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新規事業を活発に生む会社になるには「評価制度」「選抜制度」が鍵

こんにちは!

私は株式会社A(エース) で執行役員を務めています。キャリアは偶然にも、10年間ずっと新規事業開発で、大きな企業から、起業Day1の企業まで、幅広い企業体で新規事業を行ってきました。

前回の投稿では「新規事業とは、バイアスと向き合い、直感を疑うこと」について考察しました。

今回は「新規事業を活発に生む会社になるには"評価制度""選抜制度"が鍵」というテーマで考察していきたいと思います。

新規事業開発の責任者は、どんな人になってもらうべき?

質問で「新規事業を成功させるには、どんなことが重要なのか」と聞かれることがよくあります。

答えを先に言うと「成功確率を1%でも高くできる人をアサインする」に尽きます。

では、どんな人が成功確率を1%でも高められるのか、考察してみました。

①既に与えられたミッション内で圧倒的な実績を出している

②応援・協力・後押しされやすい人格である

③参入する新規事業の領域への理解や興味が深い

④新規事業をやりたいという欲求が強い

⑤とにかく実行できる

⑥自身の弱点を俯瞰できていて、尚且つその弱点を補ってくれる人をアサインできる

⑦自身の強みを俯瞰できていて、尚且つその強みが発揮しやすい事業モデルである

ちなみに、これらすべてを体現するのはさすがにハードルが高いので「いくつか」で良いと思っています。(自分もすべてを体現できていると言えないです笑)

ただ、絶対に欠かせないのは「③参入する新規事業の領域への理解や興味が深い」と「⑤とにかく実行できる」だと思っています。

④の「新規事業をやりたいという欲求が強い」も欠かせない要素だと思っていました。しかし、極論、欲求がなくても実行ができれば問題ないです。ただ、欲求がないと実行に移せない人がほとんどなので、そこはニアリー。

新規事業は「正しい方向に」「しっかりと推進させる」の二つさえできていれば、基本は大負けにはなりづらいです。

その「正しい方向」を判断するには、事業・市場・ユーザーのインサイトと向き合うことなので、ここに理解や興味が乏しいと危険です。

そして、どんなに正しい方向が判断できても、推進させることができなければまったく意味がないので、実行が必要です。

ちなみに⑤の実行には二つのパターンがありまして、自分でめちゃめちゃ手を動かすパターンと、チームをめちゃめちゃ動かす仕組みを作るパターンです。

基本的には推進できればどちらでも良いのですが、事業の初期段階で大量のリソースを確保するのは難しいので、前者の方がワークしやすいかなとは個人的に思っています。


新規事業には成功確率が高い人をアサインしなくてはいけない

新規事業にアサインすべき人を、すごく大雑把にまとめると「優秀で実行力がある人」です。

しかし、そんな人は基本的に、既存の事業で「エース」になっていることが多いです。

そこで、本気で新規事業を生むためには、まずその「エース」に新規事業に挑戦する意義やメリットを明確にすることだと僕は考えています。

というのも、エースはわざわざ新規事業に挑戦しなくても、出世の道が約束されています。そして既に結果も出しているので、現存のチーム内でのヒエラルキーも高く、居心地もよいはずです。

もちろん「やりがい」「使命感」で動いてくれる人も多数いると思うのですが、「やりがい」「使命感」の搾取をしてしまうと、挑戦者を生むカルチャーは絞れていくと思っています。

そこで重要なのは、まずは評価制度です。ちなみに「うまくいったら、沢山の報酬を出すよ!」なんて、抽象度の高い言葉でまとめてはいけません。

あなたが現存の事業でどれくらいの頑張りをすると、目指せるコンピテンシーは●●。だけど、あなたが新規事業でどれくらいの頑張りをすると、目指せるコンピテンシーは●●。

ここの天秤が、圧倒的に後者の方が優れていないと、本当の意味で自分事としてチャレンジしてくれないと思っています。そして、後者の方が優れていないと、そのエースは「どうせやるとしても、独立して自身で事業を手掛けた方がメリット大きいな」という考えももってしまうからです。

また、失敗した際のセーフティーネットもしっかり伝えてあげましょう。どんな結果になってもコンピテンシーを下げてはいけません。

新規事業に失敗して傷心している人に、コンピテンシーも下げるなんて、もはやその人は退職一択でしょう。

失敗したとしても、その人は以前はエースだった訳です。その人の資質には疑いようがありません。

また、新規事業は多産多死が前提にあります。生き残った一つの事業が、大きなリターンを生んでくれるモデルです。

それであれば、会社としても優秀な人を失うよりかは、今回の経験で更に成長してもらって、再挑戦してもらうのが合理的でしょう。

とは言えど、新規事業開発室を楽園にしてはいけない

さて、とは言えど、新規事業開発室をどんなことも許す「楽園」にしてはいけません。

「楽園にした方が、みんなが挑戦してくれるから、多産多死の新規事業にとっては合理的じゃない?」

いえ、ここには大きい罠が潜んでいます。まず、資金は「既存事業の必死の頑張り」が前提としてあることです。

みんな、自分たちの稼いだお金がどこに使われるのかを気にしています。そして気にする権利があります。

これが過剰になって、既存事業がお局的になり、新規事業が生み出せない体制になってしまうと元も子もないのですが、自分たちのお金が何に使われているのかを知りたがるのは、健全だと思っています。

例えば、新規事業開発室の私が「君、かわいいから、責任者やりなよ★」とかやってしまうと、既存事業のメンバーのモチベーションを大きく奪ってしまうのです。

そこで大切なのは「選抜制度」です。「①既に与えられたミッション内で圧倒的な実績を出している」「②応援・協力・後押しされやすい人格である」は、まさに既存メンバーの「納得度」に大きく関与しています。

①は全社の納得度という面でもとても大切です。そして、全社の納得度だけでなく、以下のような心理作用も働きます。

「今回失敗しても、帰れる場所がある」「今回失敗しても、自分が優秀だということは理解してくれている」という、精神的なセーフティーネット。

そして、「過去の自分の成果に負けない」「失敗の烙印を押されたくない」という、意地とプライド。


さて、本日はこの辺にします!よかったら、ぜひフォローをお願いいたします。そして、A(エース)では、新規事業開発・SNSマーケティング・SaaS・D2C開発と、全方位的に人材を募集しています。もしご興味がございましたら、気軽にDMしてください!

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