11月読書報告

もう12月ですよ。まじか!! ほんと月日は百代の過客ですね…。私は漂泊の思いに駆られることは今のところ特にないけれど、止められない時の流れの中で日々のタスクとやりたいことのバランスを取るのに精一杯であります。

やりたいことのひとつが、洋書多読です。でも最近は多読ってほどガツガツ呼んでもいないので、ただの読書になりつつあります。読むスピードが遅いんだよな。やっぱり読む速度が作品と合ってないと、どんなに良いストーリーでも間伸びしたり色褪せてくるので、速度は私の喫緊の課題。まあでも、つまるところ、これは英語力とか読解力と言われる能力とイコールなんですよね。精進精進。

ところで、先日TOEICを受験したところ、780点でした。こんだけ読んでるのにこの点数かよ!という批判はさておいて(そんなの私がいちばんわかってるしな!)、780点あればこれくらいは楽しめますよ、という指標として誰かの役に立てれば。TOEIC、自分の弱いところが洗い出せるのは良いですね。ちなみに私の弱点は文法と語彙です!

The Ghost of Marlow House (Haunting Danielle, #1)

主人公Danielが叔母の遺産として相続した古いお屋敷には実は前の家主Marlowの幽霊がいて、Danielはその謎めいた死の真相を探ることになり…
という話。ちょうど読書欲ががくっと落ちていた時で、読むのにすごく時間がかかってしまったんですが、それは私のコンディションの問題で、作品自体はとても面白かったです。

子供向け作品ではないと思うんですが、とても素直でシンプルな英文で読みやすい。なので、内容もわりとあっさりしたものかなーと思いきや、話が二転三転し、幽霊とDanielだけでなく、他のいろいろな人が関わってきます。サラッと黒人差別の歴史にも触れてきたりして。かといって複雑すぎる内容でもなく、絶妙な匙加減。
で、登場人物がとても良い。特にMarlowとDanielの掛け合いがなんとも良い感じ。Marlowはだいぶ昔に亡くなっているので当時の価値観のままで、ちょいちょいDanielにその男尊女卑的だったり人種差別的だったりする発言をするんですが、それがもう姑かよ!みたいな感じでとても面白い。だんだん仲良くなっていく様子もほっこりします。

難易度的には、児童書以上、YA未満といったところ。これくらいのレベルの作品ってなかなか見つけられなかったので、掘り出し物でした。

こちら、人気シリーズで、なんと28巻まであるらしい…
続きを読みたいけど、追いつくのに何年かかるんだろう…?

Who Was David Bowie?

Who Wasシリーズの良いところは、扱う偉人有名人のカバー範囲が超広いとこだと思っていて、デヴィットボウイなんてあるんだ! と読んでみました。

生い立ちから亡くなるまでを満遍なく書いているのも良いですね。全盛期のエピソードなんかはわりとすぐ調べられたりするけど、幼少期の家族関係とか、下積み時代とか、あんまりフューチャーされなさそうな内容もちゃんと触れられてるのはすごく面白いと思います。

ただ、良くも悪くもクリーンな雰囲気で、デヴィットボウイってもっとやんちゃなイメージだったので、いやもっと色々あるだろ!と思ってしまったのも事実。

しかし、天から何物も与えられたであろう人が、自分のプライバシーを守るのに苦労したというのはなんとも皮肉。表舞台で目立ちまくるよりも創作活動に専念したいとかいうのも、そもそもスターダムに上がった人だから感じられる境地であって、売れなかったらそんなことより日々の飯って話になるしねえ…でも、プライバシーの大切さは貧乏でもセレブでも変わらずあるのだし。しかしいつどんな写真を見てもハッと息を呑む美しさですよね…

デヴィットボウイといえばグラムロック。グラムロックといえば、とこの映画を思い出しました。イギーポップとボウイをモデルにしてバイセクシュアル的な描写もある映画ですが、ボウイは楽曲提供を拒否したとか噂があるみたいです。

In the Heart of the Fire (Nameless: Season One #1)

Amazonってオリジナルの短編シリーズをけっこう出してまして、これもそのひとつ。がっつり大人向け作品なので本来なら歯が立たないと避けるんですが、これ、58ページと超短編なのでいけるだろ!と試してみました。

この世の悪を凝縮したみたいな保安官が牛耳る田舎町が舞台のスリラーというか…、のお話です。彼のターゲットとなっているシングルマザーが住む家に、ある日突然見知らぬ男がやってきます。彼は彼女に、保安官の悪事を暴いて助けると提案してきて…という内容。

やたら血生臭い雰囲気むんむんの作品のくせに、がっつり勧善懲悪ストーリーで日本人ウケすると思う!

