車いすラグビー世界選手権⑤(デンマーク/ヴァイレ)

大会5日目の14日、日本はニュージーランドを58-38の大差で下した。
試合後、池崎さんは「走り足りない」と自信が漲っていた!
さて、選手たちは、試合会場近くのホテルで何を食べているのだろうか。
試合後、そんな疑問を池崎さんにぶつけてみると「サラダ、生ハム、ラザニアとか、いろいろ出ている」とのこと。
海外での食事は、毎回、苦にしないのか?と訊くと「いや、苦にする(笑)」といつものように直球で返してきたが、デンマークの食事はいいらしい。

試合が終わるとすぐに次の試合に向けてリカバリーを早めるため、おにぎりを食べ、さらにプロテインを飲むという。
「だから、後藤さんのインタビューを受けている暇はないんですよー」と言いつつ笑っていた。
サッカー日本代表が、試合後、おにぎりを食べて回復に努めることはニュースで見たことがある。
車いすラグビーの選手も、あれだけ動いてすぐに炭水化物を摂れるのかと思うが、そこは世界で戦うアスリートなので食欲も消化力もケタ違いなのであろう。

日本のチームスタッフはおにぎりのほか、味噌汁も用意しており、日本にいるような食生活を選手のために用意している。
池崎さん自身は、サバ缶、ボンカレーを日本から持参し、食事の時におかずと一緒に食べているとか。

また、コンディションについては「試合を重ねるごとに上がっている」そうで、確かにリーグ戦の初戦に比べたらキレもパワーも試合で強く発揮できるようになっている。
甲子園で戦う高校球児と同様、大きな大会では一戦必勝で、目の前の試合に集中する必要があるが、優勝するチームは戦うごとに強くなっていく。
今の車いすラグビー日本代表に関してもそれがうかがえる。
今日もスキや油断が見られず、メンバー同士でよく声をかけ合い、チーム一丸となって戦っている雰囲気が十分に感じられた。
準決勝では、16:45からアメリカと対戦する。

今日の日本対ニュージーランドには、地元の子どもたちが体育の特別授業で試合観戦に訪れていた。
会場内のBGMにもノリノリ!
大きな声で両方の国の小さな国旗を振りながら、どちらの応援も楽しんでいた。
このどちらの国も応援するということが素晴らしい。
(結果的に、日本のパフォーマンスが際立ち、みんな日本の応援をしていたけど)
日本でも東京パラリンピックで渋谷区の子どもたちが試合に訪れていたが(無観客だと思っていたのでテレビで見ていてもその記憶がない)、子どもたちがスポーツの世界大会を観るのは大変有意義で実り多い。
パラの競技会場に、もっと子どもたちが見学に来られるようにしてほしい。
二の足を踏む理由をコロナのせいにするのは違うと思う。

日本の選手は地元の子どもたちからサインを求められていた。
池崎さんにリクエストする子は多く「コロナ禍になって、(大会で)これほどサインを求められるのは初」と嬉しそうだった。
実は、池崎さんは、前半終了時にも子どもたちにサインを求められていたのだが「試合が終わったらね」と断っていた。
断った分、試合後はたっぷりとサインに応じ、ノートを忘れたのか、「俺の腕に書いてくれ」と頼んだツワモノのキッズもいて(笑)、池崎さんはその子のおでこに書こうとボケたらウケていた。

今日は、この後、14時45分からアメリカ対カナダ、17時からフランス対デンマーク、19時15分からオーストラリア対イギリスというカードが控えている。
甲子園と同様、準々決勝は面白い。
池崎さんは下戸だが、私に「デンマーク来て、どっか飲みに行ったんですか?」と訊いてきた。
池崎さんはコーラで、私はハイボールで、帰国後、気の合う仲間たちと祝杯をあげたいものだ。







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