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【ネタバレ】劇中描写から『源平闘乱』を妄想する【なのか?】

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 1980年代のナムコは(これは私の主観ですが)ドルアーガの塔やドラゴンバスターなど、ゲーム性だけでなく魅力的な世界観を有した数々の作品を世に送り出していました。
 そして源 頼朝を討伐するために黄泉がえった平家の豪傑が主人公という世界観の『源平討魔伝』も、そんな魅力ある作品の1つ。
 当時の私はクリアこそ出来なかったものの、角川映画の『魔界転生』や『南総里見八犬伝』の妖しげな魅力に惹き付けられていたので、私が源平討魔伝に惹き付けられたのも当然の成り行きだったのかもしれません。

『源平闘乱』のOP画面

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 そんな私が源平討魔伝の動画を検索してた時に見掛けたのが『源平闘乱』。
 何だろう?と思ってググってみたら、源平討魔伝ファンの手によるフリーソフトらしい。バージョンアップ版の『源平闘乱・愛』が出る程の反響があったけど、残念ながら現在はダウンロードサイトも閉鎖され配信終了している模様です。
 故に今回は私自身が実際にゲームをプレイ出来る状況にはないので、ゲーム性でなくゲーム中の説明文や台詞から世界観を妄想するエアプ記事となります。何卒ご了承をお願いいたします。

キャラクター選択画面

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 源平闘乱は対戦格闘形式のゲームで選択可能なのは12キャラ、うち1キャラは義経&弁慶の二人一組枠なので登場人物でカウントするなら11人とも言えます。景清や頼朝のようなネームドも居るかと思えば、鬼姫や魔神のようなモブ敵も居るのが面白いところです。
 1人プレイ用の“源平闘乱絵巻(以降“絵巻”と略す)”は全部で8戦。どのキャラクターも戦績によってルートが分岐するものの8戦目は頼朝と対決します。キャラクターごとに戦う相手の順番は決まっているようで、(義経&弁慶の二人一組枠には会話描写が存在しないが)4戦目以降には戦闘前に会話描写が入る事もあり、良い戦績で進み真の頼朝を倒すと富士を背景に真のエンディングを見ることが出来ます。逆に戦績が良くないと変身前の頼朝と戦うことになりバッドエンドを迎えてしまいます。
 なお私が見た動画では真のエンディングを見られるルートだったので、その情報を基に記述しています。

