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横浜(フェス)から回帰(ふりかえ)る愛クロニクル


 「So, You are My home」———


 柔らかい音楽にペンライトの海が揺れるパシフィコ横浜の、A席最前列。アトムくんとアールくんのこのパートを聴いた時、じわーっと涙があふれて落ちていった。

 ちがうよ。私にとってのホームが、マジフォーなんだよ。

 そんな言葉が浮かんできて、私はこの4年に想いを馳せながら、大好きなこの曲を聴いた。





 私が「MARGINAL#4」こと、マジフォーに出会ったのは、4年前の梅雨時のこと。作品としては2年目を迎えて、先輩である「LAGRANGE POINT」の登場が発表された頃だったと思う。ここで野村アールくんに一目惚れしたことから、私の世界はぐんと大きく広がっていくこととなる。


 アールくんは一目惚れしたキャラであり、今でも変わらない推しでもあるのだが、この作品で一番心掴まれたのは音楽。バラエティに富んだ様々な曲を、素敵に歌い上げていく4人のハーモニー。それこそが、当初から変わらないこの作品の軸であり、最大の魅力だと思っていたから、推し以外のメンバーも好きになった。

 CVの意味を知り、キャストさんの名前を覚え、キャストさんを入り口に他の作品にも触れることを始めて。どんどん新しい作品に出会っていく中。


 約1年後、3年前の夏。初めてお邪魔した声優さんのイベントは、増田さんと鈴木さんのイベント。もちろん、「アトムくんとアールくんだ!」と思って参加した次第だ。当時は刀剣乱舞も防衛部もブームが来てたけど、私の中ではマジフォー暖色組で。ずっとマジフォーの曲ばかり聴きながら会場に向かって、でもお渡し会ではマジフォーの事はおろか、緊張してほとんど何も話せず。恥ずかしさと後悔とが入り混じった気持ちは、今でもちょっと引きずっていたりする。


 それから、作品自体にも大きな変化がやってくる。後輩ユニット「UNICORN.Jr」の発表の際には波乱があったし、ゲーム化にドラマCD、シャッフル企画と怒涛の展開が続いて、正直、最前線で応援出来てない時もあった。推しはいるけど結局みんな好きで、でも毎月何枚もCDを買うほどの余裕がなかったりして。どれを買ってどれを買わない、に悩むのにも疲れてきて、楽しめなくなる前に身を引いた感じ。


 そんな中での、アニメ化発表。正直、不安は結構大きかった。ビジュアルに関してすごくナイーブなファンが多い作品だと思っていたし、大元のキャラデザのタッチはアニメで出せるようなものじゃないとも思っていたから。それでも、彼らがまた歌うきっかけにもなって、新しい物語が生まれることで深みや幅が増していくなら、楽しみだと思った。


 そうして見始めたアニメが、まぁ面白かった。マジフォーってこんなだったっけ…?と思う程、銀河級にぶっ飛んだギャグが挟まってきたかと思ったら、全編ドラマ回があったり、ゲームやSSのエピソードを盛り込んだ感動回があったり。ブームに乗っかって(?)うどん回もやったし。

 新曲が増えたのはもちろんのこと、作品としては初めてのソロ曲、そしてそれら全てに振りとED映像が付くという豪華仕様。ライブシーンの映像にも注力されていて、ライブチケットが目的でなくてもパッケージを買いたくなる作品だった。

 やっぱりマジフォーって楽しいな。素敵だな。そんな思いが、またふつふつと湧き上がってきた。



 そしてこのアニメ化の力を受けて実現した、初めての単独ライブ「Big Bang Fes.」。Rejet Fesに参加したことのない私にとって、マジフォーという作品のステージを目の当たりにするのは初めての事。そしてこれが、3年前にイベントでお会いしたお二人との、再会の場となったわけである。


 コンテンツ自体が5周年を迎え、私自身のスタクラ(ファン)歴ももう4年。ここまで来て初めて、この作品の現場に来れたことで、やっと本当にスタクラになれたような気持ちというか。彼らの歴史の中に、記念すべき日に、私が立ち会えたことを心から嬉しく思った。

 そして、他の様々な作品でもご活躍なさっているキャストの皆さんに、この作品のステージでお会い出来た事、増田さんと鈴木さんとの再会がこのマジフォーのステージであった事が、とても感慨深かった。

 当時お会いした距離と、客席から見たステージの距離とは、それはもう大きく違えていて、それだけキャストさん達のご活躍も含め、この作品が大きく育ったのだということを、身をもって痛感させられた。そこには寂しさや不安がないわけじゃないのだけれど、その分だけたくさんの星に囲まれて輝いていくことで、彼らはどこまででも生きていけるのだな、と思うと希望に変わった。



 いろんなものや人に出会うきっかけとなってくれたこの「MARGINAL#4」のステージで、この作品で初めて出会った人たちに直接お会い出来た事が、私にとってもすごく「原点回帰」的な意味を持っているような気がする。

 人生の節目の年に、先輩を迎え大きな転換期に入る彼らに出会って、人生の節目の年に、5周年を迎えて初めての単独ライブという記念すべきステージで再会した。これが偶然なのか必然なのかは分からないけれど、なにか意味のある事ではないのか、と思えてくる。決して短くはない時間を経て、その中でいろんな出来事があって、その上でこのライブに立ち会ったからこそ得られた、かけがえのない気持ちが今、私の中に残っている。

 これから先も出会いは絶えず、「好き」が増えることはあっても減ることはないと思う。それでもやっぱり、この世界が広がった始まりにいる彼らの事を、その歴史に立ち会えた感動を、これから先も忘れることはないだろう。彼らが降らす星を見る度、その出会いを思い出しては、感動と感謝で心に輝きが溢れることだろう。それをまた、星にしてステージへ返すのだ。



 「ヨゾラに彷徨っていた星が 向かう先は、どんな時も

  So, You are My home 」



 いつかまた、たくさんの星が降るステージで再会する、その時に。





 (シングルとして最高なのは、3rdシングル「MASQUERADE」だとずっと思っています。抜粋している歌詞は2番のものですので、聴いてみたい方は是非ともフルコーラスお買い求めください♡)

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