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ウクライナ人画家Ekaterina Belokurの作品を見る

先日、ウクライナに関するイベントが1週間に渡って行われた。歴史、芸術、文学等の各分野ごとに日を分けて開催され、ちょうど仕事で外出の多い時期で都合がつかない日もあり、参加できたのは芸術の回のみだった。
ただ、私にはいまだに彼らが発音するイタリア語が理解できないという大きな問題があるため(一般的に非常に早口で、文章と文章の間に切れ目がない傾向にあるのと、日本人には難しいLとRの発音が彼らにとってもまた別の意味で難しいようで、知らない単語に聞こえる)、結果的にはこれでよかったのだろう。
会場では、その昔、高山を登っていた時期によく会っていた知り合いにばったり出くわし、休憩時間に「ねぇ、発音わかった?」と聞いたら、「いや、殆どわからなかった」と言っていたので、恐らくはイタリア人にも理解するのが困難な発音なのだと思う。

司会者の女性。
この日のドレスは、ウクライナの民族衣装から構想を得て現代版に作られたものだそう。

そういうわけで、当初は「紹介されるすべてのアーティスト名をメモするぞ」と意気込んでいたのに、作品があまりタイプではないとか、興味があってもカタカナでメモした画家名のスペルが検索でヒットしないとか、スライドが早すぎて(多くの作品を紹介したいという気持ちがあったのだろうが、瞬きするうちに進んでいるほどの早さだったのだ。それで殆ど写真も撮れなかった)誰の作品か忘れてしまった、等の事故発生につき、後半戦、「これは!」と思ったアーティスト一人に絞って紹介することに決めた。

そのアーティストは、Ekaterina Belokur(ただし、Kateryna BilokurやYekaterina Belokurという表記もあるため、実際の名前はウクライナ語でКатерина Василівна Білокурという、としか言えない)という農民出身の女性である。

Kateryna Vasylivna Bilokur(Bogdanivka, ?/1900 – 9/06/1961)
ウクライナ人アーティスト。
裕福な農民の娘としてウクライナの小さな農村で生涯を過ごすが、その芸術的嗜好は、彼女のように家事や結婚を運命づけられた少女には無用で有害なものとされ、家族から長い間反対された。父親からもらった五十音表を使って独学で文字を覚えたため、家族は彼女を学校に行かせなかった。
幼い頃から絵を描き始め、古い布切れや木炭、小枝や羊毛の切れ端から作った自家製の筆、ビートジュースやベリー、玉葱、ガマズミ、ハーブから作られた植物性の絵の具を使った。しかし両親は彼女のこの情熱を認めず、時間の無駄だと考え、彼女を思いとどまらせるために絵を燃やすほどだった。

1920年代初頭、陶芸の専門学校があることを知り、そのために購入した本物の紙に、絵の模写と祖父の家のスケッチの2枚の絵を持って旅立った。しかし、初等教育修了が証明できず、専門学校には入学できず、徒歩での帰宅を余儀なくされたが、絵を描きたいという欲求は彼女を見捨てなかった。
(中略)
1934年秋、母の目の前でČumgak川に身を投げて自殺を図った。この行為の後、両親は彼女に絵を描かせることに同意し、結婚を強要しなくなった。
(中略)
1930年代前半になると、主に花のモチーフを描くようになり、40代になって初めて芸術界と接触し、他の画家たちやその作品と出会い、一定の知名度を得た。1940年代から1950年代にかけて、装飾的な民芸品に関連したナイーブな作風と、鮮やかな色彩、独特の輝き、細部への細心の注意を特徴とする花のコンポジションで有名になった。

Wikipediaより抜粋

これを読むと、勿論時代もあるではあろうが、ウクライナもかなりの男尊女卑の国だったのだな、と思わされる。
でも、強い思いを抱いて根気よく続ければ、いつかは花は咲くのだ、それが小さかれ大きかれ、誰にでも咲く日がやってくる、と私たちも信じて、作品の紹介へ移ろう。

上述のように、瞬きをしている前にどんどんスライドが先に進んでいたので、目を凝らして連写してもすべては撮りきれなかった。それゆえ、ネットからダウンロードした作品も一緒に紹介しようと思う。

スライド1
ネットでそれらしき絵を発見したけれど、随分色合いが違いますよね?
スライド2
スライド3

やはりスライドを映したものは見にくいですね…スミマセン。。。ということでネットから拝借した写真たちをどうぞ。

ネットより Flowers behind the fence 1935年
パキッとして40年代とは少し違う感じの花々。
ネットより Flowers on a blue background 1943年
ネットより Decorative flowers 1945年
帯の柄にもよさそう。
ネットより Flowers with nuts. Still life 1948年
ネットより Collective farm field 1948-1949年
どうですか、この緻密さ!花を描くことへの類まれなる情熱がうかがえますよね。
ネットより Flower field
お月見みたいなイメージ。こんな花畑でお茶をのみながら読書がしたい!
ネットより Peonies
ここ数年、芍薬にハマっているシマ子は、それが絵でもすぐにときめく(笑)
タイトルがついていないけれど、このピンク系のグラデーションにうっとり。

彼女の他の作品をご覧になりたい方は、Yekaterina Belokurで検索すると幾つかサイトがヒットするので、"Y"を付けて検索してみてほしい。

その他のスライドもブレずに撮れているものが少しあったので、数枚載せておこう。

ウクライナの民族衣装①
ウクライナの民族衣装②
ウクライナの柄
ウクライナの田舎



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