CHAPTER 5 Teaching and Mentorship
第五章は、クラウディア・ゴールディンの指導についてです。大学院時代も含めて、多数の学生や指導者のメンターとなり、彼らの研究だけでなく経済学者としてのキャリアにも多大な影響を与えていました。
この分野(経済学)の学者は、今でも、次世代の経済学者を熱心に指導するゴールディンの姿勢や彼女の教育方針に鼓舞され、導かれている。
Role as an educator
クラウディア・ゴールディンは、教室で講義を行うだけでなく、経済学の教育そのものを向上させていくため、カリキュラムの開発や様々な委員会のメンバーとして活動をしていました。
「教育」に対する熱心な活動は、教え子のキャリア形成にも影響を与えるほどでした。
彼女の方法は、彼女がいかにその主題を大切に扱い、彼女がいかに生徒の能力を高めていくことに熱意を持って取り組んでいるかを見せ続けることだった。
彼女の講義は、複雑な経済理論や実証研究でさえ、どのレベルの学生にとってもわかりやすい内容だったので、正確さと明快さで有名だ。
経済学の教育と学習の向上を目的とした数多くの委員会やプロジェクトに彼女が参加したことは、彼女の経済学における教育の質を向上させることへの責任感を示した。
彼女は、研究指導員として、多くの若い経済学者に、差し迫った経済課題を解決することへの情熱や徹底した学問への熱意を注ぎ、彼らのキャリア形成に多大な影響を与えた。
Influence on students and colleagues
クラウディア・ゴールディンは、経済学の様々な分野の研究者と共同することに積極的で、彼女の性格もあってか、経済学のコミュニティで学際的取り組みを推進していました。
このような活動の積み重ねにより、彼女の研究成果が幅広く影響を与える存在になっていきました。
共同研究に前向きなゴールディンの性格も、同僚たちに影響を与えたもうひとつの証だ。
彼女の研究を高めたことに加え、彼女の協調性のおかげで、経済学のコミュニティ内で学際的な取り組みを育てることもできた。
経済学の向上と経済学の多様性や包含性を高めることに対する彼女の貢献は、これらの組織(アメリカ経済学会や全米経済研究所、経済史学会など)での彼女の指導的役割の全てにはっきりと表れていた。
Teach philosophy
クラウディア・ゴールディンが、教鞭をとり、学生の指導にあたるときに、はこれら5つを重要視していました。
①正確な実証
②学際的な取り組み
③批判的思考
④メンターシップと支援
⑤包含性への貢献
ゴールディンによると、実証分析と証拠を基にした推論は、経済学の教育において極めて重要な要素である。
経済学は学際的な学問分野であるので、ゴールディンは、社会学、心理学や歴史学など他の学問分野の考えを議論することを学生たちに勧める。
彼女は、一般論を疑い、推測を検証し、批判的かつ分析的に経済課題に取り組むよう、彼らに求める。
知識の追及に責任を持って取り組む姿勢や経済学の変革をもたらす可能性への信念は、クラウディア・ゴールディンの教育者やメンターとしての影響力に表れている。
+α
メンターシップ
metor/mentee/mentorshipと、メンターに関する言葉が多かったですが、「指導」と訳すには、訳したりない気がしていました。メンターシップがむずしかったです。ふわっとイメージはありましたが、言語化できず、言葉の意味を理解しきれていませんでした。
日本メンター協会の定義をかりると、
メンターシップとは、「 メンティーや部下など、周囲の人間のキャリア(生き方)を、親身になって応援するスタンス」
とのことでした。
また、メンタリングのメインテーマは、「キャリア」であり、「キャリア」とは幅広くて、プライベートも含めるので、「人生」といっても良いぐらいです。
仮に、メンタリング時点の関係性が、「上司と部下」や「担任と生徒」という、共有の目的のもとにできた有限の関係性であっても、時間軸や特定の組織の目標は関係なく、対話ができることが必要です。