旅行代理店からみた観光バス
コロナ明けの観光バスの業界
旅行代理店と観光バスはきってもきれない関係です。20歳のころから観光バスの手配をしているのでいったいどのくらいやったのか、やりすぎていてわかりません。
その観光バスですが昨年10月に料金の改定がありました。
https://www.bus.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/09/bus_fare_change_20230901.pdf
この運賃改定がなかなかのアップ率でして、私の肌感覚では130％〜150％アップしています。それに加えコロナでドライバーが離職してしまい慢性的な運転手不足という状態です。観光バスは大型2種免許のドライバーがいないと動きませんので個人的には運賃アップは賛成ですが、このアップ率はなかなか売るときに大変です。
観光バスの料金の決まり方
ほとんどの方が知らないと思いますが観光バスの料金は国が定めた公示運賃額によって決まっています。イメージはタクシーに似ていて距離と時間で決まってきます。
正直かなり細かいです。
見ていただくとわかるように下限金額は決まっていますが上限金額は決まっていません。だからバス会社は青天井で高い料金を言っているかというとそんなことはなく、下限金額に近い金額で料金を提示していると思います。わたしがお付き合いさせていただいているバス会社さんは間違えなく下限に近い金額で料金提示してきます。
渋滞したらバス代はどうなるの
観光バスの料金はタクシーに似ていて「距離と時間」で決まりますと書きましたが、市内を走っているタクシーと県外までいく観光バスでは状況が違います。旅先で渋滞にハマったらどうするの？
答えは追加で料金が発生します。
とはいえ1時間や２時間くらいでは料金が変わることはないです。またバス会社のほうで下限料金を切らないときは調整してくれたりします。とはいえ昔はお客さんがお腹がすいたからという理由で帰りのサービスエリアで食事の時間をとったり、予定していない観光地に立ち寄ったりすることがあったのですが、今はそのようなことはほぼないです。そういえば昔、ディズニーランドの待機時間に観光バスで最寄りのコンビニまで買い物にいった思い出があります、運転手さんも法律もおおらかな時代でした。
それでも安くやるバス会社
かなり厳しく制度がきまっていて下限料金まで守られているにもかかわらず、それでも安くやろうとするバス会社がいまでもあります。
旅行会社が処分されているので旅行会社に言われて泣く泣くやってしまったというイメージですがそんなことはなく、ほとんどがインバウンドの関係で旅行業者とバス会社はズブズブで、たぶん今でもあの手この手でやっていると思います。バスに限らずインバウンドは白タクや無資格旅行業の人が横行しすぎていてはっきりいって無法地帯です。このあいだモンゴルの旅行会社からバスの料金問い合わせがきましたが、いつも手配しているバス代を聞いたら信じられない安い金額で驚きました。
こだわりのあるバス会社
私が尊敬する新潟のツアー会社「トラベルマスターズ」の鹿島社長は、バス会社も経営されています。トラマスのツアーは社員添乗員・自社バスというこだわりをもたれています。一般的なツアーの場合、バスの運転手にとってお客さんは発注している旅行会社なので添乗員を見ています。しかしトラマスさんは自社バスの社員なので運転手さんもお客さんをみています。添乗員と運転手が協力してツアーを展開していくのでいい旅になるに決まっています。私もツアーに参加したことがありますが、トラマスの運転手さんはみなさん接客業のかたのように親切で人あたりがいいです。
これからのバス会社はトラマスさんのような尖った戦略でこだわりを持っているところが生き残るように思います。
バスの手配は旅行代理店にお願いするのがいいと思う
バスの手配をするときに行程表がとても重要になってきます。しっかりしたものを作ることができないと距離と時間が曖昧になってしまいます。わたしも行程が変わるたびに「行程表作り直してバス料金を確認して」を繰り返しています、軽微な変更でも1万前後変わることはざらにあります。また待機時間が長いときはドライバーを仮眠させた方がいいとか、少し離れても安い駐車場に入れたほうがいい（たとえば新宿に長時間バスを待機させるならディズニーランドまで回送させた方がいい）とか、いろいろテクニックもあります。
バスの比較サイトなどを利用していただくのもいいですが、どんなバスがくるのか、追加料金はあるのか、このあたりは確認していただいたほうがいいと思います。
僕ならそもそも下限料金は決まっているのですから知り合いの旅行代理店に頼んでしまったほうが、バスのキレイさやドライバーの質などが担保されていて楽だと思います。
中央観光トラベル https://ckt.jp/
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