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マラソンでのエネルギー切れ対策ついて考える

今回は私が取り組んでいるマラソン中のエネルギー切れ対策についてお話ししたい。

食生活について考えるようになったきっかけは今年7月の100kmマラソンだった。そのマラソンでは、胃腸障害により身体がエナジージェルを受け付けず、エネルギー切れを起こしてしまった。その結果、60㎞以降は数キロごとに立ち止まり、乱れた呼吸が戻るまで数分間待つということを繰り返さざるを得なかった。

その後食生活を改善したことで効果があったのか、8月の90㎞マラソンではジェルを1時間に1つずつ食べることができた。立ち止まったのも一回しかなかった。

今回は、その間私が実践している主な改善策を二つ紹介する。


1.脂質を活用したエネルギー回路づくり

100㎞を完走するために必要なエネルギーは、大まかに60(kg/体重)×100(km/距離)=6,000(kcal)である。
そのうち、糖質と脂肪から半分ずつエネルギーを供給すると仮定した場合必要な糖質量は
3,000(kcal)÷4(kcal/g)=750(g)
そのうち体内に蓄えてある糖質は400gとすると、ランニング中に350gを摂取しなければならない。
私がいつも使っているメダリストのジェルは一つの糖質量が26gなので、走行中にジェルを13〜14個とらなければならない。
胃腸障害を抱えながら、これだけの数のジェルを口にするのは無理だと思ったのだ。

運動に必要なエネルギーは糖質以外にも脂肪からも供給される。体内の糖質量を減らすことで、エネルギー源として脂肪をもっと活用したいと考えた。糖質1gが蓄えるエネルギーが4kcalなのに対し脂肪は9kcalと貯蓄効率がよく、自分の場合は脂肪が約8万kcal(体重60㎏×体脂肪率15%×9kcal/g)を蓄えている。 

糖質を摂取しないようにすることで、脂肪からエネルギーを供給しやすい身体作りを目指そうとした。

糖質制限を行う食事法として有名なのが「ケトジェニックダイエット」。これは糖質の摂取量を制限する代わりに、たんぱく質や脂質を摂取してエネルギーを補うものである。
結局、私はこの食事法を3週間実施した。
それ以上続かなかった理由は、この食事法は主に減量目的の人向けで、私のように体重を維持しつつ体質を変えたい人間には、十分なカロリーを含んだ食事のレパートリーを確保するのが難しかったからだ。

上記の反省を踏まえ現在は週2回は「朝ラン」を行っている。

朝起床後朝食をとる前に(バナナ一本だけを食べて)ランニングをする。朝食を抜くことで、体内に糖質が枯渇した状態で運動する為、脂肪を使って走りやすくなるのだ。

給水所


2.16時間ファスティング

これは「1.糖質制限」とほぼ同時期にランナー仲間から教えてもらった。
『「空腹」こそ最強のクスリ』という本で紹介されている食事法で、次の食事まで16時間何も食べない時間を作ることだ。

例えば前日の夕食を18時に食べた場合、16時間後の翌朝10時まで何も食べない。22時~翌朝6時まで寝ていれば、空腹感でキツイと感じるのは起床後~朝10時までの実質4時間だけなので、手軽に実践できる。

簡単に言うと、この食事法は食べすぎを防ぐためのものであるが、これにより体重や体脂肪の減少を含め健康効果が期待できる。
私はこれらの健康効果の中で、内臓疲労を軽減できるという効果に着目した。

同著によると、食べ物が胃の中で消化されるまでの時間は平均2~5時間、小腸での分解に5~8時間、大腸での水分吸収に15~20時間かかる。

つまり、一日三時間食事をすると前の食事のものが残った状態で次の食べものが運ばれてくる為、胃腸が疲弊していくことになる。

マラソンを走るだけでも内臓に負担がかかると言われている為、事前に内臓を元気な状態に保っておきたいと考え、週に一度この食事法を実践している。

8月の90㎞マラソンでは、レース前日昼食を食べ過ぎてしまった為、夕食と当日の朝食をオレンジジュースだけにした。多くの書籍やインターネットがカーボローディング(マラソン前に炭水化物をたくさん食べること)を推奨している中で、だいぶ思い切った判断だった。しかし、そのおかげで身体がニュートラルになった状態でレースに臨めたと感じている。

ただし、「16時間ファスティング」には次の注意点があると考えている。糖質制限と同様、自分の身体と相談して実践していただきたい。

・絶食後の食事は血糖値の急上昇に注意すること(具体的には、野菜をよく食べてから白米等を糖質を含んだものを食べること)

・同著では、絶食時間を確保できれば何を飲食してもいいと書いてあるが、この点にも注意が必要。

補給や食事についてはこの他にも気を使っているので、改めてご紹介したい。

スムーズに補給を行うには
日頃の食生活にも気をつけたい

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