行政書士も協会に月会費を払わないといけなかったり、事業場所を設けないと開業できないとか、結構コストがかかりそう…とそこまでは考えていて、川田さんの経験に頷くべきところばかりだった。
 もはやリーマン生活の長いアタクシは、資金があっても、独立開業は選択肢から外すべきだろう。
 資金を抱えながら引退生活をするか、再就職を志すべきなんだろう。
 再就職は短時間・低賃金労働でよいのだけど、体力的に事務職しかできんだろうから、都合のよい再就職先があるかなってとこです。ならば、今の会社で耐えて稼いで、余裕で引退できるまで資金を貯めるのが正解っぽい気がする。懸念は今の会社で仕事していて心身の健康が毀損されること。
仕事はそこそこに、健康のことだけ気にして生活すべきということのようだ。それもプライドというか、意地というか、承認要求が邪魔をしそうで。
 


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