ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ【ブラッドカタナ・アンド・ハニーランス】(2)
はじめに
この記事は、ニンジャスレイヤーTRPGの自作プラグイン、「ティターン・ニンジャクラン」のテストプレイを目的としたソロキャンペイグン(キャンペーンのこと)のリプレイ、後半部です。
前半部はこちら
引き続き、古矢沢さん制作の、『ニンジャスレイヤーTRPG:ランダム生成シナリオ案『スカウト部門の日常』第2版対応改定版』を元に敵ニンジャと報酬を設定しました。今回はランダム生成で思わぬ個性を持ったニンジャができました。
1
噴水広場を離れたオールドコロッサスは、巨体を色付きの風に変えて絵馴染を目指す。考えるのは、あの凶悪なヤクザニンジャのこと、そしてニンジャスレイヤーのこと。オールドコロッサスは「サービス嬪」のネオン看板を蹴って急ぐ!
消えかけた「ウイスキー火災です」の看板を蹴ったオールドコロッサスは、巨体を色付きの風に変えて絵馴染を目指す。特に気になるのはニンジャスレイヤー。ザクロから聞いたところでは、彼は滅多にニチョームに立ち寄らぬ筈。ならば、彼からザクロに火急の要件があったか、もしくは……。オールドコロッサスは奥ゆかしい「おマミ」看板を蹴って急ぐ!
真新しい「えるごのみ」の看板を蹴って三転着地、「絵馴染」の入り口に掛かる札は……「本日貸切」!それはザクロがネザークイーンとして行動する時のサインの一つだ。オールドコロッサスはドアの丈に身を屈め、しめやかに店内にエントリーした。
「アーラ、センセイ。ンまーっ!どうしちゃったのその肩!?」破れたニンジャ装束の左肩に驚くザクロを制してシーチ先生は噴水広場の一件を簡潔に伝える。途端に、ザクロは複雑な表情を浮かべた。
「そう。ニンジャスレイヤー=サンが……。シーチ=センセイは、例えば、その人をより過酷な状況に導くかもしれないような調べごとを頼まれたとして……ううん、忘れて頂戴。そうね、今日はニンジャスレイヤー=サンとここで待ち合わせしてたの」ザクロは憂い顔で何かを切り出しかけ、やめた。
「ね、ウメボシ・マティーニ、お好きだったかしら?トラブルシューティングのお礼と言っちゃなんだけど。まだ待ち合わせまでは間があるし、少し付き合って頂戴」しめやかに差し出されたグラスが、ノスタルジックな白熱灯照明を悩ましげに反射する。シーチ先生はザクロの憂愁と、赤黒の復讐者の切実を思い、静かにグラスを口に運んだ……その時!
「ザクロママ!大変!大変なの!」LANケーブルを所々シックにインプラントした紫髪を振り乱して駆け込んできたのは事務オイランのスズヨだった。「アータ、まずは落ち着いて……。ハイ、とりあえずこれ、お水」一旦スズヨをなだめようとしたザクロに、彼女は必死の形相で言い募る。「違うの、本当に、メツモト=サンとこが!大変なの!メツモト=サン殺されちゃう!」
「どういうこと!?……わかったわ。すぐ行く。アータは奥の休憩室で休んでて!」ザクロは、ネザークイーンは一瞬躊躇い、しかしすぐにメンポを展開、ニンジャ装束となる。「大丈夫よ。すぐ戻るから」自分にも言い聞かせるような声には焦り。
ネザークイーンはバーのドアに手を……「ザクロ=サン、私が行こう」ネザークイーンが色付きの風となってニチョームに解き放たれる前に、シーチ先生は奥ゆかしく申し出た。数瞬のあいだ、ニンジャ二忍の目線が絡んだ。「アータ……。お言葉に甘えるわ」ネザークイーンは静かに目を瞑り、オールドコロッサスが再びニチョームの路上に立った。
……「たしかに厚みな」のネオン看板を蹴り、オールドコロッサスはメツモトの事務所に急行する。脳裏にはダブル逆モヒカンに緋色スーツの好漢の姿。彼を死なせてはならぬ!オールドコロッサスの全身にカラテが満ちる!
