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「文章が書ける」というのは単に読み物をつくれるだけではなく、お仕事でも役に立つ力だよ、という話

お疲れ様です、pontaです。

ゲーム批評祭」という、ゲームレビューのコンクールでlive賞とゲームキャスト賞をいただきました。

アメリカのMBAの授業でも使われているほど優れた経営シミュレーター」など実際に興味を引くワード、テンポが良い文章など、良いところはいくつも挙げられますが、表彰したいのはそういった理由ではありません。 文章を読んだあと実際にゲームを買いたくなり、遊んで、文章に通りの体験ができて満足したからです。 (gamecastさん)
たとえ全く知らないゲームでも、何をするのか、どこが魅力なのかが傍で見ているかの如く理解できる。読み手に沿った導線を描いているように思えました。口語調強めでありながらも文章としてまとまっており、彼はまさしく文語的コミュ強なのでありましょう。批評文に『バーカバーカ』なんて露骨に書いて笑いを誘えるのは、その心理誘導の巧さゆえです。彼の文はいつの間にか読み手を友達にしてしまい、多少の軽口を許してしまう。自身の描いた世界に引き込む力が尋常ではなく、それでいてあっさりとした読後感も与えてくれる。文章に対する技巧をそもそも読み手に悟らせない奥ゆかしさが、日本人らしくてさらに良いのです。(liveさん)


私はいまだに自分のことを素人だと思っていて、どこかライターとして「半端もん」の気持ちがぬけずにいます。

それでも、いやだからこそ。こうした、プロライターの多く集まる場で認められたというのは、素直に自信になります。ありがとうございます。

私はやっぱり文才があるんですね。(すなお)

文才はビジネスでも役に立つ

そして最近「文章が書ける」ってことは、たんに「読み物をつくる」ということにとどまらず、ビジネスでも役に立つなと思い始めています。

そもそも、文才というのは着眼点、想像力、言語説明、感情理解の総合力でありまして、単に言い回しがうまいとか、そういうレトリックのあるなしは些事なんですよね。

そういう点で自分は(というか文章が書ける人は)長けているなと。

そして文章の書ける人は「AとBの関連性」を意識する力が強いなと。それがどういうことかというと。

・関係性を想像力でこじつける力(着眼点)

・関係性を説明する力(言語説明)

・関係性に違和感があるときに指摘し、訂正する力(文脈からの問題発見力)

わかりづらいですよね。

たとえばですが、ここに2枚のスライムの絵を置きます。


このふたつはまったく別のものですが、並べると、人々はいろんなことを想像してしまいます。

たとえば「かわいいスライムが、恐ろしい魔法の力でおぞましいスライムになった」とか「ふたりは実はともだち」みたいな。

人間は異なるふたつの事象が並んだときに「合理的な説明がつく理由で埋めたがる」生き物です。

物語力とでもいいましょうか。文章力のある人はこの力が人より優れているのかなと思います。ストーリーや企画の建付けです。

また、会社内にて、物語的に無理が生じている部分を指摘したり、それを適切な形に修正するのも得意です。

人間同士の微細な関係に配慮するのも得意です。

会社の文脈に沿った、自然な仕事や、自然な取引先を見つけてくるのも得意です。

「合理的で自然な関係性」をみつけて、そこに向かって実行する力は備わっている自覚があります。


私の場合、もちろん、足りないところはたくさんあるんですよ。

仕組みを忍耐強くメンテナンスする力、数字を読み解く力、細かい作業、お片付けなどは苦手です。

発散系の仕事に強いぶん、長期的な注意力が必要となる仕事については無能に近い。

過去に失敗したときはいずれも、得意な部分で実績を上げたあと、苦手な仕事をふられたときでした。

「pontaくんは優秀だからできるよね」→「あっ…(閑職ゥ)」みたいな。

この年になったら、直すのはもう無理ですね。それはもう得意な人にまかせようと思っています。

人には凸凹が必ずあるので、それは自覚したうえで、苦手な戦場で戦わない。戦わざるをえない場合は自分をポンコツだと自認して仕組みをつくったほうがいいですね…。


物書きだって戦っている


転職してからというもの戦っているビジネスマン、戦っているゲーマー、戦っているYouTuberに会うことが多くて、私はこれまで戦ってきたのかなあと思うこともあるんですが。

ただ私はたぶん、過去の文豪だったり、歌人だったり、そういう天才たちと戦ってきたんですよね。

華麗な文章、巧みな思考、そういったものを見て、あー、まだまだだなあ、ぜんぜん俺できてないなあと。群馬の山奥で、大量の日本語を摂取していました。吉川英治や中島敦、清少納言と殴りあいをしていました。

で、そういう人と戦ってたら、気が付いたら自分が、見渡す範囲でいちばん文章が上手くなっていたといったところです。ドヤア。

プロゲーマーと同じですね。

もちろん、世の中には上には上がいるので、自分なんかぜんぜん、まだまだすぎますけれども。会いたい人、勝ちたい人はたくさんいます。

これからも古今の天才たちと戦わないとなあと思いつつ、そしてそういう戦いは、日々のビジネスにも生きるよなと思った次第です。

以上、よろしくお願いします。



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