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「障害者スポーツ」から「障害者」を取り払うには何をすべきか

「2022年4月ごろまでに、障害者スポーツを軸としたメディアを創りたい」

ライティングコミュニティーsentence(2022年7月末で閉鎖)や、フリーライター時代にお仕事でごいっしょしたことのある方には、僕は上記のように宣言していました。

目的は、2つ。
1つめは、いわゆる「障害者スポーツ」とくくられるものの認知度向上のため。
2つめは、現在会社員として人材系の企業でライター・編集者をしていますが、近い将来「フリーランスとして働きたい」と考えており、そのときに僕の名刺代わりになる”場所”が欲しかったから。

sentenceやライター界隈の人たちに、そんな話をしたのは2021年の秋頃。
このエントリーを書いている今日は2022年8月11日です。
構想を練り始め、最初に宣言をしてから、もはや1年が経とうとしています。

ローンチが大幅に遅れている理由は、僕が「障害者スポーツ」の魅せ方を迷っているからでした。


僕には、先天性の肢体不自由障害があります。肢体不自由と言われるとピンとこないかと思われますが、ひとことで言うならば「車椅子ユーザー」です。
僕は、学生時代に車椅子の陸上競技をやっており、国体で優勝したり、パラリンピックの予選会で優勝したりしました。なので僕自身が大会に出て記録を作ることはできます。

けど、それじゃダメなんです!仮に僕がパラリンピックで世界記録を更新してもNHKが”その日のハイライト”として一瞬取り上げてくれるだけ。僕は宮城県在住なので、県内ローカルの新聞社が取材してくれるかもしれませんが、おそらくスポーツ紙面の片隅に僕の写真とコメントが数行載るだけでしょう。それは2021年に開かれた東京パラリンピック。または、その前のリオデジャネイロ・パラリンピックの報じられ方をみていれば、このエントリーを読んでくださっている皆さんにもお分かりいただけると思います。

努力や研鑽を重ね、どんなにすごい記録を出そうとも、そこには「(障害者用の大会で)記録を出した」という”目に見えない枕詞”がついてまわる」。このままでは僕がメディアをローンチしてその魅力を伝えても認知度の向上にはつながらない。

少し話はズレますが考えてみてください。このエントリーを読んでくださっている方の多くが、今は元気に働かれていると思います。でも、総理大臣だって超有名企業の会長や社長だって年月とともに老います。どんな立場の人だって”老い”は避けて通れません。今このエントリーを読んでくださっている方も、将来、車椅子や歩行をサポートする杖が必要になるかもしれない。

今「障害者スポーツ」と括られるものは、年齢や性別、障害の有無に関わらず「みんなができるスポーツ」なんです。つまり、世の中にそれを広めるためには「障害者スポーツ」から「(障害者の)という枕詞を取らなきゃいけない。単に国体やパラリンピックで記録を作るだけじゃ不十分....…ダメなんです。

そんな想いがあり、「障害者スポーツを世の中にどう見せるべきか...…」と悩んでいるあいだに気がついたら、当初の宣言から約1年が経とうとしています。
でもつい最近、そんな枕詞を取るための良い方法を思いつきました。
というよりも、僕の悩みの答えは自分が思っていた以上にシンプルでした。

僕がたどり着いた方法。それは「健常者の陸上の世界記録を、車椅子で更新すること」

僕は学生時代、車椅子陸上の100mを主戦場としていたので、これからはウサイン・ボルト選手がロンドンオリンピックで出した9秒58。これに挑むことになります。

とは言え僕が陸上をやっていたのは、大学時代。もう10年以上前の話。
当時(20歳)の身体と今(2022年で35歳)の身体では、何もかもが違う。
筋肉をどこにどれくらいつけて、どこの脂肪をどれくらい落とすか迷う。
当時のベスト体重で走るべきか、年齢とコンディションに沿って身体をつくるべきか...…。
それに僕は、大学時代に両肩の腱を痛めている。スポーツ選手で言うところの”爆弾もち”だ。道は簡単じゃない。でも、何年かかっても絶対に9秒58を超えてみせる。

メディアは今年の秋にはローンチする予定。そこで練習の様子も公開します。

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