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「推しの何が好きなの?」と聞かれたら

興味を引かれ、覗いて見たらとても共感できた切り抜きがあったので載せておく。

サムネイルにも簡潔に書かれてあるが、『推し方には①やっていること(声、歌など)が好き、②人柄、生き様が好きという二つがある』という話だ。
私は以前『好きなのはタンスそのものか、それとも引き出しの中身か』(この詳細については別途書く予定)という感覚で、自分の『好き』を区分していた事があるが、それとよく似ていて、また違う切り口で良いなと思った。

この話を聞いて、めちゃくちゃ心当たりあるなと思った。比較的最近の話だ。話を分かりやすくするために、具体的な推し語りをさせていただこうかと思う。以下、必要に応じて読み飛ばして欲しい。

私がVOLTACTIONを見始めたのは、『#野郎共お馬鹿人狼』をリアルタイムで見たのがきっかけだ。これも、たまたま時間が合って、軽率に見てみただけ。この時は甲斐田さんの枠で見ていた。すると、何だか頭がキレて飲み込みが早く、毎回早めに釣られてしまうメンバーがいた。釣られてしまうと会話には参加できなくなるので、その後のゲーム進行にどんな感想を持って見ているかが、他の人の視点では分からない。単に人狼ゲームが好きだったこともあって、リアタイが終わってからも別視点を見たくなった。これが、セラフ・ダズルガーデンにハマった一歩目である。
この配信は全員が制服衣装合わせだったのだが、私がセラに抱いた印象は「ちょっとチャラそうな、ヤンキーっぽいお兄ちゃんいるな」。正直、見た目だけだと好みどストライクというわけではなかった。むしろちょっと苦手まであった。でも彼の視点を見てみると、ゲームの飲み込みも頭の回転も早く、自分が退場した後でも味方陣営の勝ち筋がしっかり見立てられていて、そのギャップに驚いた。あと、声も凄んでる感じが一切なく、どちらかというと高めで細い声だったのも意外だった。クールな感じはあったが、尖っているのではなくて、知的で静かな雰囲気を持っていた。そこから、元々の赤い外套姿を知り、数学の勉強配信をやるくらい頭が良いことを知り、デビュー配信のバイオリンを聴いて、さらに衝撃を受けることになる。バイオリンで大学まで進んだ奏者が身近にいたが、こんなにも情感豊かに、歌うようにメロディを奏でられるのかと戦慄した。バイオリンに対する印象ががらりと変わった。
その多才さ、人生経験と話題の多さに惹かれて配信を追うようになり、その先のゲーム配信でまた、途端に脊髄語録だらけになるギャップに出くわし、ズッ転けたそこがもう沼だった。
こうして見ると、セラに関して言えば私は後者だと感じる。やっている事そのものというより、彼自身の才能や考え方に惹かれて見るものが増えた。もっと素直に言うなら、見た目だけでなく声もどストライクとは遠く、最初の頃は歌もあまり聞き慣れず、そこまで聴いていなかった。(今は、歌声と選曲の親和性がすごく高いことと、彼自身の飽くなき努力を見る楽しさから、好きで聴く曲が増えた。)

これに対して、完全に歌から入ったのが風楽奏斗だ。セラをきっかけにVOLTACTIONのグループ活動も見るようになり、歌みた動画を聴いてまた衝撃を受けた。
同グループのメンバー、渡会雲雀は突出して歌が上手いと有名で、それは聴けば分かるし否定もしない。純粋に上手いと思うし、彼のソロを好んで聴きもする。ただ、圧倒的に『好み』だったのは奏斗だった。初めてきちんと歌を聴いた時から、『上手さとかでなく、私はリーダーが一番好みだ』という確たる気持ちがあった。『好み』という点では、歌声でも見た目でも奏斗が一番好みに近かった。昔から肌の色素が薄くて、ブロンズの髪に碧眼の男が好きだ。それでも先に沼ったのはセラだった訳だが。
だから初めは、セラの配信をメインに追いつつ、配信の被らない日や通勤中のBGMでは奏斗の歌や配信も交えて聴くような感じだった。そのうち、個人的に思い出のあるVtuber最協決定戦に奏斗が出るというので、その練習配信を見始めたら、名だたる先輩たちに引けを取らぬゲームの腕前と、チームメンバーやコメントとの掛け合いの面白さを知り、配信を追う頻度が上がっていった。

よく見るようになった今としては、どちらのやってる事も好きだし、為人も好きだなと思う。ただ、「何が好きなの?」と聞かれた時に、「歌と見た目だね」と端的に言い切れる奏斗は、やはり前者寄り。「人間として奥深くて、考え方を尊敬してて……」と語り出しそうになるセラは、後者寄りだと思う。奏斗が「ガチ恋は○んでもろて」と言っても笑って流せるが、セラにガチ恋を拒否されたとしたら、たぶん結構傷つく。(とはいえ、嫌なものは嫌と言ってくれて良い。)この辺りも『推しの何が好きなのか』が違うからだと思う。し、だから距離の取り方がもう違っている。自衛しなければならない範囲が違う。

自分の推し方を知っていることで、推し活の障害を避けやすくなる。推しとの距離感や離れるべきタイミング、同担との距離の取り方、配信の雰囲気の肌なじみや推し活への金銭の使い方など、オタクの悩みは尽きないが、それを乗り越えてでも好きでいたい時、自分の『好き』への理解の深さは、その助けになってくれると思う。

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