戦闘前の会話描写

( -□-)ノ
 そんな訳でゲーム中での描写から読み取れる情報から、舞台である魔界日本の世界観や登場人物への妄想を捗らせたいと思います。

【登場人物】
平 景清
 世の乱れを嘆いた天帝に命じられた三途の川の渡守である安駄婆により蘇った“平家随一の兵(つわもの)”である『源平討魔伝』の主人公。琵琶法師の手で蘇った頼朝を討つべく再び黄泉路から返ってきた。
 絵巻では義経や弁慶を退けたものの再び相見えたことから、頼朝を倒さねば終わりは無いと決意を新たに打倒頼朝への執念を燃やす。なお同じ源氏といえど経緯のせいか、義仲のことは頼朝や義経ほど恨んでいない様子である。
 頼朝が消えれば景清も消える。頼朝が蘇れば景清もまた蘇り、幾度でも頼朝を倒し続ける。修羅の道を未来永劫進み続ける運命を選んだ景清。
 その消え行く様を見送った案駄婆は、げにこの世は諸行無常と呟いていた。
骸骨剣士
 大きな異形の刀を持ち“地獄の門番長”を勤める骸骨の剣士。
 黄泉の門番だけあって源平の争乱に無関係であり退屈な日々に飽き飽きしていたが、仲間の骸骨を引き連れて魔界日本を源氏の手から奪い取るべく行動を起こした。
 天帝の命令とはいえ何度も転生している景清を快く思っておらず、源氏だけでなく景清にも刃を向けた。
 当事者の頼朝や裏で糸を引いていた琵琶法師も、黄泉の門番である骸骨剣士が暴れまわる事態は予測できず困惑していた。
 絵巻で頼朝を打ち破った後は魔界日本だけでなく天界の制圧も狙うが、行く末は神様のみぞ知る。
魔神
 頼朝の魔力で生み出された“造られし破壊神”。人工物だが源氏の兵器として戦い続けているうちに自我が芽生えてきていた。
 人造とはいえ神であった故か景清討伐後に自我だけでなく神としての自尊心も生まれ、魔神を操っていた琵琶法師や義経達をも退ける。
 絵巻だと真の神に成るため頼朝をも倒すが、それは同時に自らを動かす力の供給を失う行為でもあった。
風神
 天帝により天界から追放され、雷神と共に魔界日本に君臨している“狂いし疾風”の神。しかし何故か人間である頼朝に逆らうことが出来ず、その指揮下に居た。
 だが景清討伐後に琵琶法師が奏でる音色が元凶と知り、琵琶法師を打ち倒して自由の身となる。
 義経や弁慶を倒し、人の身でありながら神を使役した頼朝にも神罰を落とす。
 絵巻で頼朝を打ち倒した後は天帝など恐れるに足らずとばかりに、雷神と共に天界の制圧を目論むことになる。
雷神
 風神と同様に天帝により天界から追放され、魔界日本に君臨している“猛き閃光”の神。人間である頼朝に逆らうことが出来ず仕えていたが、それを憎々しく思っていた。
 景清を討ち取った見返りとして神をも操る琵琶を渡すことを要求したが、琵琶法師に断られたために打ち倒される。
 また義経と弁慶も、そして頼朝も雷神を過小評価していたため怒りを買い、神罰を下された。
 絵巻で頼朝を倒した時点で天帝達に封じられていた力を取り戻していたので、風神と共に憎き天帝への報復という悲願を果たすべく天界へと向かう。
鬼姫
 京都を根城に狂女のように乱れた姫衣姿で怪しく笑い続けるのは、“夜に舞う妖蝶”の如き妖魔の女。
 景清に遭遇するも凄まじい怨念に興味を抱き、景清と一戦交える。
 その後は景清を気に入り、義経に頼朝への目通りを願うが断られたため実力行使に移った。
 鎌倉を目指す途中で琵琶法師と遭遇するが、鬼姫には魔界日本に混乱を齎す頼朝や琵琶法師を許す気が毛頭なかった。
 そもそも鬼姫が頼朝と会おうとしたのも、頼朝の魔力を弱体化させて景清が確実にトドメを刺せるようにするのが目的だった。
 絵巻では妖魔にとって住み心地が良い魔界日本を維持するため景清に先んじて頼朝を討ち果たすが、未だ妖気が残っていることを気付けない鬼姫に頼朝は倒しきれず、トドメを刺せるのは自身のみと確信する景清であった。
木曽 義仲
 宇治川の戦いで滅びた源氏の武将だが、景清への対抗手段として頼朝の魔力で蘇った“炎の如き朝日将軍”である。
 しかし義仲自身は豪傑との勝負にしか興味が無く、景清だけでなく宇治川での借りを返すべく義経に挑んだりしている。
 絵巻で頼朝を討ち果たした後は他に目ぼしい豪傑も居ないせいか、巴御前の行方に思いを馳せていた。
源 義経
 頼朝の弟にして、義仲や平家討伐で猛将として名を馳せた“真紅の貴公子”。
 しかし順調すぎて感じる退屈さを紛らわすため、余興として弁慶や義仲にも勝負を挑んでいる。
 景清を討伐し源氏再興が成った後は頼朝にとって目障りな存在となり、ある意味で史実通り謀反の疑いをかけられ命を狙われる。
 絵巻で頼朝を返り討ちにした後は、弁慶いわく黙っているとは思えない“あの者ども”や頼朝に与する者達を葬り、義経自身が魔界日本を治めると宣言している。
武蔵坊弁慶
 義経に付き従う“豪力鬼神”な大男で、同じく頼朝の力で復活した義経と共に居た。
 義経への忠義は厚いが、五条の大橋で義経から刀狩りの借りも含めての勝負を持ち掛けられれば、手加減抜きで受ける気概を持ち合わせている。
 しかし景清討伐後は義経と同様に謀反の疑いをかけられたことから、これまでの尽力を無碍にされたことに怒り、頼朝の望み通り歯向かうことを決意した。
 絵巻で頼朝を倒した後は魔界日本を支配を目指す義経に、変わらぬ忠義を抱き付き従っている。
琵琶法師
 手に持つ琵琶で風神や雷神すら操る恐るべき魔力を持ち、先の大戦(=源平討魔伝)でも景清が唯一討ち漏らしていた“暗黒の奏者”。また頼朝達を冥府より呼び戻した張本人でもある。
 しかし頼朝の側近でありながら反意を抱いている義仲に協力を呼び掛けたり、源氏も平氏も陥れようとする不可解な点もある。
 裏で糸を引く黒幕と思われていたが、絵巻だと味方な筈の義経や頼朝を退けた後に、実は“あのお方”の命令で動いていたことが分かる。
源 頼朝
 かつて闇の力を駆使して日本を制圧しようとしたが、その野望は先の大戦(=源平討魔伝)で景清によって阻止された。しかし琵琶法師の手で蘇った頼朝は“闇を支配する者”として残された力を使い、闇の者達を蘇らせた。
 絵巻では魔界日本支配の戦も大詰めとなった辺りから義経達に分け与えていた力の返還を要求するが、それは分け与えられた者の死を意味するので拒否される。
 景清を返り討ちにした後は“あのお方”へ尽力していた琵琶法師も討ち取り、鎌倉に残していた己の半身も取り込んだことで先の大戦で失っていた力を取り戻すことに成功する。
 頼朝の次なる目標は、琵琶法師を操り法王をも動かしていた“あ奴ら”(=“あのお方”の一味)を始末することであった。

