【時短系料理人4】
ジョン!
ジョン、ジョン、ジョン
ジョンは、とうとう帰ってしまった
山の中に、仲間たちを引き連れて、「ううる」と一声ないた後、
何事も無かったかのように、帰ってしまった
――スープにされた僕は、誰にも食べられることなく、助手席に乗せられている
(パパを殺せ)
僕は、ジョンに、命令した。命令が届かなかったので、途中から、哀願に変わった
『ううるう』
ジョンは、行ってしまった。
それでも、何かしらパパには伝わったのかもしれない
『寒いな』
パパはこう言うと、ブルリと震えた。
『ドルルルル』
車が動き出す。
――スープにされた僕は、誰にも食べられることなく、助手席に乗せられたまま、東京へ向かっている
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