見出し画像

クロンドル 〜人面鳥〜 (詩のようなもの)





歴史は、ためらいもなく…


昨日までの砂の城を粉々に打ち壊す。

明日からの光の束を深海にしずめる。



クロンドル を呼んでくる。



誰も知らない、


クロンドル は、絶望の町に住んでいた」



汚れた翼をバタバタさせ、

埃みたいな羽毛を飛ばし、

生臭いゴミにまみれて。



カラスよりも大きくて、禿鷲よりは少し小さい。


灰色の人面鳥。




クロンドル の “顔” を見てはならない。




あなたは、きっと絶望する。




クロンドル の “顔” は、


見られた人の “顔” になるから。


鏡よりも、“真実” を映すから。




歴史は、学んできた…


昨日までの砂の城を粉々に打ち壊してはならない。

明日からの光の束を深海にしずめてはならない。



クロンドル を呼んではならない。



誰もが知っている、


クロンドル は、絶望の町に住んでいる」







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?