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駅で見知らぬおじさんに話しかけられた話

昔のことです。

関西に引っ越してきて最初の頃、
まだ自分も電車に慣れていなかった頃(今でも全然慣れてないけど)

駅で電車を待っていたら、見知らぬおじさんが話し掛けて来ました。

「お金貸してもらえませんか?」と。

え?急。びっくりするくらい急。

よく話を聞いてみると、

・自分は東京からの旅行者
・携帯もお金も盗まれてしまった
・まぁまぁな距離を歩いて、どうにかここまでやってきた
・警察に行ったけど、ほんの少ししかお金を貸してもらえず、
 今乗っている電車に乗って途中の駅まで行くつもりだ
・でも、本当は新幹線に乗って帰りたい
・だから、新幹線の駅まで行くためのお金を貸してはもらえないか?

と言うことでした。

身なりも悪くないし、普通の人ではある。
関西にやってきたばかりで、関東の人に話しかけられたのが
少し嬉しかった。
東京に帰れないのは、かわいそうだな。
少しくらい(500円?)貸してあげても良い・・・

いや、貸すわけないし!!!

なんで、そんな怪しい人にお金貸さないといけないのよ!
警察が貸してくれないお金をなぜ誰とも知れない私が貸さないといけないのよ!

おじさんは、笑顔で話を聞いてくれてありがとう。
と言って、途中で降りて行きました。


貸さなかったことは正解だったと思うのです。
思うのですが、ふと。ふと後から考えることがあります。


『あのおじさんが石油王で、あの時はどうもありがとう』
つって、もしかして油田くれたかもしれなくない?と。

ふとね。ふと思っちゃうこともあるわけですよ。

そのくらいには夢見る少女でいたかったりするわけですよ。
一生夢見ておいて。と言われてしまう案件でした。

おしまい



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