2
「ア、アバッ……」事務所の冷たい床の上、不動産エージェントのメツモトは不自然な方向に折れ曲がった手足を動かし、なんとか這い逃れようと身動ぎした。
「オーヤオヤオヤオヤ……まだネゴシエーションの途中ですよぉ?ビジネス!」不自然なまでに明るい声がそれを咎め、「アバーッ!」メツモトの肩にスリケンを突き刺した。
「アバッ……ダッコラテメッコラ……ザクロ=サンダマッテネッゾコラー……」苦しい息の中、メツモトは声の主に抗おうとする。サイバーサングラスには「ザクロ=サンが黙っていません」の表示!
「頑固な方だ……。私は既にベネフィットを提示し、カルマの浄化すら申し出たというのに……嘆かわしい」声の主は高級感ある梔子色の僧衣のボンズだ!否、ボンズがスリケンを投げるだろうか?これが意味するところはただ一つ……このボンズは……ニンジャなのだ!
「そんな方には、こうだ!イヤーッ!」「アバーッ!」ボンズニンジャがメツモトの手を踏みにじる。悪夢めいた責め苦の中、ソーマト・リコールめいてつい数時間前からの経緯がメツモトのニューロンに蘇る。
……ブンズーブンズーブンズー。涼しいテクノコア・サウンドが流れる、メツモトの事務所に来客があったのは、ドクロめいた月が重金属汚染雲の端をほのかに光らせるころだった。「ドーモ、ドーモ!ブッダのお救いがあなたの上にもありますように!」ハチミツめいて甘い声で来客ボンズはアイサツした。
「……ドーモ。物件をお探しですか?」メツモトは怪しみながらも応対する。ここらでは見たこともない顔だ。レディオからはのどかなトーフ工場爆発事故のニュース。
「アー、そういうわけではないのです。ワタクシ、ハニーマウスと申します。アーチボンズ、タダオ大僧正の使いで参ったものでして……」オイラン事務員のサーヴしたチャにもオカキにも手を付けずに、ボンズが切り出す。
「このたび、ですね。各地の寺院財政の健全化とネオサイタマ文化局による文化財保護の要請を受けてですね。日本のブディズムをお憂いになるタダオ大僧正が、新しい布告を発されました」メツモトはこの来客のハチミツめいた声の奥に不吉なもの感じ、警戒した。
「ネオサイタマ各所の廃テンプルの所有者または管理者の方にもですね。ネオサイタマ各寺院の平均オフセ額相当の額をお支払いいただくことになったんです。これは固定資産税等とは全く別の、教区への納税となります」ボンズはにこやかに持参したマキモノを応接チャブの上に広げた。生半なことでは複製できぬアーチボンズ、タダオのハンコが確かに搗いてある。
「メツモト=サンですと……アカイバ・テンプル、ロクダ・テンプル、それから……イリノイ・テンプルですね、三山分で……こちらがお支払いの額になります」突きつけられた天文学的な請求に、メツモトは目を疑った。これほどの額のオフセが集まるのはネオサイタマ中でも精々カスミガセキ・カテドラルくらいのもののはず。
一方、メツモトの手持ち廃テンプルはほぼ資産価値の存在しない物件だ。明らかな理不尽!しかしメツモトは冷静に抗議した。「ご用件は承りました。しかし不動産エージェントとしては、各物件の資産価値が全く考慮されていないのは問題に感じますね」
「それは俗世の理屈です」ボンズの目が一瞬凶悪に光り、メツモトを圧倒する。だが直後、ボンズは不自然なほどの甘い笑顔で提案した。
「……しかし、ですね。カルマ乏しく支払い叶わぬ衆生のために、ワタクシの裁量で物件を土地ごと買い取ることをタダオ大僧正は許可されました。メツモト=サンの場合ですと……」なんとしたことか!?ボンズの提示額は今度はあからさまにメツモトの物件の資産価値を上回っている!
この中に、ジアゲを専門とするリアルヤクザの方がおいでなら、既に勘付かれたであろう!このボンズの目的は最初からメツモトの所持物件の土地なのだ!
まずは廃テンプルつきの二束三文の土地を入手し、次にヨタモノやギャングを利用して周辺地価を下げる、そうして最終的にはニチョームのかなりの部分を格安で入手する……このジアゲ戦略は、当然直ちにメツモトの看破するところでもあった。彼の前身こそはそのかみ悪名高きジアゲヤクザ、ギト・メツモトなのだから!
