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(7)望みの種類:減らす望み vs 増やす望み #2

こんにちは。
今回は、前回の続きで、減らす望みと増やす望みの違いについてです。

前回はこちら「減らす望みについて」です。

さて、では今回は、問題を減らす望み、レメディから、本当の望み、増やす望みであるアウトカムとの関係を見るところから始めたいと思います。

オフィスでよくあると思われるパターンを例に。
ご登場いただきますのは、このような悩みを抱えた皆さんです。

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困った上司は、その人が抱えていて、なおかつ価値を認めていない存在ですので、
この場合、はっきり問題です。
この場合の問題は、この人にとってはという意味です。

さて、この人をサポートする質問は何でしょう?

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この質問は、クリーンな対話を始める時と、問題について使用します。

そして、困った上司がいて、「あなたは何が起きればいいの?」と尋ねられた人が答えそうな回答パターンはこんな感じでしょうか?

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上司にいなくなって欲しいとダイレクトにはっきり言わずとも、
「あ〜、もう私、異動にならんかな!」 (問題を避ける望み)
「会社辞めたい」(問題を無くす望み)
「誰かどうにかして欲しいわ」(問題を無くす望み)
というような感じの望みは、全て、「減らす望み」レメディです。

これらはその場しのぎで、あんまり役に立たないことが多い望みですが、しかし、実際、非常に多いというのことは、前回解説いたしました。

減らす望みは、問題解決を望む望みでもあります。
とても自然に浮かぶことが多いと思います。

・・・と、ここまでは前回の復習のような感じでした。


では、ここから、本当の望み、望ましい望み、増やす望みにいよいよ入りましょう。
それは、どこにあるのでしょうか?

それは、減らす望みの先にあります。

というわけで、増やす望みを引っ張り出す質問をご紹介します。

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時間を少し進めて、その問題が解決した後を想像してもらう質問です。
その人の思考の中から、問題を取り去ります。

「問題が無くなると・・・何が起きますか?」

すると・・・

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さまざまな、問題を含まない望みがそこに現れます。
上司がいないと起きること、それが、この場合、その人の望みです。

増える望みは、増えれば増えるほど、その人にとって好ましい状態が豊かに広がりそうな内容の望みです。

これを、「望ましい望み(アウトカム)」と言います。
誰にとって望ましいのかというと、その人本人にとってです。

その人を満たす望みと言ってもいいかもしれません。

その人の頭の中に、問題がない状態を作って、そして、それから、その望みについて「時間をかけて」探究し、その望みを発展させていきます。

この場合であれば、上司について考える時間は取らない、上司がいないと何が起きるかについて考える(それがその人が欲しいものだから)ということになります。

嫌なものをなくしていくことを考えるのではなく、欲しいものを手に入れていくことを探究することに時間をとるという感じでしょうか。

クリーンランゲージ&シンボリック・モデリングは、問題を解決していくことを目的としていません。(結果的に問題が解決することや、問題だと思っていたものが問題ではなくなることは多くあります。かかる時間は人それぞれ、または、テーマにもよります。)

この増やす望みを引っ張り出す質問、

「(問題が無くなる)と、何が起きますか?」

この質問は、非常に使えます。

特に、「いつも〜だ」「ずっと〜だ」という長らく続いているパターンから脱したい時、自分では変えようもない何かが問題な時、こう着状態にある時、そこから逃れることに執着してしまう時など、自分で先をイメージするのが難しい時に。

もちろん、一度でスルッと増やす望み(アウトカム)が登場しないことは、多々あります。

そういう時はどうするの?というのを、次回はお届けします。

ここまでの話をまとめたものになります。


さて、では、次回まで、「気に入らない何か」「困った上司」「困った部下」その他色々を抱える方は、ぜひ、ご自分に尋ねてみてください。

「私は、何が起きれば好いの?」

そして、

「それ(問題)が無くなると、何が起きる?」


では、また。

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*参考文献

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これまでの記事はこちらです。


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