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現役時代×退職後 第7回 ■できることから少しずつやってみる

みなさま、こんにちは。
私は、定年より少し早くに建設コンサルタント会社を退職しました。それから10年あまりの間に、社会が大きく変化するたびに考えさせられたエネルギーの自立について書いてみようと思います。


東日本大震災

退職してまもなく東日本大震災が起こりました。大きな地震があると、自分が設計に関わった橋がどうなったか心配するのが常でしたが、この時は15年前の阪神・淡路大震災とは異なり橋梁に大きな被害がなく、それよりも津波の被害に衝撃を受けました。しかし、さらにショックを受けたのが東京電力福島第一原子力発電所の事故でした。次々に爆発する原発は、目に見えないし臭いも音もない大量の放射性物質をまき散らしていて人間は近づくこともできません。それに対して自衛隊のヘリコプターが大型のバケツの水を投下している(それもほとんど必要な箇所にはかからない)テレビの映像を見て原発は化け物だと思いました。このようなものを長い間放置し、その恩恵を受けて生活してきた自分に腹が立ち、後悔するとともに反省しました。我が家でも便器のふたの開閉にすら電気を使っていた時期があったのですから。

気候変動

もう20年以上も前から問題となっていた気候変動ですが、ここ数年は、温暖化をとめるため、脱炭素が求められるようになりました。温暖化は二酸化炭素が原因ではない、温暖化など存在しない、などの意見もあり、気候変動の本当の原因は、何十年も後にならないとわからないかもしれません。でも、いずれにしろ二酸化炭素や熱を排出してエネルギーを作り出す時代は終わるのだと思います。石器時代が終わったのは石が無くなったからではないと言われるのと同じですね。石器に代わる便利な素材と技術を手に入れたからですね。私たちも、社会を動かすエネルギーを再生可能エネルギーから作り出すことができるようになりました。

コロナウイルスの蔓延

一部の地域から生じた未知のウイルスによる感染症は、あっという間に全世界に広がりました。21世紀になってパンデミックに悩まされるなんて多くの人は予想していなかったでしょう。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で社会経済活動は停滞、その分、エネルギー消費が減少し地球環境には少しだけよかったかもしれません。しかし、各家庭で考えると、家にいる時間や人数が増えてエネルギー消費は増えたように思います。

ロシアのウクライナ侵攻

2020年代にこのような侵略戦争が起こるなど現実とは思えません。脱炭素は後退するしエネルギー危機はさらに進むし、いいことは何もありません。それに、この戦争で原子力発電所は攻撃目標になることもわかりました。日本で原子力関連施設を攻撃から守ることができるのでしょうか。
侵攻以来、ロシアの天然ガスや石油が入手しにくくなり、エネルギーの国産化が望まれています。日本も国内で得られる再生可能エネルギーの利用を推進しましょう。

私がやってきたこと

一般的な省エネルギーや節電、リサイクルのほか、少しでもエネルギーの自立に役立てばと以下のことをしました。
契約アンペア数を1段階小さくして、再生エネルギーによる発電を中心とする新電力会社と電気の契約をしました。昨年からの燃料市場価格の高騰で、厳しい経営を迫られている新電力会社を応援しています。
家の断熱効果を高めるため内窓を付けました。夏に西日が当たる窓は効果抜群で、皆様にもお勧めします。
小型の太陽光パネルと蓄電池を購入し、非常時に備えるとともに、日常でも昼間に発蓄電し夜間に蓄電した電気を使っています。
どれも、エネルギー消費の削減は微々たるものです。エネルギーを作り出すことの大変さを実感しました。

私にできること

そろそろ高齢者の仲間入りをする年齢が近づいてきて、私より後の世代に私は何を残せるだろうと考えるようになりました。
今は、やはり気候変動を抑制して安定的にエネルギーを作り出すことが優先されるので、新電力会社に協力して蓄電池を併設した発電所を作るお手伝いをしたいと考えています。自然を利用した再生可能エネルギーは出力変動が大きいので蓄電池との組み合わせが必須です。設備が使えるのは20年か30年か、そのころには地球環境も少しは改善されているでしょうか。
退職前は、エネルギーの自立についてここまで考えていませんでした。私ができることはとても小さくて社会を大きく変えることにはならないだろうけれど、できることを少しづつ実現させていきたいです。

                                                                           2023.02.27  執筆:たま


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