Agostino Arrivabeneの神秘的で幻視的な作品“L’Oniromante”を鑑賞する
先日、Agostino Arrivabeneの“L’Oniromante”を見に行った。
“L’Oniromante”は、“Oniro”=ギリシャ語の"夢"と"manzia"="占術"、"予言"を掛け合わせたこのアーティストの造語で、それぞれの単語が持つ意味の通り、夢の世界と神託の予言的語りの融合を表しており、現実と形而上学的視野の境界を探求するため視覚言語だそうだ。彼の作品の特徴は、「夢のようなヴィジョンを手に取ることができ、魅力的で刺激的なイメージに変える能力」にあり、彼自身が入念にキュレーションしたこの展覧会は、「知覚に挑戦し、鑑賞者を自己の内面への探求へと誘う体験を提供する」という説明がついている。
説明だけ読むと、「えっ、それって一体どんな作品?」と言われそうなので、彼のHPと本人紹介を簡単にした後、早々に作品へと移ろうと思う。
※作品群 その1(ギリシャ神話関連と思われるもの)
※化石木材シリーズ
私が通った札幌の小学校には、日陰の小さい中庭と日の当たる大きい中庭があり、日陰の中庭には大木があった。その木の節や幹を遠くから見ると女の人の顔に見えるため、その木は「花子さんの木」と呼ばれていた。
その節や幹がちょうど、このAthenaの目元のような感じに配置されていたので、この作品を見た時、一瞬ぞくりとした。
Z世代よりももっと若い世代でも、まだ「花子さん」にまつわる怪談はあるのだろうか?それ以下の年代の日本人の知り合いがいないので、ふと疑問に思った。
どなたかご存知の方はコメントください。
※作品群 その2(幻想もしくは哲学的要素の強いもの)
以上で作品紹介は終わろうと思う。
恐らく、ご覧いただいた後に展示の補足説明をした方が分かりやすいと思うので、加えると、、、
「光と影、楽園と地獄といった相反するもの、目覚めと夢の中で、アーティストは汚染された眠りへの旅を見ている。
シュルレアリスムのオートマティスムによって、あるいは偶然に下絵を描くというジェスチャーによって、あるいは夜の忘却の中で、あるいは化石の森の抽象的・鉱物的な形から生じる催眠術的なヴィジョンによって、彼が繰り返し描いてきたイメージは、夢の植物が精巧に描かれる黒い土地である。」
ということだそうだ。
きっと、これはもう、考えて理解することではなく、感覚でつかみ取るものだと思うので、ギリシャ神話の題材以外は、各々が受ける印象で好きに感じ取って結構、ということでは、と思う。
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