日本の今のサッカー現場で必要なこと
オランダは6月の第1〜2週で子どもたちもシーズンオフに入ります。この時期、リーグはもう終わっているので、招待大会が開催されたり、ミニトーナメントがあります。メインのリーグ戦が終わっての交流試合の期間というわけです。
そのサッカーの招待大会と我が子が受けている体育の授業で、面白い共通点を見つけました。
楽しむが出発点
サッカーの招待大会と我が子が受けている体育の授業の共通点、そればズバリ、「ちゃんとできているか」ではなく、「楽しんでいるか」が出発点になっているということです。
7~8歳のサッカー大会では、6人制(フィールド5人)の試合でした。その試合では、オフサイドもないし、GKが味方からのバックパスをキャッチするものOKなのです。
一応レフェリーはいますが、タッチラインもマーカーが置かれているだけなので、出たかどうかの判断を選手がしており、「ちゃんとルールを守らせる!」という感じではありませんでした。レフェリーは明らかなファールがあったときだけ止めて「今のファールだからこのチームのフリーキックね」とやっていました。
オランダの低年齢の試合を見ていて感じたことは、日本の子供達の方が圧倒的にボールを扱う技術は高いということ。おそらくその理由は日本の子供たちの方が一人でボールを触る時間が長いからだと思います。つまりそういう練習をオランダよりもたくさんしている。
ただし、一人でボールをコネコネしていたら、とんでもない体当たりやタックルが来るのがオランダです。 つまり相手を止める、ぶつかる、ということに対しての躊躇はありません。「ファールをしてでも止めなさい」と指示することはないですが、子どもの本能で「こいつはぶつかってでも止めないとやばい!」と感じてやっている感じです。もちろんぶつかって、大概泣くわけですが、落ち着いたらまた試合に戻ります。
サッカーは相手のゴールに得点をする、こちらは得点されないようにする、という駆け引きを楽しむ物です。一見するとルールとしては緩いわけですが、ルールは成長していく中で覚えていく物だから、「細かいルールを守らせる・教える」より「まずは楽しんでやろう」という考え方を感じました。オフサイドがどうと成長してけば理解できるでしょうと
オランダの体育の授業との共有点
このサッカーで感じたことは、体育の授業にも共通していました。以前我が子の体育の授業を見た時に楽しそうだと感じたんです。音楽がガンガンかかっている中で走り回ったり、踊る子もいて、とにかく楽しむことが一番という授業でした。
日本の体育の授業は、まずやること、習うことが決まっています。例えば、この期間はマット運動、跳び箱、またはドッチボールとかサッカーなど、行う種目が決まっていて、その中で「これができるようになった」「これができない」と評価をしていくわけです。
一方、オランダの体育の授業では、動くこと、体を動かすことが出発点なのです。走る、投げる、跳ぶ、回るなど体の動きを色々なことで体験させる中で習得してもらうという授業です。なんなら、体を動かすこと自体を楽しいと感じてもらうということを伝えている授業でした。
まとめ
その国の文化、風習が色々なところ、例えばスポーツにも影響を与えいると思っています。その中で「ちゃんとしないといけない」、先生のいうことを聞いて「それをやらなければいけない」この考え方は、特に小さい頃だと窮屈なのかもしれないと感じています。
それがある時、「自由にやっていい」「自分で決めていい」と急に言われても、困る、できないのは当たり前なのです。「自分で選択し、やる」ということを小さい頃からやっていく習慣を付ける必要があるわけです。
どちらの文化が良いと言っていいるわけではありません。今私たちが考えないといけないことは、日本の今の環境で、「コーチができることは何か?」ということです。
例えば、低学年で8人制や、それこそ11人制でやらない。4ゴールゲームでとにかくたくさん試合をやる。つまり、得点が入った、ゴールを守ったの経験をたくさんさせることが必要だと考えます。
ドイツで行われていた4ゴールゲームの様子
https://youtu.be/Osfa6nA_g78
そして、子供の成長段階にサッカーを合わせるのであって、サッカーに子供を合わせるのはいけないのです。だからこそ、コーチが心理学や運動生理学について学んでいく必要があるわけです。
今は、子供たちだけで大会を運営させるクラブが出てきたり、サッカーを楽しませること、スポーツを楽しませることをわかって動き出しているクラブもあります。そういうクラブ、その考え方のコーチが一人で頑張るのではなく、どんどん横のつながりを持っていきたいと考えています。
今の私たちが子供たちに大きな影響を与えているのですから。
横の繋がりも持てる、倉本和昌が主宰するワールドサッカーラボ。意識の高い仲間と一緒にオランダの最新情報を受け取りませんか?気になる方はこちらの記事も読んでみてくださいね。
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