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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / メトロポリタン美術館
クロンドル 〜人面鳥〜 (詩のようなもの)
歴史は、ためらいもなく…
昨日までの砂の城を粉々に打ち壊す。
明日からの光の束を深海にしずめる。
クロンドル を呼んでくる。
誰も知らない、
「クロンドル は、絶望の町に住んでいた」
汚れた翼をバタバタさせ、
埃みたいな羽毛を飛ばし、
生臭いゴミにまみれて。
カラスよりも大きくて、禿鷲よりは少し小さい。
灰色の人面鳥。
クロンドル の “顔” を見てはならない。
あなたは、きっと絶望する。
クロンドル の “顔” は、
見られた人の “顔” になるから。
鏡よりも、“真実” を映すから。
歴史は、学んできた…
昨日までの砂の城を粉々に打ち壊してはならない。
明日からの光の束を深海にしずめてはならない。
クロンドル を呼んではならない。
誰もが知っている、
「クロンドル は、絶望の町に住んでいる」
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