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川崎市、戸建て住宅に太陽光発電設備の義務付け方針を決定 - 地球温暖化対策への危機感から

川崎市が太陽光発電設備の設置を戸建て住宅に義務付ける方針を決め、条例改正案を提出したことが注目を集めています。以下では、川崎市がこのような措置を取る背景や具体的な内容について詳しく解説します。

川崎市の地球温暖化対策の危機感

川崎市は、東京都と比較しても温暖化ガス排出量が多く、地球温暖化対策に取り組む必要があることが明らかになっています。市が発行した「川崎市の地球温暖化対策を取り巻く状況等」の資料によると、同規模の福岡市や京都市と比べて約3.3倍の温室効果ガスを排出しているとされています。20年の調査によると、川崎市の排出量は他都市を大きく上回っており、二酸化炭素排出量の約7割を市有施設や製油所、発電事業者などの上位10者が占めています。

このような背景から、川崎市は産業分野への対策には力を入れてきましたが、家庭からの温室効果ガスの排出削減については手つかずの状態でした。

家庭からの排出削減に踏み込む理由

国立環境研究所によると、20年度の国内の二酸化炭素排出量の割合で家庭は16%を占めています。産業や運輸などに比べると割合は低いものの、2000年度の排出量と比較して7%増加しているため、家庭からの排出削減にも取り組む必要があるとされています。

川崎市が戸建て住宅に太陽光発電設備の設置を義務付ける方針を決定した背景には、こうした状況に対する危機感があったことが挙げられます。延べ床面積5000平方メートル以上の住宅メーカーが対象となり、延べ床面積200平方メートル以上の戸建て住宅です。また、太陽光発電設備の設置は、新築住宅や既存住宅の改修にも適用されます。

具体的には、新築住宅については、設計段階から太陽光発電設備の設置を計画し、完成時には設置を完了することが義務付けられます。既存住宅については、改修を行う場合には、太陽光発電設備の設置を検討するように求められます。

設置の義務化に伴い、住宅メーカーや工務店には太陽光発電設備の設置に関する情報提供や設置業者の紹介などのサポートが求められます。一方、住宅購入者には、設置に伴うコストやメンテナンス費用などが増加する可能性がありますが、その分、省エネルギー効果によるランニングコストの削減や、CO2排出量の削減などのメリットが期待されます。

川崎市は今後この条例改正案を市議会で審議し、可決されれば2022年4月から施行される予定です。

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