500文字小説『かいいかかいいいかかいいかかいぎかいだん』
「実は僕、人間じゃないんだ」
彼がそう伏して、ああやっぱりやっぱりと、みんな愉悦のゲラ笑い。まあ下劣下劣。お顔をお上げと足を組み直して顔を蹴る。
人姫様、どうします?処す?処す?処刑は娯楽よ、この程度に使わないわ、却下よ却下。食刑、被検体、うーんどれも彼に合わないわ。
隷属がいいわ、奴隷の首輪持ってきて。
心配がる異形の囲いたちをそう言ってシッシした。
がらりで教室でふたりきり。
だらしないわぁ、
人間を守るのは怪異の義務だものねえ。褒めてあげる、よく今まで騙し仰せたこと。でも人のフリがバレたリスクは考えなかったのかしら?これだから馬鹿ね馬鹿。
奴らが帰ってくるまでの制限時間。怯える非人間の首にそうっと手を回して言ってあげるの。
「実は私も、人間じゃないの」
そんな、ウソ、人姫様も、人間じゃないの?答える代わりに甘く囁く。
「秘密よ秘密、2人だけのもの、ね?だから同じ者同士、仲良くしましょ、ね」
彼は嬉しそうに「うん、うん」首を振る。
「奴らの代わりに、あたしが守ってあげるから」
これで彼はその首に輪を通されても、これから内心あたしを同類だと思って接してくれる。
うふ。
やっと、まともなお友達が出来た。
24.4.19
#小説 #オリジナル #ショートショート #短編小説
人姫様の正体?
な ん で も お い し い よ な ぁ!?
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