Move to Earnを会社員として分析してみる

普通のサラリーマンだってweb3.0、NFT、メタバースを考えてみる。自分が会社の中で新規事業としてMove to Earn事業を立ち上げることは可能なのか。M2Eのビジネスモデルを検証。そもそもGamiFiのどこらへんに具体的なスマートコントラクトが利用されているのか、構造は理解できていないので、まずはとっつきやすい収支構造を検討してみる。

パターン① 広告費モデル
これは完全無料で遊べるようなアプリが代表的。たぶんSTPENが出る前の主流であり、ポイ活アプリの延長のようなもの。

広告主から収入をもらい、その収入の一部をユーザに還元する。

実例としてトリマやステラウォークみたいなアプリ。企業広告の広告料で運営費用も賄うことを考えるとユーザに還元する割合は当然低い。だからこそ、Sweatcoinのような次のパターン②のハイブリッドとするべきか。いまからこれを会社で始めると言い出すのはとても勇気がいる。まともな広告もつけるのも大変だろうし。

パターン② ブロックチェーンモデル(NFT、ユーティリティトークン等の暗号資産の活用)

代表的なSTEPNを検討。詳細説明不要とは思うけど、LITEPAPER(https://stepn.com/litePaper)からちょっとだけ。NFTスニーカーを購入し、歩いてGSTをかせぎ、レベルアップやNFTスニーカーのMint(新しいスニーカーの誕生)できる。ユーザはアプリ内のマーケットプレイスでNFTスニーカー(GEMという強化道具も売却)を売却やレンタルできる。

なお、M2Eがねずみ講スキームなのかはちょっと関係するけど、多くは触れない。運営視点とユーザ視点の収支を区別しながら考える。

素人からすると、前提となるユーティリティトークン(GST)、ガバナンストークン(GMT)、NFT(スニーカーやGEM)の購入に使う(SOL or BNB)と仮想通貨が複数あることは複雑化している要因だと思う。ここもまた別の機会にまとめてみよう。そもそものトークン発行・流通問題もあるし。

さて本題。運営は各種手数料としてPlatform Fee 2%、Royalty Fee 4%(これはNFTスニーカーのクリエイターに払うからほぼ原価にきえる分。スニーカーの売上の内数?)、Shoe-Minting 、Sneaker Rental(未実装)の手数料(White paper参照)にて儲ける仕組みと思われる。

さて、売上原価となりそうな項目。ユーザに発行するGST?んん??GST 発行無制限・・・。GSTが海外の暗号資産交換所・取引所でトレードされているとして、それは区別するのか、時価評価して考えるのか正直、勉強したての身ではよくわからない。

あわせて、ユーザのGSTの利用って売上なのか。GSTに時価評価があるのでややこしいが焼却されるのであれば売上に計上されない気がするが。。

運営からするとトークン発行の際の損益も重要だけど、会社で実施するなら持続可能なビジネスモデルでなければならない。持続可能なビジネスモデルという意味では、人件費・開発費・システム運営費用などの販売管理費を超える売上を計上する必要があり、各種手数料がはいってくるためには、アクティブユーザが維持・増加されないと成り立たない。

となると、ユーザが減少する一番の要因はおそらく「稼げない」ということ。ねずみ講か否かは踏み込みたくないから、ユーザ側に影響する、GSTの価格という側面も分析をしてみる。

いったんチャートの形状にて売買する投資家を除いた、GSTの需給バランスを考えると、ユーザがゲーム内でのGST獲得だけにとどまらず、取引所でGSTを購入したいという仕組みを構築しないと、ただただ売却されるので、GST価格は下落するはず。下落して稼げないとユーザは脱落し、スニーカーの売買は行われなくなる。

この手のゲームで重要と語られることが多い「新規参入者」。新規参入者が重要の意味はスニーカーの購入者がいないと各種手数料が発生しないし、そもそもスニーカーの需給からスニーカー価格の維持が困難になるから。完全新規だけでなく、3足、9足、15足と増やす過程のユーザも純粋に需要面で重要。また、ゲーム初期のほうがレベル上げなどGSTを使うことが多いからこそ新規参入者が重要といわれていると推測される(ただ既存ユーザもコアのファンほどGST消費する量が増えるし、GSTの市場での購入量も大きい気がするけど・・・。ここらへんはガチャのビジネスモデルの上位数%が売上をささえているのと同じな気がする。)

少なくともユーザが稼ぐことを前提としている以上、ある程度のGSTが市場への流出することは避けられないが、流出ばかりが続くと、いずれは経済圏の崩壊は必至。運営がGSTを市場で買い取れば、話は別かもしれないが・・・。

この新規参入者の重要性とGSTの下落構造あたりからねずみ講的な言われ方が出てくるのであろう。

なんといわれようが、新規参入者や既存のプレイヤーのロイヤルカスタマー化(人はそれをSTPEN沼にはまるという)が重要になる。それはゲーム内で『流出』を減らすための、GSTの消費が特に重要ということだ。逆に言うと、できるだけGSTの流出を防ぐ仕組みができていること、すなわち単純にゲームが楽しいし、あれもこれも追加でやりたくなる(より靴を増やしたい、よりいい靴を持ちたいなど)という至極当たり前のことが、ポイントになる。

GSTの消費は、スニーカーの修理、スニーカーソケットの解除、ミステリーボックス開封時間の短縮、スニーカーのレベルアップ、待機時間の短縮、スニーカーのMint、GEMのアップグレードがある。

このなかでいくつかはより稼ぐための一次投資は、スニーカーソケットの解除、スニーカーのレベルアップは実はGSTの売り圧防止というよりはタイミングを分けているだけともいえる。

ミステリーボックスの開封時間やGEMのアップグレードの成功確率などはラックの重要性だけでなくGSTの価格維持に一役買っているのであろう。

まとめると、いかにGSTの流出をとどめおくゲーム性をもたせられるかができなければ、ユーザは離れていくので、安易に流行っているからとしてM2Eに手を出すのは会社としては危険極まりない。

ただ途中で少し触れたトークンの発行の益によっては、持続可能か否かなんて知ったことはないと考えや、トークンを無限に発行できる点の考え方によっては企業の損失って実はあまりない気もする。というあたりからチャレンジしたくなる気持ちは十分わかる気もするし、最初から失敗を考える経営者や担当者はいないわけだし。

勉強したてとはいえ、難しい世界。M2Eで決算書の開示している企業とかあるのかな。徐々に理解していこう。

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