【世界観】
 最初に『源平闘乱』を知った時は『源平討魔伝』から20年以上も後の作品なので、『源平討魔伝 巻ノ弐』後の時間軸かと思っていました。
 それだと景清が琵琶法師を討ち漏らしていた事実と矛盾してしまう(『源平討魔伝』ではバグ技を利用しない限り琵琶法師を倒せないが、『巻ノ弐』では普通に倒せる)ので、時間軸は『巻ノ弐』頃だと妄想しています。

琵琶法師を操る“あのお方”
頼朝も無視できない謎の存在

( ー_ー)
 そして頼朝や琵琶法師の口から語られている、『源平討魔伝』や『巻ノ弐』には居なかった(語られなかった?)筈の謎の存在は、いったい何者なのか?
 それについては頼朝や琵琶法師、また義経と弁慶の台詞から「頼朝側の人物」であり「源氏でも平氏でもない」のと、絵巻の義経編を見る限り『源平闘乱』の世界観も史実の流れに沿っているようなので、恐らく“あのお方”は頼朝亡き後に台頭した御台所(後の尼将軍)、そして“あ奴ら”は北条氏ではないでしょうか?
 ……というより頼朝の台詞に挙がっている“法王”が院政を行っていた後白河法皇を指すのなら、頼朝が“あ奴ら”の影響力を無視できないのも当然ですよね。
 歴史好きな人なら、もっと説得力のある推論や根拠を提示できるのだと思いますが、私ではこれが限界ですw
 『源平闘乱』も壇ノ浦の戦いで平氏が滅びた後の時間軸なので、登場人物で平氏勢力が景清ただ1人なのは納得がいきます。
 しかし同じ源氏勢力といえど義経と義仲は反りが合わないし、風神と雷神だけでなく魔神も琵琶法師の音色が無ければ歯向かう気マンマンという有り様です。
 鬼姫は景清を気に入ったことと、現状を変えられるのが不本意だったので頼朝を敵に回しています。鬼姫としては景清自身の手で倒さねば、頼朝が消えようとも怨念が晴れず魔界日本に留まるとも考えている節も見受けられますが。
 とはいえ絵巻中最大のイレギュラーは源氏とも平氏とも天帝の思惑とも無関係な骸骨剣士の活躍ではないでしょうか?
 流石に頼朝も琵琶法師も黄泉の門番が魔界日本へ仲間を引き連れて、源氏平氏を問わずブチのめす事態は予想できないと思いますw

