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出張では見落とすインドのカースト文化

現在、営業としてインド市場を担当しています。
インドはプライベートでも2度訪れており、最も好きな国の1つです。

インドに限らずですが、ビジネス出張でその国を訪れた際、ビジネスの側面以外で、その国の文化に触れる機会は残念ながら限れています。

遊びで行っているわけではないので、当たらい前です。
しかし、その国での商売を成功させるためには、その国の文化も知る事が重要だったりします。

ビジネス出張で、その国の文化を知る事は難しい

特に、庶民の生活感を味わう事はできません。

なぜなら出張で海外に行った際は、朝から晩までのスケジュールが詰まっており、決まったスケジュールに沿って行動するのが基本だからです。

スケジュールの合間が空いたとしても、メール対応など、仕事に没頭する事になります。

また出張させている企業としては、リスクを最小限に抑えるために、社員にはある程度レベルの高いホテルに泊まらせます。

そして基本的には、現地のグループ社員、又は取引先の人間と行動する事が多いため、現地人しか行かない地域に迷い込む事もありません。

以上の事から、ビジネス出張でその国の生活感を感じる事は残念ながら出来ません。

逆に言うと、旅行ではその国のビジネス文化を知る事は出来ないという事にもなります。

ビジネスでも文化を知る事は重要

ビジネスをする上で、その国の文化を知る必要があるか?

皆さんはどうお考えでしょうか?

私はその国で商売する上で、ビジネス面以外の生活感や文化も知る事も重要であると考えています。

文化を知る事によって、現地の人間と接する際、自身の立ち振る舞いや、言葉の節々にそれが出てくると思うからです。

結果的に、関係者からの信頼を勝ち取る事に繋がります。

結局ビジネスの場面で対峙する人も、仕事が終われば庶民です。

これらが積み重なって、長期的に商売が良い方向に転がっていくと考えています。

営業としての重要なスキルは、「こいつのためなら、多少面倒な事でもやってやるか」と思ってもらえる人を増やす事です。

そのためには、庶民の文化を知る事が重要という事です。

カースト制度の文化は残っている

私自身、ビジネス出張以外では、学生の時に2度インドを旅しました。

1回目は大学生の時、ボランティアプログラムに参加しました。
この時はハイデラバードという都市を訪れました。

2回目は卒業旅行を兼ねて、友人と二人で旅をしました。

その時はネパールから陸路で、インドのゴーラクプルの国境から入国。
バスと電車を乗り継ぎ、アーグラ、バラナシ、チェンナイと移動しました。

ガンジス川で沐浴もしました。

そして長距離列車で48時間かけて、チェンナイまで移動したりもしました。

2回の訪問で、トータル約2カ月、インドに滞在していました。

両方の旅で、ビジネス出張では味わえないインドの文化を存分に感じられたと自負しています。

その経験で、強烈に印象に残っている事は、カースト制度の文化はまだ残っているという点です。

カースト制度とは?

前提知識として、昔インドにはカースト制度という、社会身分制度が存在していました。

平たく言うと、生まれながら自分の社会身分が決まっており、身分が高い人はより良い教育の機会、より良い就業の機会が得られる制度です。

もちろん、違う身分同士の結婚もNGであす。

このカースト制度は紀元前1500年頃から存在してしましたが、1950年にカースト身分による差別を禁止する事が憲法に追加されました。

以外と最近まで禁止されていなかった事に驚きますね。

カースト制度について、詳しくは割愛します。
もっと知りたい方は下記のwikipedia或いは、ネットで検索すれば色々出てきます。

インドに足を踏み入れる者として、カースト制度について無知なのは、避けた方が良いです。

何故ならインド人との会話の中で、地雷を踏んでしまう可能性があるからです。

カースト身分による差別を禁止されていますが、まだ社会には深く根付いており、その文化ははっきり残っています

街中で物乞いしている人、或いは低賃金の職業に就いている人の大半は、元々カーストの身分が低い家系出身である事が多いです。

バスの運転手、大工などの職業も含まれます。

バックパッカーとして旅をしていると、物乞い、押し売り等は、当たり前に遭遇します。

赤ん坊を抱えた母親に、お店に売っている粉牛乳を買ってくれとせがまれて、買った経験もあります。

絶対にそこら辺で摘んだと思われる花を買ってくれと、ストリートチルドレンに頼まれ事もあります。

また長距離バスから降りた瞬間に、見ず知らずの人にホテルを紹介(紹介料目的)される等と、挙げればきりがありません。

ボランティアプログラムに参加した際、現地の職員から、カースト制に関しても詳しく教わりました。

一方で最近は低カースト身分を優遇するあまり、「逆差別」も起こったりもするらしいです。しかし、基本的には低カーストの人が差別されがちであるとも聞きました。

そういった経験から、色んな形でカースト制の文化は残っていると強く感じました。

ビジネス出張ではカースド制度の名残は感じない

ビジネス出張の場合は、そういった側面を目の当たりにする事は少ないです。

何故ならビジネス出張の場合は、決まったスケジュールで仕事をこなすのに必死だからです。

また、現地人とどれだけ関係を築けたとしても、インドのカースト制については、こちらから質問する事はさすがに出来ないです。

迎え入れる側としても、海外からの来客に、自国のマイナスな話をしないのが普通です。

ビジネスで関わるインド人の多くは、恐らく(直接聞けないので)ある程度、カースの高かった家の出身と予想しています。

雑談の中でも、不自由ない生活をしている様子が伺えるからです。

インドという国は、あまりにも強烈に日本と文化が違うため、宗教、食生活、生活習慣ばかりに目が行きがちですが、そこには確かにカーストという暗い文化が根付いています。

ビジネス出張では、自分もスケジュールをこなすのに必死、また現地の人ももてなしてくれるので、そういったネガティブな点について気付く事は殆どありません。

最後に

インドはこれから凄まじい経済成長する過程で、そういったカースト文化、又は格差は無くなっていく事が期待できます。

近年、ITが何故インドで爆発的に伸びているかと言うと、新しい産業のため、カーストの身分は関係なく、皆平等にチャンスがあるかららしいです。

成長と変化という意味では、これからのインドは本当に楽しみな国です。

その成長を日本のビジネスマンとして(稼がせてもらいながらも)、お手伝い出来ればと思っています。
私はそれがインド市場のやりがいと感じています。

そのために、インドという全く違う国の文化や生活も理解して、共に仕事をしていきたいという気持ちが非常に強いです。

おまけ

全然関係ありませんが、フリー素材の画像を探している時に、すごい可愛いガネーシャ(インドの神様)の絵を見つけたので、載せておきます。


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