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浦和レッズのGKコーチジョアンに注目!

こんにちは。
サッカーコーチのコーチ倉本和昌です。

2022年シーズンの浦和レッズのジョアンに注目!です(この記事は2021年12月に書いたものです)

2022年1月に浦和レッズの今シーズンの体制発表が行われました。監督はスペイン人のリカルドで、私の大親友であるジョアンがGKコーチに就任しました。

在原正明さんが通訳、そして2021年にプロを引退した塩田仁史さんがアシスタントコーチでつきます。西川周作選手、鈴木彩艶選手、水戸から加入の牲川歩見選手が入り、その彼らがどんな変化をしていくのか、非常に楽しみです。

ちなみに2022年シーズンがどうだったか?ジョアンの成果はどうだったか?こちらのレポートも読んでもらえればと思います。
https://www.footballchannel.jp/2022/11/26/post485266/

ジョアンとの出会い

2006年ビルバオのコーチングスクールで初めて出会ったGK講師のジョアン。その縁で、私がベルマーレにいたときに観光を兼ねてジョアンが来日したことがきっかけで最終的に日本で仕事をすることになり、2013年からずっと日本で仕事をしているGKコーチです。

それまで海外に住んだこともない彼を無理矢理お願いして、日本に来てもらったんです。もちろんそれは私一人の力ではなく、受け入れてくれたクラブ、株式会社アレナトーレの高田敏志さんなど多くのサポートがあったからできたことです。

もちろんジョアン本人が日本で自分のキャリアを終えると覚悟を持ってくれたことも大きいです。

ジョアンのメソッド

私がこれまで見てきた中で、世界トップレベルのGKコーチです。私の本心なので彼がどう思っているかわかりませんが、本当に素晴らしいメソッドを持っているのに、なかなか周りの人の理解が得られない。その素晴らしいメソッドを良い形で広められなかった私も大きな責任を感じています。

以下ご紹介するコメントは、レッズのGKコーチに就任するニュースに対してYahooのコメントに書いてあったことです。
「本当に優秀なコーチがアマチュアにいきます?本当に優秀ならJ1クラブ間で奪い合いになると思うのですが、、、過去の実績はあるのでしょうが、ここ数年の実績を見ると不安にを感じます」

ベルマーレ、FC東京、奈良クラブ、筑波大学とアマチュアになったからそう言う見方をする人がいるんだと思いますが、それでは2年、3年アマチュアで指導していた61歳のコーチが、J1のクラブに引き抜かれることは普通なんでしょうか?GKコーチをやっているとして60歳でJ1クラブからオファーがあるって、起こりうることですか?

そもそも彼のスタンスはどこのクラブにいようが、子供を教えようが、トップレベルの選手を教えようが、変わらない。でも、周りはそう受け取らない。

別のとあるGKコーチは「過去にスペインではすごかったのかもしれないけど、日本ではあまり実績がないじゃないか」と言っていました。

ここで公表できない話もあります。どこのビッグクラブからオファーがあったとか。それを言ったところで実際に断って言っていないので「だから何?」となります。

彼の凄さを分かってもらいたいというもどかしさがあります。これまで関わった選手の評価は高いです。もちろん、私がジョアンと仲良くて、彼に寄っている意見を持っていると言うのは間違いないですし、それは「お前の意見じゃん」と言われたらそれでも仕方ありません。

世界に通用するGKを育てる

それでも、もっとGKのことを知ってほしい、監督やコーチにGKについて関心を持ってもらいたい。対戦相手の分析するときに相手のGKのくせや特徴を見抜いてほしいと思っています。

私もコーチだったので、失点したときにGKコーチに「今の失点どう思う?」という会話を何度もしてきましたが、「あそこであれだけフリーで撃たれたらどうしようもないよね」とか「今のは味方がブラインドになって見えなかったから」とか「ボールが予想外の変化をしたから」と”今のゴールは仕方がない”と言う発言をGKコーチから何度も聞いてきました。

