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AIアートが人間を超越する時代?問われる著作権と偏見、そしてアートの本質

「芸術は死んだ、勝負は決まった。人工知能(AI)が勝ち、人間は負けた」という言葉が、2022年夏に米コロラド州の美術コンテストで、特段の絵心がない経営者が画像生成AIで絵を作り優勝したことをきっかけに世界中に広まりました。


AIによる絵画の作成が注目を集めるようになり、AIアートの展覧会や画集出版が相次いでいます。この技術は、巨大IT企業の内部技術から生まれ、英米のベンチャー企業によって使いやすいサービスに整えられ、一気に広がったものです。


しかし、この技術には問題も指摘されています。例えば、AIによって生成された作品の著作権は誰に帰属するのか、AIによって絵やデザインなどの仕事を奪われることで起こる失業問題、そしてAIが偏見を助長する可能性があることなどが挙げられます。


これに対して、IT周りの論客らは、偏見は現実の反映であるためAIに罪はなく、新技術が失業を招くのは歴史の常で上手に活用すべきだと主張しています。


しかし、アートの肝は、たたかれても譲れないその人の思想に裏打ちされた独創性にあるとされています。永井龍之介氏は、「AIは全体を集約する絵画になるが、人は個々の記憶から描く。だから素晴らしい絵画になる」と説き、アートの本質を語っています。


AI技術の進化は、私たちの生活を便利にするだけでなく、様々な問題を引き起こす可能性もあります。しかし、AIが人間を超えることができる分野は限られているため、アートのような独創性を求められる分野においては、AIと人間が協力することが重要だと言えます。


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