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コロナ感染者が出たNPOから見習いたい姿勢

2020年7月17日  CIS 大野 覚

新型コロナウイルスの感染者数が再拡大する中、実際にNPO活動をされている関連する方に、感染が報告されました。大阪市西成区の釜ヶ崎にあるNPO法人 「こえとことばとこころの部屋」というところです。

いわゆるホームレスや日雇い労働者の方に、交流や宿泊の場を提供する活動をされていました。その宿泊者の方から、新型コロナウイルスの感染者が出たとのことで、その経緯と対応をネット上で情報公開されています。 >>リンク

発端から現在までの経緯を丁寧にまとめ、勇気を持って積極的に情報公開されたことは、素晴らしいと思いました。文章の中には 「もっとも頭をかかえたのは、このことを公表するのかどうか、するとすればどうするのか、ということ」と書かれていました。「悩み抜いた末」という姿勢が感じられ、とても誠意を感じましたし、一市民として応援したいと思いました。

心配だったのは、いわゆる「自粛警察」の人が、ネット上で袋叩きにしてしまわないか、ということです。今回のNPOについて、私が調べた限りではそのような”炎上”は起きておらず、むしろツイッターには多くのハートマークがクリックされていました。

一つ一つの丁寧な対応、また包み隠さず発信した姿勢が評価されてのことでしょう。多くのNPOにとって、もし自分の支えている市民やスタッフ、関係者に感染者が発生したらどうすべきかを考える、素晴らしいお手本だと思います。

『この世を一瞬たりとも落ち度なく生きることなどできるのでしょうか。
そして、そういう場面に多くさらされるのは、どちらかというと弱い立場の人々ではないでしょうか。』

これは、同NPOが情報公開されたページの言葉です。実際にコロナ禍に立ち向かい、思い悩んだからこそ伝えられる、とても重い言葉だと私は受け取りました。

感染者は、加害者ではなく”被害者”です。悪意がある場合を除き、感染して苦しんでいる同じ人間を非難することは、非常に悲しいことです。さらに、”感染者を非難”することが個々人や団体の感染公表を躊躇させ、その結果、感染経路不明者数が増え、日本全体の感染者数の増加にもつながってしまいます。

このNPOは、コロナ禍による収益減などで、存続に関わる危機的状況だったと想像します。そんな大変な状況の中で新型コロナウイルスの感染が発生したにもかかわらず、歯を食いしばって、このように丁寧に対応し、情報発信するNPOを、ぜひ応援したいと思います。

追記
ココルームさんではコロナによる95%減収の状況でも、「この場を必要としている人がいる」と活動を継続するため、クラウドファンディングを立ち上げています(現時点での〆切は8/12)。
関心をもたれた方は、ぜひ参照お願いします。 
>>MOTION GALLERY 「であいと表現の場」 ココルーム

また、ココルームさんはnoteで記事を掲載されています。
こちらも関心を持たれた方は、ぜひご一読ください。
>>ココルーム「食べるは生きる。働きと関わりあいの連なりのなかで」


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