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「自分の意思は捨てて、相手の懐に入る事だけを考える」

事業承継で必要なことは「資金」と「コミュニケーション」だと考えています。もし、売却希望額を一括で支払い、その事業を買うのであれば、そこまでコミュニケーションは必要ないかもしれません。しかし、ほとんどの場合、「買収金額を検討」「値下げ交渉」などが必要です。こうした交渉を進める際には、「いかに相手から信頼されるか」「良い印象を持ってもらうか」が非常に重要です。ここで必要になってくるのが『コミュニケーション』です。特に資金が限られている場合には、より一層コミュニケーションが重要になると考えます。

まず、私は対面での挨拶として、現地に足を運び、実際に建物を見学しました。その場で、自分が引き継ぎたいという強い思いを熱く伝えました(これは前回の話です)。この時点では、まだ具体的な事業計画はありませんでしたが、実際に建物を見て「良い」と感じ、現在よりも売上をアップできる可能性があるかどうかだけを考え、その場の【感覚】で決めました。

初対面の際には、ただ熱い想いを伝えるだけでなく、実際に【行動】でその想いを示しました。具体的には、オーナーさんに「事業を引き継ぎたいので、業務を覚えるために、忙しい時期には雑用としてしばらくの間お手伝いさせてください!」と申し出ました。正直なところ、業務を覚えるだけであれば、話を聞いたり、業務内容を書面にまとめたりすることで問題なくこなせると思います。しかし、それでは密なコミュニケーションには繋がらないと感じたため、『一緒に働く』ことで信頼関係や良い印象を築けると考えました。その意味も含めて、一緒に働くことを希望したのです。結果として、オーナーさんも快く受け入れてくださり、実際に働くことが決まりました。

事業を引き継いだ後は、自分のアイデアや改善点を早く取り入れたくなるかもしれませんが、最初は「自分の考えを一切出さずに、相手の懐に入り、業務を教えてもらう」ことが大切だと思います。自分のやりたいことは、事業承継が完全に決まった後にいくらでもできます。

しかし、実際に働いてみると、不安材料がいくつか出てきました。

つづく。。。


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