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燃料電池車と水素エネルギーの可能性と課題について

愛知県豊田市のトヨタ自動車本社工場での燃料電池生産について

トヨタ自動車本社工場の一角には、自動車向け燃料電池が生産されているガラス張りの建屋があります。当初は年3万台分の生産能力が想定されていましたが、ある幹部は「想定ほどの需要は出ていない」と漏らしています。

燃料電池車の販売状況とトヨタの取り組みについて

2022年には、トヨタの燃料電池車(FCV)の販売台数は世界で約4000台にとどまり、トヨタが同じ年に世界で販売したEVの6分の1にも満たない数字でした。このように、他のメーカーを含めても、FCVは劣勢です。

しかし、水素は次の燃料としての可能性を秘めており、水素への投資も増加しています。ロシアによるウクライナ侵攻を受けてエネルギー安全保障の観点から水素への期待も高まっているとされます。

トヨタは、水素を燃料にするFCVと水素エンジン車の両方に力を注いでおり、福島県ではFCトラックの実証実験も行われています。福島県知事もFCトラックに試乗し、「スムーズな加速、水しか出さない。未来のトラックですね」と興奮気味に話しています。

燃料電池に対するイーロン・マスクの批判と水素エネルギーの可能性について

イーロン・マスクは、「Fool Sells(愚か者が売る)」という言葉で燃料電池(Fuel Cell)を批判していますが、水素は次の燃料としての可能性を秘めていると考えられています。世界の企業で構成する水素協議会によると、水素への投資として発表されているのは30年までに680件、合計2400億ドル(約32兆円)にも上ります。

現代自動車会長の鄭義宣(チョン・ウィソン)も、車以外に燃料電池の用途を広田し、「輸送、発電、鉄鋼、石化、IT、航空宇宙、防衛など、様々な分野での応用が期待されている」と述べています。

ただし、燃料電池の生産や水素の製造、運搬、充填などにはまだ課題があります。また、水素の製造には化石燃料を使う場合もあり、環境問題も指摘されています。

総じて言えることは、燃料電池技術や水素エネルギーの可能性は高く、今後ますます注目が集まるでしょう。しかし、それらの技術の実用化や普及には、課題の解決や環境負荷の軽減など、まだまだ多くの課題が残されていることも事実です。

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