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水族館

先日、水族館へ行った。
水族館はとても好きな場所のひとつ。
適度に静かで、あまり眩しいということはなく、時間の流れがほどよくわからなくなるあの空間が好き。

水族館にいると、図書館で少し読んだショーン・タンの「内なる町から来た話」を思い出す。ワニの話。
太宰の「猿ヶ島」ほど、水生生物たちは壁の向こう側に興味はなさそうな気がする。いや、スタッフの存在を認識しているだろうから、興味はあるかもしれない。ただ、壁の向こうに水が無いという状況が彼らの外へ向かうという意思を削いでいるだけで。
元々は水圧や水質の違いはあれど、壁なんてない世界で生きているものたちなのだから。
そんなことを考えると、水の中に生きる生物たちの独特の動きを楽しむ心と水槽に閉じ込めてしまって申し訳ない気持ちとがないまぜになる。
そんな罪悪感を味わうことも含めて、私はきっとまた水族館へ行くだろう。

ショーン・タンの「内なる町から来た話」は、図書館で数ページ読んだだけでわくわくしたので、収納を確保次第購入したい。
心の積読が増えていく。

2024.04.05 水族館


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