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『きみの膵臓をたべたい』感想Part66

・こんばんは。

今日も読書ノート書いていきます。

・彼女は僕に『いやぁ、私、今幸せだなぁと思って。死んじゃうかも』と言った。
そう言った彼女に『駄目だよ』と僕は言った。
すると彼女は『私に生きててほしいの?』と少し間を空けて一言だけ返事をした。
すると彼女は僕の顔を見たまま異常なほど嬉しそうに笑った。彼女は『いやぁ、まさか君が私をそこまで必要としているなんて、そこまで考えを及ばなかった。引きこもりの君が初めて必要としてるなんて思いもよらなかったよ。自分の身分や学問によって受ける恵みがあまりに多くてありがたい。引きこもりの君が初めて必要としてる人間なんじゃないの、私』と彼女は言った。
・僕は『誰が引きこもりだ』とツッコミながら僕は顔が真っ赤に赤面してしまうんじゃないかと思うくらい恥ずかしくなってきた。
彼女に対する不安とは失いたくないこと・必要だということ。事実だけど頭でイメージするものとは比べられないくらいに恥ずかしく僕の全身の血は沸騰して頭に上がっていきそうだった。
そんなことになっては僕が先に死んでしまう。
どうにか深呼吸をして熱を体外に逃がそうとした。
休憩中にインターバルを与える気はないという様子で彼女は嬉しそうな顔のまま続けた。

・私は『休憩中』と『インターバル』が同じ意味だと知った。同じ意味なのに日本語と英語の二重で記載する意味があるのだろうかと疑問に思った。

『様子がおかしいから私がもうすぐ死ぬと思ったの? 君に黙ったまま』と彼女は訊いた。『……そうだよ急に入院期間が延びるし』と僕は答えた。

彼女は腕にしている管が外れてしまうのではないかと思うくらい大声で笑い転げた。そこまで笑われると流石の僕も不機嫌になる。
『悪いのは勘違いさせるような言葉を君だろ』と僕は言った。彼女は『前から伝えたじゃん! 時間はまだあるって! じゃないと手品の練習なんてしないってー。さっき君が言ってたことだけどどうして私のいうことの間とか気にするかなー。 本当に小説の読み過ぎだと思うよぉ』と発言し終わってから彼女はまた笑った。
『大丈夫、死ぬ時はちゃんと君に教えるから』と彼女はまた大笑いする。
笑われ過ぎて僕も頭の中がなんだかおかしくなってきた。
僕はどうやら大きな見当違いをしていたらしい。
『死んだら膵臓を食べてね』と彼女は言った。
『もしかしたら悪いところがなくなったら死なないんじゃない? 今すぐにでも食べてあげようか?』と僕は言った。
彼女は『生きててほしいの?』と訊いてきた。
『とても』と僕は答えた。
・僕の場合率直であることが冗談みたいに見える人間でよかった。
本当の本当の率直を受け取られたら人との関わりに精を出さなかった僕は照れてしまいもう外に出られなくなる。
彼女の受け取りかたは分からないが冗談に聞こえるように『きゃー嬉しい』と僕に言ってから両手を広げた。
楽しそうな彼女の顔はとても冗談っぽかった。
『君も最近誰かの体温がすきになってきたんじゃない』と僕に訊いてきた。
にししししっと笑う彼女の言葉はきっと冗談なんだ。
だから僕は逆に素直に受け止めるという冗談で返してやろうと思った。
立ち上がって彼女に近づき初めてこちらから背中に手を回す冗談をしてあげると彼女は『ひゃー』と冗談っぽく言いながら僕の背中に手を回した。
・誰かの体温を感じる時は勇気やパワーに変換されることが比較的多く私は感じる。

今日も読んでいただきありがとうございました。
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次回はまた明日アップします。
(明日まで再更新する可能性あります)

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