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marche des prêtres 司祭たちの行進  オペラ「魔笛」第2幕 / モーツァルト

1:12:47 第2幕冒頭「No.9 神官の行進」

W.A.Mozart(1756-91)

オペラ「魔笛」はモーツァルトの死の年(1791年)にウィーンで作曲されました。フランス革命(1789-1795年)と同時代、この作品は平等、友愛、博愛の考えを擁護しています。
このエピソード(第2幕冒頭)では、大祭司ザラストロが知恵の神殿に向かって厳かに行列を先導します。


「魔笛」のあらすじ

囚われた王女を救出する王子の成長物語。
舞台は古代エジプト、架空の世界です。

夜の女王は、ザラストロにさらわれた娘パミーナの救出を、王子タミーノに依頼します。王子は、女王から<魔法の笛>と<魔法の鈴>をもらい、お供パパゲーノと冒険に出ます。
ザラストロの国に到着すると、実はザラストロは悪人ではなく偉大な祭司で、世界征服を企む夜の女王の邪悪な野望の犠牲とならないよう、パミーナを保護していたことが判明しました。
王子タミーノは王女パミーナを救うため、試練を受けることになります。「沈黙」の試練、「火」の試練、そして「水」の試練も、<魔法の笛>の力を借りて乗り切ります。パパゲーノも<魔法の鈴>の力によって、パパゲーナとの恋を実らせました。
反撃にやってきた夜の女王たちは、雷鳴にうたれ地獄へ落ちてゆきました。太陽に輝くザラストロの神殿が現れ、神の叡智を讃える合唱となり、幕が下ります。


モーツァルトを知りたい方、映画『アマデウス』(1984)はいかが?


学び 

「オーケストラスコア版」
● オーケストラの楽器編成
木管楽器:フルート・バセットホルン・ファゴット
金管楽器:ホルン・トロンボーン(A・T・B)
弦楽器:弦5部

現在では、この楽器のために書かれたクラシック作品の多くが忘れ去られている。バセットホルン奏者でもあった18世紀のクラリネット奏者アントン・シュタードラーは、この楽器のための楽曲を作るよう、何人かの作曲家に依頼した。その中でも、モーツァルトは最も注目すべき作曲家である。モーツァルトは、セレナーデ第10番変ロ長調K.361『グラン・パルティータ』、『フリーメーソンのための葬送音楽』K.477、『12の二重奏曲 (ゲーゲル・デュオ)ハ長調』K.487(496a)、G管バセットホルンのための協奏曲 K.621bレクイエムK.626、それにいくつかのオペラ室内楽曲でバセットホルンを用いた。

バセットホルン - Wikipedia

トロンボーンがオーケストラに組み込まれたのはモーツァルトの時代であるが、モーツァルトは他の同時代の作曲家と同様にトロンボーンをアルト・テナー・バスを1本ずつ計3本で使用した。このため、現代でもモーツァルトのオペラや宗教音楽(レクイエムやミサ曲)などの第1トロンボーンに当たるパートは、アルトトロンボーンで演奏されることが少なくない。

アルトトロンボーン - Wikipedia


● 2/2拍子 La mesure à 2 temps binaires
● F管ホルン Cors en Fa
● 移調楽器 instruments transpositeurs
● ハ音記号 第3線ド Clé d'ut 3e ligne la note Do


「ピアノリダクション」版
● L'accord parfait a l'état fondamental
完全和音の基本形
● Le 1er renversement de l'accord parfait
完全和音の第1転回形
● Le 2e renversement de l'accord parfait
完全和音の第2転回形


「魔笛」を支配する【3】

秘密結社フリーメイソンに入っていたモーツァルト。
「魔笛」は、全曲にわたり【3】という数字に支配されています。(フリーメイソン入会儀式では、目隠しされた志願者は扉を3回叩く)

● 序曲の冒頭及び中間部で鳴らされる3回の和音
● 3人の侍女に3人の童子
● 3つの寺院に3つの扉
● ピラミッドの3角形
● 祭司たちの審問会で、ホルンが3回鳴らされる
● 『魔笛』の基本調性は、調号♭3つの変ホ長調 など

その他、フリーメイソンの儀式を想起させるシーンがいくつかあります。


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