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人は、忘れる

子どもの頃、砂時計が欲しかった。
とにかくひたすらに砂時計が欲しい欲求。

理由はなんだったのだろう。
落ちていく砂を眺めたかったのか…?

人は、忘れる。
大切な記憶はどうにか留めたく、
何度も思い出しては、記憶の居場所を脳に作る。

逆も然り。
思い出したくない記憶なのに、
何度も思い返してしまい
記憶の居場所ができてしまう。

長きに苦しむこともある。
それがまさに今、
日本でニュースになっている出来事でもある。

当人の記憶は明白でも、
相手の記憶からは、
まるでどーでもいいことのように忘れられている。

フラッシュバックを抱えた人たちの支援をした時に
それがどれだけ大きなものか
想像を絶する絶望がそこには沢山あった。

なんの言葉も届かない苦しみと、
寄り添う身内の方たちの苦悩。

精神疾患は脳の病気でもある。
極端だが10年の苦しみは10年で消えない。

全ての人たちの着地点が平穏であることは
困難であるが、支援する立場にいた者としては
どうか少しでも心休める時間へと繋がってほしい。

人は、忘れる。
自分は今なにを守らなければならないか。
それすらも忘れることがある。

誰かに何かを言う前に、自身はどうか…
いま一度、襟を正したい。

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