「お売りできませんね」一瞬のうちに判断し、メツモトは返答した。「なんですと?ワタクシ聞き間違えましたか?」「お売りできませんと言ったのです。オフセのお話もまずは諸方面に事実を確認させていただく」
「ワタクシの、聞き間違い、でしたか?」ナムサン!もはやその時ハニーマウスはニンジャ威圧感を隠そうとしていなかった!「ザッケンナコラー!ニチョームにジアゲかます気かッコラー!ネタガッテンコラー!」メツモトは怯まずヤクザスラングで対抗!なんたるニンジャ威圧感にも負けぬ歴戦のオールドヤクザのソンケイか!
……しかし、それはメツモトにとっての不運であった。直後!「イヤーッ!」「アバーッ!」応接チャブが粉砕され、モータルでは捉えることもできぬ速度の衝撃がメツモトの腹に突き刺さっていた!
「ア、アバッ……」メツモトは苦悶しながらも、なお壁伝いに立ち上がろうとした。しかし、「イヤーッ!」「アバーッ!」ハニーマウスの僧衣の裾がかすかに揺らめいた次の瞬間、メツモトの膝は破壊されていた!
「さあ、メツモト=サン。ネゴシエーションです」失禁しながらも逃げだしたオイラン事務員、スズヨには目もくれず、ハニーマウスは地に伏せたメツモトの前に屈みこんだ。その眼はサディスティックな欲望にギラギラと輝いていた。
……「もう一度聞きますよ?」ハニーマウスのハチミツめいた声がメツモトを追憶から引き戻す。「お売りくださいますね?」「ザッケンナコアバーッ!」右人差し指骨折!「お売りくださいますね?」「ナマッコアバーッ!」右中指骨折!
「お売りくださいますね?」「ソマシャッテコアバーッ!」右薬指骨折!「お売りくださいますね?」「ワドルナッケングラバーッ!」右ケジメ小指骨折!
ALAS!なんたるマッポーカリプスの一側面か!このまま勇敢なニチョームの住人、メツモト=サンは邪悪ニンジャ、ハニーマウスに嬲り殺しにされてしまうのか?
3
◆オールドコロッサス/シーチ先生 (種別:ニンジャ)
カラテ 1 体力 5
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 8 脚力 5/UH
ジツ 2(壁越え) 万札 2
攻撃/射撃/機先/電脳 2/8/3/3
回避/精密/側転/発動 7/9/7/5
即応/緊急回避 3/3
◇装備、サイバネ、ジツ、スキル
ヤリ、ニンジャブレーサー
☆巨神化の秘儀LV2
●連射2、◉◉タツジン:ヤリ・ドー、☆◉イサオシのティターン
◉交渉:超然、◉知識:古代ニンジャ文明、◉知識:高級嗜好品
◆ハニーマウス(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 4 脚力 2/N
ジツ 0 万札 12
スキル:『◉ランスキック』『◉知識:銃器』
装 備:
ジ ツ:
サイバネギア:
近接/射撃/機先/電脳 4/4/6/6
回避/精密/側転/発動 6/4/4/6"
「お売りくださ……アイエッ!?」ハニーマウスが、接近する極めて強大なニンジャソウルを察知し、一瞬畏れた。彼が振り返り見た事務所の戸口には……おお、静かな怒りを陽炎めいて可視化させんばかりの9フィートの巨神めいたニンジャ!「狼藉者よ、そこまでだ。ドーモ、オールドコロッサスです」オールドコロッサスはハニーマウスを見下ろし、アイサツした。
HM先制
HMランスキックn(26)>OC回避n(253)
OC強化精密攻撃n(4313)(53211)>HM回避n(2)(2)HM体力4>2
HMランスキックn(11) 失敗
OC強化精密攻撃n(1615)(54455)>HM回避n(3)(1)HM体力2>1
HM爆発四散!あんまりなやられっぷりだったので描写もそれ相応にアップテンポサンシタ殺だ!
「ドーモ、仏敵オールドコロッサス=サン、ハニーマウスです」ハニーマウスもまた梔子の僧衣ニンジャ装束を翻し、アイサツを決める。……アイサツからコンマ数秒後!「イヤーッ!」ワン・インチ距離まで飛び込んだハニーマウスの僧衣の裾が揺らめいた。
メツモト=サンを痛めつけた不可視の衝撃だ!しかし、「イヤーッ!」オールドコロッサスはその衝撃の正体をヤリの柄で打ち据えていた。「グワーッ!」ハニーマウスは右足を抑え苦悶!
