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外は変わっていないが、中は変化している

2023年4月。
以前の市内、初めての勤務校での勤務がスタートしました。
今年、創立150周年を迎え、明治時代からの歴史ある小学校です。
1978年(昭和53年)に鉄筋コンクリート造の校舎が現在も使われています。
外観は、ザ学校といった雰囲気が漂っています。
外から眺めた校舎は、10年前と変わりません。
中の設備、トイレ、流し台、教室、…
大きな枠組みの変化はありませんでした。
パッと気がついた変化は、

①トイレは洋式が備え付けられている。
②流し台は自動。
③全教室に電子黒板の設置

必要な備品を必要な分、つけ足して使用している印象です。

では、ソフト面では、何が変化していたのでしょうか。
ソフト面について綴っていきます。

教師の仕事。あらゆるもののデジタル化

①職員会などの資料は全てデジタル化。PDF。
②保護者連絡のベースは、アプリ「すぐーる」によるPDF添付。学校だより、保健だより、学年だより等の紙の配布が廃止。必要な家庭にのみ配布。
③各教室の電子黒板を使用した授業


保護者、職員問わず、伝達方法のデジタル化はとても心地よいです。

端末で迅速に資料の確認がことができること。
大量の紙に印刷し、児童に配布する手間がないこと。
経費削減。
子ども達が、紙を連絡袋にしまう作業がなくなること。
(低学年、特別な支援が必要な子にとってこの作業は大変なこと)


誰にとっても良いと思う。
どの場面でも紙面として必要な時に、その分だけ印刷すればいいのです。

各教室での電子黒板。これもとても心地さを感じています。


教材として、拡大図や表、グラフなどのカラー印刷することが一切ない。
電子黒板に直接書き込めば良い。
電子黒板にグラフを映して、そこに直接書き込めば、
ほぼ全員がついてくることができる。
教師の仕事が減り、子どももよりわかりやすくなる。
最高。

写真の拡大も可能。
写真への書き込みも可能。
子ども達が提出した意見の一覧を全員で見ることができる。
図工の鑑賞会で、全員の作品を移すこと、ピックアップすることが可能。

思いつくだけで、これだけあります。

デジタルで可能なこと、どんどん活用した方が、
スピード感を生み、テンポよく学習に向かうことができます。
無駄のないスピーディな授業は、
子供達にとっても心地が良いと感じているのではないかと観察しています。
子ども自身の作業も軽減できます。


職員の数が増えている事への衝撃


職員室に先生が溢れかえっています。

なぜ増えているのでしょうか。

普通学級4クラス6学年。
給食教諭、養護教諭などなどに加え、
ITC担当、少人数算数担当数名、専科(図工、英語2、音楽、理科など)数名、日本語担当、特別支援教室5クラス。
スクールアシスタント数名など。

少人数算数の担当教員が増え、
ITCが始まれば、ITC担当者が増え、
特別支援教室は、10年前は1クラスだったのが5クラスへその分の教師が増え、サポート担当のスクールアシスタントを増員

当然ながらこれまでの職員室のサイズでは足りず、
会議室2という小部屋が第2職員室として利用されているのです。


このように、
実際の学校では以前より多くの教員を必要としています。
文部科学省からは、子ども達へのきめ細やかな指導が求められていますし、多様性がある子ども達は、自分に合う指導を求めているように思います。


つまり、

教員が少ないのに、求められていることがどんどん増えてきているのです。


教員一人当たりの負担の大きさ、求められる能力の高さも
何となく想像できます。




1番衝撃的だったのは、特別支援教室の数

情緒2、知的2、身体1の合計5クラス。
身体以外の各クラス6名ほど在籍しています。
この数は10年前の4倍近いのではないでしょうか。
ということは、教室でのグレーゾーンの子ども達も増えているはず。


担任の先生の「指導力の高さ」。
これまで以上に求められているように感じます。


日本語が分からない外国人児童の増加

この県は、自動車工業が発展しており、多くのアジアの人たちが働いています。
その影響もあり多くの外国籍の方が在住しています。

この学校では3年生各クラス3人の外国人は在籍しています。
通級で日本語の勉強をする必要のある子どもたちです。
多くの子ども達は話すことは上手です。
しかし、聞いたことの正確な認識、
文を書くことや書いてあることの認識に困難がある子が多く、
サポートの必要性を感じます。

加えて、
子どもは日本人の名前でも、両親のどちらかが外国籍の子どもが2、3人います。
当然、学校からの連絡が伝わりにくいこともありますし、
大切な連絡事項は、日本語を対応の言語に翻訳して紙として配布しています。
各クラス5枚前後配布しています。

このような子ども達は、外国の文化で育っていることも多く、
日本の当たり前が通用しないこともあります。


教師の多様な子ども達への対応が求められていることがわかります。
日本の常識のみで関わっていては、通用しないのです。


教員達に対応できる余裕感があるのか


実際のところ教員はどのように対応しているのでしょうか。

現場は、てんてこまいです。

残念ながら、
自信を持って「YES!!」と答えることはできません。


教室では、グレーの子供への対応ができず怒り狂っている教員。
特別支援教室のあるクラスでは、個別対応に手が回らず、
その子に合う指導方法を全く対応できず、4月下旬にすでに学級崩壊。


私がこの1ヶ月間で関わった9クラスのうち2クラスで起きていることです。
短期間の間にこれだけのことが起こっています。


教員には確実に「今まで以上の指導力」が求められているように感じます。
そして、常にアップデートしなくてはなりません。
「今まではこうやってきた」は全く通用しないことが分かります。

指導力とは、
これまで以上に多様な子ども達、どの子に対しても必要です。
困っていることを見抜き、
その困難を取り除く技術を使って、指導する能力が求められています。



現場を観させていただきながら、
自分の技量を上げるべく
書籍を買い、動画を観て学び、現場でトライしつつ、
技量を高めたいと思う日々です。


ぜひ、ご意見お聞かせください。



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