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チームはどこへ行きたいのか?社内システムコーチング導入の取り組み

私の所属するコーチングチームでシステムコーチング*を社内に広める取り組みを行っています。システムコーチングを経験したことがない方が多いと思いますので少しだけシステムコーチングについてお伝えします。

システムコーチングとは

一言で簡単に表現するのが難しいですが、ざーっくりいうと個人ではなくチームに対して行うコーチングで、チームが今の状態から次の状態になることを支援するプロセス、といったところでしょうか。

コーチは、クライアントが感じていることへの問いかけや対話のためのワークを行ったりしますが、次の状態がどんなものであるか、どこへ行きたいかはコーチからの提案ではなく、チームの中から探していきます。

システムコーチングを受けたらどうなるのか?と思う方も多いと思いますので期待できるよい効果を一例としてあげてみると、

・メンバーの相互理解が進む
・チームとしてどうありたいかが見える
・コミュニケーションが活発になる
・言いたいことが言い合える
・建設的なコミュニケーションがとれる
・停滞していた状態から抜け出せる
・チームとしての活動に前向きになれる
・自己管理されたチームで自発的に行動できる

などがありそうです。

ただし!注意したいのは必ずしもこのようになるわけではなく、チームが意図的にその方向への決定をした時にそうなることができます。いままで明らかにされていなかった真実や触れてこなかったパンドラの箱を開けてしまうことでその瞬間にはポジティブとは言えないような次の状態が訪れることもあるでしょう。また今の状態に居続けるという選択もあり得ます。たとえそうだとしてもそれはチームのひとつの状態であり良い悪いということではありません。それが今の状態となり、そこからまた次の状態へと移っていく可能性があります。


ここまではチームという言葉を使ってきましたが、システムコーチングの「システム」とは共通の目的やアイデンティティを持ったチームや集団といった意味です。ですので、ここまでのチームという言葉をシステムと読み代えてもらうと良いかと思います。

英語でsystemを調べるとわかりやすいです。
https://ejje.weblio.jp/content/system
system : 組織、機構、体制、体系、系統など

システムの例として、ビジネスでは会社の組織や同じチームのメンバー、プロジェクトメンバー、上司と部下などがあり、プライベートでは夫婦やカップル、親子、友人、町内会などもあります。システムコーチングでは多くの関係性を取り扱うことができます。

コーチ1人とクライアント1人で行われるのがパーソナルコーチング、
コーチが主に1〜2名とクライアント2名以上のシステムで行われるのがシステムコーチングです。

今の(現在の)状態を「一次プロセス*」といい、次の(これからの)状態を「二次プロセス*」といいます。一次から二次に移行する間にある境界の領域を「エッジ*」といいます。エッジは変化することへの心理的な抵抗を感じる領域や、越えることで何かが見える境界線のようなものです。新しい状態になるためには必ずエッジ越えが必要になります。システムコーチングではシステムがエッジを越える支援をしていきます。

やってみないとわからない

と、ここまで読んでもシステムコーチングがどんなものか明確にイメージできた未経験者はいないと思いますが、これで少しだけ心理的な抵抗を下げてもらえれば全容を理解して臨む必要は全くありません。

とにかくやってみるのが一番ということで、最近は社内のコーチングチームで 10 minutes coaching という取り組みを行っています。

社内で開催される会議にゲリラ的にコーチングチームメンバーが参加し、冒頭の10分だけ時間をもらってシステムコーチングのエッセンスを体験してもらうというものです。オンラインミーティングが多くなった今だからこんなこともやりやすくなりました。

これから社内外でいろんな会議に参加してシステムコーチングを広げていけたらと思っています。

他社でも社内コーチングについて何か取り組みをしている方がいれば情報交換していきたいと思います。

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* ORSC®(システムコーチング®)はCRR Global Japan合同会社の商標登録です。

ORSC[オースク]とは、Organization & Relationship Systems Coachingの略称です。ORSCの最大の特徴は、複数名となるクライアントを1つのシステムと捉え、そのシステムそのものをコーチングの対象とすることです。ここでシステムとは、2人以上の人間によって成り立つ関係性すべてを想定しており、具体的には、企業や組織、チーム、上司と部下などといった関係性から、家族や夫婦、親子などの、より身近な人間関係のことを総称しています。
ORSCは、Marita FridjhonとFaith Fullerによって開発され、現在は両者によって設立されたCRR Global Inc.という組織によって、既に世界の30カ国以上で提供されています。日本ではCRR Global Japanを通じて提供されています。

* 一次プロセス、二次プロセス、エッジ

アーノルド・ミンデル博士 プロセスワーク
https://www.balancedgrowth.co.jp/processwork/edge.php

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