「前蹴り一つろくに当てられぬサンシタが、このヒアス・ニンジャとイクサしようてか!」怒れるシーチ先生は、もはやニューロンに浮かぶヒアス・ニンジャとしての言葉を避けぬ!
「ま、まぐれ当たりが調子に乗るな!このメガロマニアックめ!我がハチ・ニンジャクランの秘技をアバーッ!」バックステップで距離を取ろうとしたハニーマウスの両内腿を穿つ精密なるヤリ連続刺突!ワザマエ!
その時、ハチ・ニンジャクランの語がシーチ先生のニューロンに奇妙な刺激を与えていた。それはかつてヒアス・ニンジャが打ち倒した数多のハチ・ニンジャから秘伝を盗み、作り出したるヘスぺリデスの第一鍵、シルバーハニー・サケ・オブ・ダイギンジョ……かつてかすかにニューロンに過ぎったその語は、いましっかりと記憶に刻まれていた。
「ザ……ザッケンナ仏敵コラーッ!」ヤクザスラング混じりのデスパレートな吶喊がオールドコロッサスをイクサに引き戻す。ハニーマウスは必殺の一刺しを以て敵と刺し違えようとするハチめいて両内腿の出血も顧みず突撃!
左足ワスプ・スティング・ケリの構え!オールドコロッサスは真向迎え撃つ。「イイイヤアアアアッ!」回避不能速度の十文字ヤリ斬撃!薙ぎ払い、振り下ろす!
「ア」「バ」ハニーマウス上下半身トランスアキシャル分断!「ー」「ッ!」
「サ」「ヨ」ハニーマウス左右半身サジタル分断!「ナ」「ラ!」
四等活ハニーマウス、壮絶なる爆発四散!インガオホー!
4
説得判定をここではインタビュー判定に差し替えている。交渉:超然の2ダイスボーナス
`/nd h10`
:
`10d6>=5` = (~~2~~,~~1~~,~~2~~,~~3~~,~~2~~,~~3~~,5,~~4~~,~~4~~,~~3~~ :成功数:1)
合計値:1
`/nd h4`
:
`4d6>=5` = (5,~~3~~,5,~~1~~ :成功数:2)
合計値:2
まさかの負けなので、直前の4等活殺が決定してしまった。ハニーマウス=サン。ここで意地を見せたのね。
成功していれば、よりはっきりとタダオとラオモトの関係が情報として手に入る予定であった。
「メツモト=サン、今医師を呼びます。お気を確かに」メディキットを広げ、応急処置の準備をしながらシーチ先生はメツモトに声をかけ続ける。
「ア……アバッ……シーチ=センセイ……アイツ、ジアゲ企んでやがった……どうか、キリシマ=サンとザクロ=サンに……」メツモトの告げたジアゲの計画は、シーチ先生に深い憂いをもたらした。あのニンジャを生かしてインタビューするべきだったやもしれぬ。
ともあれ、これはキリシマ=サンと、ザクロ=サン、ヤモト=サンにも伝えねば。そして、私は……。シーチ先生はイクサのさなか、ソウルの残した探索行を急がねばならぬことを同時に感じていた。医師の到着を待って、シーチ先生は絵馴染に向かう。その足取りは重い。
「お帰りなさい。またアータに頼っちゃったわね」出迎えるザクロには、感傷の色。「ニンジャスレイヤー=サンとの待ち合わせはいかがだったかな?こちらも報告があります」シーチ先生は情報共有を図る。「ニンジャスレイヤー=サンとは情報交換よ。わかったのはそうね……どこもろくでもないことを企んでるってことかしら」
「なるほど。こちらの報告とも合致しますな。メツモト=サンのところに来た狼藉者はニンジャで、目的はジアゲでした」シーチ先生はザクロが眉を顰めたのを見た。
「ジアゲ……。偉いボンズのハンコもってたってことだから、その辺のヨタモノではなし。ボンズが単独で描けるような絵でもなし。手口は完全にソウカイヤ。でも恐らく問い詰めたって関与の証拠がない。そうね、あのゲイトキーパー=サンも姿勢を変えたってことかしら」ザクロはシーチ先生に背を向けてグラスを磨く。その表情はうかがい知れない。
「……わかったわ。腹括れってことね。アタシも、ニチョームも」振り向いたザクロの声は決意で満ちる。「ザイバツも、ソウカイヤも、もちろんネオサイタマ市にだって、好きにさせるもんですか。徹底的にやるわ。徹底的よ」その声には同時に悲壮が潜む。巨大なニンジャ組織複数を相手に、この小さなヘイブンになにができるというのか。その時、しかしそれでも抗おうとするザクロに……未知の差出人からIRCが着信する。発信者は……YCNAN!