その時私たちはどう思うかというと、GKの専門家のGKコーチが言っているんだし、普段の練習もGKコーチに任せていて、ぶっちゃけ自分はGKのことはわからないから、そうなんだろうと信じてしまうことです。

でも、少しずつですが、フィールドの監督、コーチでも今の失点はGKの単純なポジショニング、または体の使い方のミスだったんじゃないか、と気づく人が増え出しています。その彼らがGKコーチに「今の失点はどう分析する?」ともっと突っ込んでいかないと現状は変わらないのです。

これは日本のレベルが低いとかそう言うことではなく、実は世界的にGKのことをきちんと分析することができていない、と結論付けています。

一か八かのプレーになっていないか

当然世界的に有名なGKは今も昔もいるんですが、大事な試合でビッグセーブしたとか、優勝チームには必ず優秀なGKがいるからなどありますが、私たちの視点は「そこで発揮されている技術はどうなのか?」と言うことです。

実はよく見てみると世界トップレベルのクラブでプレーしているGKさえ、ポジショニングの基準がなかったり、一か八かのプレーをしていることが多いのです。

それが怖いのが、それで止めれば「素晴らしい!」となるわけですが、全く同じプレーで失点した時は「なんで失点したんだ!」とならないのです。そう。素晴らしいゴールだったとなるからです。

それがサッカーの世界です。それは当たり前のことで、多くの人はゴールが見たいわけですから、あの失点はGKが防げた、なぜならばと解析することはほとんどありません。

ジョアンが日本にいる本当の理由

そもそも本当にお金や名声で動く人だったらとっくにスペインに帰っています。なぜなら、家族はスペインにいて離れて暮らしているからです。

そして、これまでレアル・ソシエダ、エイバル、アスレチック・ビルバオ、マンチェスターシティなど錚々たるクラブからオファーが来ていて、今でもオファーが絶えないのに、それを断ってまでも日本のGKを世界レベルにするためにと残っているのです。

それは日本のポテンシャルに彼が惚れているからなんです。日本人は勤勉で、向上心が高く、細かい技術に対するこだわりが文化的にある国だからです。

つまり彼の技術に対する考え方が浸透していけば、世界で活躍する日本人GKが増えますし、外国人GKに負けない選手がたくさん出てくるのです。

彼のメソッドの特徴はなんといっても技術の細分化と明確な順番があること。

それは個性に応じて変えると言うより、空手の型のように、人間の体の構造上これが一番効率的、効果的な動き方、ボールの取り方であると、彼が30年間かけて考え出したものです。

実は毎回宣伝してるジョアンのオンラインプロジェクトでは、これまでの彼の講義、そしてトレーニングに対する考え方をストックしてあり、それをオンラインで受講できるシステムになっています。

https://peraichi.com/landing_pages/view/joan1/

人は知らないものに対して拒否反応が出ると言うのは分かっています。

もし、GKコーチの方だったら自分の今までが否定されたように感じ、それは嫌だとなるかもしれません。でも、車輪の再発明する時間なんてないんです。 

そんなこと関係なく、ジョアンのメソッドを学び、それをさらに自分で発展させてGKの成長に貢献したい。自分がGKコーチとしてさらにレベルアップしたい!と言う仲間も増えてきています。

2022年シーズンは浦和レッズをメインでやりながら、筑波大学のアドバイザーは継続しています。つまり、一クラブをよくするだけではなく、大学とも繋がりを強くし、ジョアンのメソッドを日本に残すこと、継続して世界レベルのGKが出てくる仕組みを作るということです。

まとめ

一度でも良いので彼のGKに対する考え方、トレーニングメソッドに触れてもらえたらと思います。それを経験した上で、本当にジョアンが言っていることが正しいか、正しくないかはあなた自身でジャッジしてもらえたらいいと思います。

彼は61歳。あと10年もコーチを続けると言うのは非現実的です。

以前にも話しましたが、ジョアンがいるときにもっと話を聞いておけばよかった!とならないようにしてほしいと願っています。

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