見知らぬ男の設定がいいです。Namelessって名前で実際自分の名前を覚えていないし、過去の記憶もないという設定。どこからともなく現れて、敵をばったばったとやっつけて、またどこかに去っていく。すごく短い話なので内容もかなり凝縮されていて、難しい謎解きはなし、どんどん保安官の悪事が暴かれ、Namelessは必殺仕事人のごとき鮮やかさで悪を成敗していきます。ハードボイルドな時代劇ですね。

単語などは難しいものもあるんですが、設定のシンプルさに助けられました。
短いから続きも読んでみようかな? このシリーズは安いので、それもありがたいです。

Who Was Jacqueline Kennedy?

世界を魅了したジャッキーのお話。これ、すごくよかったです。
ジャクリーヌ・ケネディと言えば、ケネディ大統領の妻で、時のファッションアイコンとして超有名になったファーストレディ。ケネディ暗殺後、しばらくして大富豪と再婚し、あらちょっとお金目的なんじゃない?実は悪女なのでは、なんて囁かれたり。

彼女の場合も生い立ちから順を追って人生を満遍なく描いているので、小さい頃から芸術文化が好きで親しんできたこと、ネガティブな感情を表に出すことが苦手なこと、ケネディとの結婚前のロマンス、オナシス没後の再就職の話などなど、あまりフューチャーされない部分がたくさん! もちろん子供向けの本なので、どぎつい内容は避けてさらっと描かれているんでしょうけど、それでも網羅的にジャッキーの人生を知る機会は今まで全くなかったので、とても興味深かったです。

ファッションアイコンとなり得たこと、ケネディ就任後はホワイトハウスの実質的な広報として手腕を奮ったこと、晩年は編集者として活躍したこと、全て彼女の趣味趣向や育った環境の延長線上にあったんだなあ。人もまた1日にして成らずですね。

When You Trap a Tiger

少し前に買っておいた児童書。虎が好きなので読みました。ニューベリー賞受賞作品です。

父を亡くし、母親と姉と3人で祖母の家に移り住むこととなった主人公のLily。いつも明るく地域の人気者の祖母の様子はどこかおかしく、どうやら体調が悪いらしい。そんな折、Lilyはいるはずのない虎を目撃。幻覚かと思いつつ祖母にその話をすると、祖母は誰にも打ち明けてなかったという過去の話をはじめ…

虎の出現をきっかけに、今まで知らなかった祖母の過去、自分のルーツを紐解いていくという話です。

とても良かったんですけど、正直どう感想を述べていいのかがわかりません。。
Lilyの成長物語でもあるし、コリアンアメリカンの話でもあるし、生死を見つめる話でもあるし、ファンタジーでもあるし。いろんな要素が絡み合って、なんとも言えない余韻を残す作品で、これをサクッとひとことでまとめるのは難しいな。。とりあえず、最初は悪者かと思われた虎が意外とそうではなかったのが嬉しかったです。虎好きなので、虎が悪役はちょっとつらい。

ボリュームはありますが、児童書なので文章はシンプルです。サクッと何もかもがスッキリ解決!の話ではないのですが、余韻を楽しみたい人にはいいんじゃないかな。

Who Was Aretha Franklin?

映画「RESPECT」を観に行きたかったんですけど、全然時間がとれなくてせめて近しいものを…とこちら。Who Wasシリーズの守備範囲の広さ、ほんと好き!

音楽には全く疎いので、Aretha Franklinについても名前をうっすら知ってる程度だったんですが、その知識の少なさゆえか楽しめました。なんとなく黒人ってだけで、家が貧しかったとか考えちゃいますが、彼女の場合は別にそんなことはなかったんですね。てか才能を伸ばす環境整いまくり! 見出したお父さんもすごいけれど、家族でバックアップしてガンガン世に出ていくのがすごい。個人的にいちばんアメリカだ〜!って思ったのは、Arethaがものすごく若くして妊娠した時に、家族は「全ての子供は神に祝福されてるから」と出産育児を全面的にバックアップしたというところ。信仰と家族観、これはもう完全なるお国柄…!

あと、こういったIndependentな女性はどうして結婚相手がダメなんでしょうね。。私の周りもそうなんですが、しっかりした女の人ほど自分が苦労する相手を選びがちというか…いや別に好みは人それぞれだからいいんですけど…尽くしがちなのがいけないのかな。ただ、彼女のように稼いでいれば何かあった時に別れる自由も得られるので、女性が自身の収入を得るのは大事だなって思います。経済DVなんかもあるくらいだもんね。

こちらはお勧めされている映画。まだ観てないんですが、なんとか時間を見つけたいところ!

こんな感じで11月の読書報告でした。
最近日本語の本に飢えているので、そろそろご褒美読書で日本語の小説をがっつり読みたいなーと思う今日この頃。でも英語でもたくさん積んじゃってるんだよな〜




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