「ドーモ、ザクロです。そちらは?」「こちらナンシー・リー。ジャーナリストよ。端的に言うわ。主にソウカイ・シンジケート、またはザイバツ・シャドーギルド。このネオサイタマに蠢くニンジャの暗躍について、まずは情報面から協力体制の構築を希望したい」ナンシーの声はスピーカーから響き、ホロ上半身像までもが表示されている。
あまりにもタイミングの良い話に、シーチ先生は警戒した。しかし、ザクロは。「アータがナンシー=サンね。ニンジャスレイヤー=サンから話に聞いているわ。こちらはすぐには表立って動けない。それでもいいと?」カウンターの上にグラスを置き、真摯な目で交渉を進める。
「勿論。それだけそちら、ニチョームの情報には価値がある。あとは……そうね、傭兵、フリーのエージェント、ハッカー、そうした協力者を紹介してくれるなら望外、そういったところかしら」無論、これは単なる情報の交換よりも危ない橋だ。傭兵の名のもとにニチョームのニンジャを動かせるわけでもなく、逆に紹介した傭兵がニチョームへの圧力の口実になることもありうる。
「では、まずは私が適任でしょう」しばらく沈黙していたシーチ先生が名乗り出た。「私はまだここに出入りして日の浅い、そもそもニンジャとなってそう間もない者。いかに立ち回ったとてニチョームの迷惑にはなりますまい。ドーモ、シーチ・シャオタです」加えて、シーチ先生を知った外部のニンジャは、ここまで全てすでに爆発四散している。
「オーケー。ありがたいわ。でもそういうことなら……シーチ=サンにお仕事を頼む前に、聞いておく。あなたは報酬に何を望む?」ナンシーの問いに、暫しの沈思黙考のあと、シーチ先生は別人めいて呻くように答えた。「旧きレリック、シルバーハニーサケ・オブ・ダイギンジョ、それに繋がりうる情報ならなんでもよい」
ある種の賭けだった。このIRCの相手、ナンシー・リーが果たしてこの種の情報に通じる者かは知らぬ。しかし、これであれば、恩ある人々を見捨てることなくソウルの謎に迫ることもできるやも知れぬ。この判断の裏には無限の逡巡がある。だがザクロが、そして、あの孤独な赤黒の復讐者が信じた相手を、シーチ先生は信じてみようと考えていた。
同時刻、未だ血と破壊痕の残る噴水広場。その街頭ビジョンが告げるのは、ニンジャスレイヤーによってコッカトリスとビホルダーが討たれたサカイエサン・トーフ社の工場爆発事故の続報だった。
「……アサノサン・パワーズ製のジェネレータが爆発原因であったとして、同社を提訴する見通しと伝えられたサカイエサン・トーフ社ですが、近く都とメガコーポ複数の仲介で調停委員会が開かれる模様です。いま発表されている委員会のメンバーは、オナタカミ社、サイデン・マルティネス=サン、ネコソギ・ファンド、ツヅラ・マサタカ=サン……」ネオサイタマが、動き出そうとしている。
今回はレベル4*3の【万札】12を入手。残念ながら元シナリオの交渉判定相当の判定に失敗したので名声は無し
前半と合わせて【万札】36,【名声】1で余暇に進む
【ブラッドカタナ・アンド・ハニーランス】終わり
DIYニンジャ名鑑
おまけ:登場DIY人物の名前の漢字表記
シーチ・シャオタ(SHIICHI xiaota):四至 爻大
メツモト・ギト(MATSUMOTO guito):松本 義人
スズヨ・エイダ(suzuyo ADA):阿多 鈴与
あとがき
後半部分は、前半と一転して特に掘り下げられない変なサンシタがじゃあく行為をしてサクッとスレイされるお話になりました。なんもかんも2ダイスしかないランスキックをダメージ重視で使い続ける運命で生成されたハニーマウス=サンのせいです。あとは、レリック探索や、ネオサイタマ全体の情勢もだんだん動かしていくころかなーと考えながら書きました。
次は余暇リプレイですが、インターミッションとして調停委員会の様子なんかも描写したいと考えています。
次のお話
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