父の怪しい学生時代
京都・鴨川沿いを車で走っていると
なにやら怪しげな口調で父が言う。
「昔はよく泳いだよ。」
「酔って泳いでるから、
年に何人か本当に死ぬんだよ。」
大学生の頃の話のようだ。
友達から借りパクした自転車で通学してた話。
地下鉄の掘削工事に参加してみた話。
酒を飲み周りの人ととにかく弁論していた話。
放浪中にフラッと家に帰ってみたら
おばあちゃんのお葬式の真っ最中だった話。
勧誘された宗教に興味があるフリをして
論破しに比叡山までついて行った話。
そして「あなたは悪魔だ」と言われた話。
父の大学生の頃の話はどれを聞いてもおかしい。
川の向こうに比叡山が見える。
きっと未だ語られぬエピソードが
ここにはいくつも眠っている。
いただいたサポートでなにかすごいことします。