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Jリーグのスカウトはどこを見ているのか

こんにちは。
サッカーコーチのコーチ倉本和昌です。

今日はJリーグのスカウトはどこを見ているのかについてお伝えします。

私がアカデミー選手のスカウトをやっていた時の話です。当時、大宮アルディージャで、ジュニアユースからユースに上がる年代の選手のスカウトをしていました。つまり、現在中学生(これから高校生になる年代)で、アルディージャに入れるような選手はいるのか?を関東中探し回っていました。

この役職を2年間やらせていただいたのですが、その時の”私が”どんなところを見ていたか?とどういうプロセスだったのかという話したいと思います。

チームの主軸を確認する

まず最初に、現在のジュニアユース選手で主軸になり、ユースに行ってもいいだろうという選手が11人中何人いるのかを調べます。

そうすると、「センターバック2人とボランチとFWは確定でしょう」というようなことがわかります。人数はもっと多い場合もあるし、少ない場合もあります。

この幹がわかった時点で、例えば、「左サイドバックはジュニアユースの選手も悪くないけど、絶対この選手ってわけでもないよね」となると、関東中で左サイドバック候補を探します。

関東中を探すと言っても、一つ一つ町クラブを見にいくわけではありません。これまでトレーニングマッチなどを行っているので、中学1年、中学2年の年代で、この町クラブが強いとか、ここにいい選手がいるというような情報は、ぼんやりは入っているわけです。ですから、その大きなグループの中から探します。

とは言っても、その町クラブが仲の良いクラブがあったり、高体連に行かせる方針があったりするので、来てほしい選手が必ずしもアルディージャに来るかどうかは、わかりません。ですので、スカウトとしては第一候補はこの選手、次はこの選手と数人リスト化して用意します。

候補のラージグループの拡大のため、いい人材を確保するためにとにかく試合を見まくるわけです。私の場合、ひどい時は土日だけで600kmの走行距離になることがありました。これを続けたら自分の車壊れてしまいます、、、

実際に選手を見るポイント

皆さん気になるのは、実際に選手の何を見ているかということではないでしょうか。

最初に見るのは”なんかいいかも”と言う直感です。すいません(笑)

どうして直感を信じるかというと、私は8年間スペインサッカーを見てきて、数々のトッププレーヤーになる子供たちを見てきた経験があるからです。

メッシ、ピケ、セスクが子供の頃、それこそヴィッセル神戸に入ったボージャンの子供のころを見ているから、これが世界トップレベルになる選手なんだの基準ができているんです。

パッと試合を見た時に目立つかどうか

これだけだったら、「じゃーお前しかできないじゃないか」となるので、より使いやすいポイントをお伝えすると、パッと試合を見た時に目立つかどうかということです。
 
身体能力が高い、ドリブルが上手い、冷静に判断しているなど様々な面を含めて、試合を見に行ったときにパッと目に付くか、目立っているかどうかということです。

立っている姿勢がいいかどうか

次に、立ち姿勢が良いかを見ます。日本人の選手は少し猫背の姿勢が多いですが、姿勢が良い選手の方がいいプレーができるのは当然です。

そして、パッと見で目立って、姿勢が良い選手を見つけたら、さらに追いかけます。その時に、重要視しているのは大きく2つあります。

トレーニング習得度が高いか

セレクションの1回では、分からないことも、1~2週間の練習を見ればわかることがあります。それが、新しいこと、初めて学ぶことに対してどういう姿勢で受け止めるかということです。

ずば抜けて上手い子は、小学生の時に放っておかれてというかあまり「ああだ。こうだ」言われずに育っていることがあります。そういう状態でアルディージャに来た時に、今までになかった新しい考えや初めてのトレーニングをすることになったら、どういう姿勢で受け止めるかを見ています。

「俺、そんなのわかんないから無理」となるのか、「分からないけど、やってみます」となるのか、大きく二通りに別れます。

賢いかどうかを見るというよりは、積極的に習得する姿勢があるかどうかを見ています。これがトレーニング習得度が高いかどうかです。

逆境になった時にどう振る舞うか

次に、格上のチームと試合をした時にどう振る舞うかを見ます。格下のチームと試合するときに目立っていても、それが本物かどうかはまだわかりません。

なので、私はわざわざ、取りたい選手のいるチームが負けるだろうなと思う格上とやる試合を見に行きます。しんどい場面でどういう振る舞いをしているのかを知りたいのです。

逆境になった時、「完全に隠れてしまう」「そんな中でも戦う姿勢があり目立つことができる」こちらも大きく二つに別れます。

年代が低い場合は、逆境の場面で隠れてしまうことは悪いことではありませんが、逆境になった時にそれでも諦めずにチームを引っ張っていける選手の方が、今後活躍できることは間違いありません。

まとめ

私がお伝えしたことは、全てのスカウトの人に共通しているものではないかもしれませんが、少しでも選手を見る参考にしてもらえたら嬉しいです。

ヨーロッパの育成年代の話もしている倉本和昌のワールドサッカーラボ。ヨーロッパサッカーと日本サッカーの違いを、意識の高いサッカーコーチと一緒に学べます。

気になる方は倉本和昌のワールドサッカーラボの記事へ。 


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