『源平討魔伝 巻ノ弐』より

【魔界日本とは?】
 劇中では“日本”と呼ばず“魔界日本”と呼んでいますが、そもそも魔界日本とは何なのか? Web検索したところ魔界日本の名称は『源平討魔伝 巻ノ弐』に登場しています。
 『源平討魔伝(添付画像通りなら史実で頼朝が没した1199年)』で景清に討たれた頼朝が地の底で魔族の復興を謀っているので、天帝は再び案駄婆に命じて景清を甦らせ魔界日本へ送り出す。景清は頼朝が居る鎌倉腭(かまくらあぎと)を目指して旅立つ。
 ……というのが『巻ノ弐』の背景です。パッと見たところ『源平討魔伝』とは地名が微妙に異なるので、背景での描写を考慮すると『巻ノ弐』での“魔界日本”は日本に似て非なる所(というより頼朝が甦ってない状況なので、日本列島と同じ形をした死後の世界)だと考えるのが妥当だと思われます。
 では『源平闘乱』の魔界日本も死後の世界なのでしょうか?
 ですが『源平闘乱』での地名は“山城”や“相模”など『源平討魔伝』の時と同じですし、琵琶法師の説明文に「頼朝達を冥府より呼び戻した張本人」とあるので、『源平闘乱』の“魔界日本”は死後の世界ではなく闇の力で魔界化している日本と考えるのが妥当ではないかと思います。
 但し、その場合だと仮に景清が頼朝を討ち果たしたとしても(頼朝亡き後に台頭した、後の尼将軍だと思われる)“あのお方”および(北条氏であろう)“あ奴ら”は健在なので、日本は闇の力の影響下に置かれたままではないのか?という疑問が残ります。
 この疑問に関しては“あのお方”が琵琶法師と繋がっていたり、画像を見る限り頼朝達と同様に魔性の者としか思えない見た目なのが問題なのですがw

(っー□ー)っ
 ……さて『源平討魔伝』ファンの作品である『源平闘乱』ですが、『源平討魔伝』への愛が大きいこともあって登場人物の物語にも拘りが感じられました。
 それ故なのかゲーム動画を見て記事を書き始めた時には気付かなかった事柄が次々と湧き出してくるし、魔界という私好みな題材でもあるので妄想が捗ります。
 とはいえ2012年のフリーゲームということもあってかプレイ動画が少なく劇中での会話描写を読める機会も乏しかったので、バッドエンドやルートによる違いなど取り零している情報も多いと思います。
 因みに翌2013年には新技や新規グラフィック追加に大幅なバランス調整だけでなくシステムデザインまで一新したアップデート版の『源平闘乱・愛』が配信されたのですが、残念ながら前述の通り此方も現在は配信ページが閉鎖されています(orz)。
 なお『源平闘乱・愛』では(恐らく真エンディングのルートで)頼朝を倒した後に更に一戦あるのですが、その相手が選りに選って〖三種の神器を持った景清〗とは!……いや確かに『源平討魔伝』に登場していると言えるし、頼朝にとっては最も強い存在なのでしょうけど!w
 そんな訳で現在はプレイ出来ないのが残念ですが、元ネタである『源平討魔伝』への愛と拘りが溢れているので妄想し甲斐のある作品でした。
 いつもの記事より倍以上の文字数になってしまいましたが、最後まで読んでありがとうございます。

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