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Day48 グランドキャニオン籠り5日目、香ばしくなる

朝日で目覚めた。

朝日で。


朝日?


ということは、朝日をプラトーポイントで迎えることができなかったということではないか。

というより誰だテントの入り口開けたまま寝たのは。バカじゃん寒すぎんじゃん死ぬじゃん誰だよ、ぶるぶる。

ドキ。


どうもどうも、ちったです。


だけどまあ、きれいすぎてどうでもいいなあ。

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深呼吸。

気持ちよい朝ごはんタイム。残りのレタスとハムを全て挟み、サンドウィッチを頬張った。

日差しが強くなる前に登り切りたかったため、まだまだ肌寒い時間から出発した。

シャフィックたちのテントは既になく、もう先に出発していた。



振り返って、


ありがとう、


グランドキャニーぱみゅぱみゅ。

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下りの時とはまた違った顔に、色合いに、全てに惚れた。

もういっそのこと、脱いでいいかな、、、。

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さて、ここからが勝負ですよという頃、異変に気がついた。


トレッキングをやったこともなければ、ガード下で寝ていそうな服装に薄っぺらい靴で降りてきた。

毎日チャリンコこいでたから平気だろうと思ってたけど、

一晩中、乳酸に漬けて寝かせた足は世紀末リーダー伝足マン。

5cm以上足を上げることができなくなっていた。


で、でもまあ、筋肉痛がはやくくることはいいことだろう?そうだろう?

だんだん景色みる余裕もなくなってきた。


ゆっくり一歩一歩、いいんだいいんだ、

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不恰好ながら、

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奇声を発しながら、

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ようやくひとつ目の休憩ポイントにやってきた。


ここにいる人たちみんなが仲間みたいな感じになっていて、みんなと挨拶。

ハイタッチしたり、ぜえぜえ呼吸をしながら話したり。


素敵だなあと思った。


昨日倒立してたでしょと話しかけられた。

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まくらびーーーーーーん!!!!

そして

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シャフィックたちとも再会!!!!!!!!

ウェーイ!!!!!!!

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励ましあいながら抱き合う。

笑顔満々のシャフィックが口を開いた。

「朝日はどうだった?きっと最高だっただろう。」


ドキ。


ひと足先に出発した。


だんだん人も増えてきて、すれ違う人全員とグッモーニン!!!!!!


足は重くしんどかったけど、めちゃくちゃ楽しかった。

みんな笑顔でハイタッチ!


「ワンダフルモーニング!!!!」


って言ってきたおばちゃん。


それ、最高。


すぐに次の人から使った。


みんな笑顔で、

自分も笑顔になって、


ウルフルズの笑えればを聴きながら、

わははははは


ん、、、

ん?


うんこ臭い。


そういえばグランドキャニオンについて5日目。

全くシャワーを浴びていなかった。


え?わたし?

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ヒヒン。

やっぱおまえらかああああい!!!!!!!!!!


全身のフル細胞を使って地面に向かって叫んだ。


しかしまあ、絶対わたしも臭い。

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あのてっぺんを目指して、すれ違う人みんなと挨拶しながら4時間。

汗だくになりながら、足を引っ張りながら、

ようやくゴールした。

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なんだこれは、、、。

想像以上の達成感。

シャフィックたちが来る前にお手紙を書こうっと!

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書いてる最中、誰かに覗かれてる気がして、振り返るとシャフィックだった。

シャフィックにありがとう!と日本語で言い、お手紙渡すとわかりやすいぐらいに喜んでくれた。本当にありがとう。

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シャフィックの友達アドナフがご飯一緒に行こう!と誘ってくれて、みんなでレストランへ行く。

みんな笑顔が溢れてて、達成感が滲み出ている。

メキシカン料理をアドナフがご馳走してくれた。

「ゴールはどこなんだ?」

サンタモニカだよ!あと少し!


「なにか必要なものはない?」

んー、マットが欲しいなあ

「もちろん!あげるよ!」


即答だった。食い気味だった。

逆に戸惑った。

ほれほれとアドナフはリュックからマットを外してわたしにくれた。


いいのですか、、、ありがたくいただきます!

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まさかの、念願のマットゲット。

「遊ぼう!」

そう誘われてシャフィック達と広場でフリスビーをした。

足が全然動かなかった。

そしてみんなとバイバイ。

素敵な出会いだった。

楽しかった、本当に降りてよかった。


インフォメーションセンターにいくと久しぶりの婦人さんが待っていた。

抱きしめてやった。ごめんね待たせたね。


すると、立派なチャリンコに乗った二人組が話しかけてきた。

これまた立派なチャリンコだこと。

どこからきたの?


フランス出身の彼らは世界をふたりで回ってるらしく、ニューヨークからきたという。

すごいなあ!

ふたりはちらっと婦人さんを見た。

「本当に?これで?来たの?」

キッズサイズの婦人さんをみて信じられないと爆笑していた。

本当だってば!!

陽気なふたり。

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ぐっとらっく。

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テントに戻りわたしは決断を委ねられた。

今までマックの洗面所で無料のシャワーを浴びてきたわたしにとって、グランドキャニオンの$2のシャワーは使いたくなかった。

ましてやその$2もするシャワーは制限時間がある。

8分。


いつもわたしはシャワーにどのくらいかかる?8分もかかる?

いやかかるだろう、8分はかかるだろう。

髪洗って、身体洗って、オナニーして、最後流して、おいおい最低限のことするだけでも8分はかかるじゃないか。

$2で8分かあ、、、、

飛んで8分、わっつはっぷん、悩んだ挙句シャワーを浴びることにした。

何日ぶりのシャワーだろう。


8分過ぎたら自動でお湯も水もでなくなる。

途中でお湯がでなくなるのを恐れて、


数えながら浴びた。

せーのっ、1!2!3!

小銭を入れた瞬間から数え出した。

全く落ち着くことはできないシャワーだったけどなんとか8分以内に収めた。

しかしまあ、気持ちかった。

抜いてねえし。


スッキリしてテントに戻ると、ベンチで楽しそうに話す2人がいた。

7年かけて世界チャリンコ一周中だという良平さん。

これからメキシコに向かうジョン。

なにそれなにそれー!みんなで話そう!と3人でわいわいした。

これまたいい出会い。


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アメリカを横断するだけでぶっちゃけこんなにしんどいのに、世界を回ってるって本当に想像できない。


ただわかるのは、さっきのふたりも良平さんもキラキラしている。

そして、

チャリンコが動く家。

そばらしい装備。


良平さんも婦人さんをちらっとみては、これで横断は信じられないと言っていた。

そりゃこんなしんどかったわけだと笑った。


夜になってテントに戻る。

アドナフからいただいたマットを敷いて、ペドロさんからいただいたナバホさんを敷く。

一気にヒルトンホテルになった。

マットを敷くだけでこんなにも心地がいいのか。


今日はいろんな人と挨拶していろんな人と話して気持ちかったなあと振り返り、

3回くらい中国人にニーハオって挨拶されたなあと思い出した。


ニーハオ!って言われたら、

わたしは日本人なんだけどなあと思いながら


いい顔!


って返事してた。

マットのおかげか、みんなのおかげか、ココロなしか顔なしか、いつもよりあたたかい夜だった。


走行距離 : トレッキング
現在地 : Mother Campground
総走行距離:4895kmほど

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2014.10.4

少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️