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小説・トンデモワンダーズはいいぞ。



トンデモない、
とんでもなく無い物語




★トンデモワンダーズ書籍情報▼

 筆:人間六度
 原案:sasakure.UK『トンデモワンダーズ』
 上下巻 KADOKAWAメディアワークス文庫
 660 + 660¥  !!!!!

しばらく基本情報だけ続くので、
はよレビュー見たい方は
『スットンキョウ君』まで飛んでくれ! >

❖帯・表紙文

★裏表紙:
【   成功も失敗も、全部大好きでいいじゃん。
「━━人生は、ゲームとは違いますよ」進路相談でそう担任に告げられて散々な気分のあの日、私は出会ってしまったんだ。不思議なイキモノ『ワンダー』を倒すクエストに夢中なあなたと。
 一瞬で運命を感じ、無理やりクエストに参戦!こうしてついに、私の代わり映えしない日常に、胸を踊らせるトンデモない冒険の幕が上がる!
 陽キャと陰キャ。正反対な2人がぶつかり合い、手を取り合う時に見つかる、「本当の自分」とは━━。ショウタイムの始まり始まり!】
【  世界解体10秒前!!トンデモない冒険の行方は!?
 学校なんて大人たちの都合のいい目盛りを数えるだけの場所だと思っていた。だけどテラと出会って、たくさん一緒にクエストをクリアして、初めて2P(アイボウ)ができたと思った。そして僕はテラのことをちゃんと知りたいと思ったんだ。
 それなのに、初めてのゲーセンデートの日、テラは僕にこう言った。「あなたは、私と一緒にいるべきじゃない」
 不思議鳥が空飛ぶ世界で、スットンキョウでサイキョウの僕らが見つけた、「本当の自分」。トンデモない冒険の果てに、笑顔はあるのか!?】

【テラ:打ち込めることがないのが悩みの女子高生。カラスと出会い勝手に運命を感じている。
 カラス:学校に行かず、不思議なイキモノ『ワンダー』を倒すクエストに夢中なテラの同級生。】

❖トンデモワンダーズ楽曲紹介

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のユニット「ワンダーランズ×ショウタイム」の書き下ろし楽曲。
Chorus:echo・Perio、Keyboard & Key
Arrange:岸田勇気(有形ランペイジ)
イラスト&ムービー:APO+
ニコニコ動画版
YouTube版
一気に人気を博し、たった4日と4時間ほどで殿堂入りを果たす。
『プロジェクトセカイ』一周年を記念し、Self Remix版が投稿された。
2021年11月22日、自身9曲目となるミリオン達成。現在ボカロオリジナル曲でミリオンを達成している曲の一つ。

エビバディ→解体! 思い出に消しゴム!? あれっ。 ハイになる?廃になる? はい、とは言えな~い!!!
お可視い世界 お菓子は消えちゃう!?どうしよ “どうして!?”も“ああして!!”も 君らしくないな?
ソンな時代でいいよ 僕らまだ“ワンダー”信じてる、の ノ No? know! おとなたちの鋭利(営利)な目盛(×メモリー) 悩まされすぎちゃって 寄り目になっちゃいそーね!!
“どうして”!?“ああして”!!も「全部」だいすき!がいいじゃん!! みんなみんな笑っちゃえの魂胆で
宿敵(ライバル)逆境モンスター呼んだっていいじゃん!? スットンキョウでサイキョウなセカイを
どうにもこうにも救えない困難もいいじゃん! みんなみんな救っちゃお!のポーズでちょっとやそっとじゃ潰れない笑顔どうじゃん! 100回オチても不死議は鳥乱さない
ワンワンでツーカーでスリーフォー エビバディ ショウタイム!
デモデモ センセイ! 答案は散々!! うわー! ハイ終わる?ファイナル? 0点(エンド)じゃないなら、OK!
マルバツ全部 一切合切ウチューしよう! 正解も不正解も 大切なメモリー
つまずく日もあるよ 君はまだ“ワンダー”否定してる、の ノ No? know!
解体(バラ)す前に きいてよ 待って! トンがりすぎちゃう斜界(しゃかい)に ツッコんで、トンで、もう一回(もういいかい)!?
成功失敗も「全部」だいすき!でいいじゃん!! みんなみんなウチューしよ?の魂胆で だってだって君ももっと笑えたじゃん!? スットンキョウでサイキョウな僕らは
まだまだ消さないで!?未来はここからじゃん!! みんなみんな一緒しよ!のポーズで
ちょっとやそっとじゃ崩れない笑顔どうじゃん! 100回トンだらトンデモお菓子いセカイ
ワンワンでツーカーでスリーフォー エビバディ ショウタイム!
(ツッコんで、トンで、ドッカンで、ツンで、もう一回! ツッコんで、トンで、ドッカンで、ツンで、もう一回! 3、2、1 わ〜ミステイク! 3、2、1!!)
セカイ解体10秒前!?待って待って待って まだまだ一緒しよ?の魂胆です 101回目のソンな小指(メモリー)拝借 “ハッピーも失敗も消さないから!!”
セカイ ウチュー(宇宙) 未来 超だいすきでギューじゃん! みんなみんな笑っちゃえの正解(世界)は 宿敵(ライバル) 逆境 モンスター 何だってin(良ん)じゃん! スットンキョウでサイキョウ、お菓子いだろ?
旋回(セカイ/1000回)満開(10000回)もう一回だいすきでギューじゃん! みんなみんなくすぐっちゃえ!のポーズで ぜったいぜったいね、消せない笑顔どうじゃん! ∞回(なんかい)オチても不死議は鳥壊せない!
ワンワンでツーカーでスリーフォー エビバディ ショウタイム!

初音ミクwiki


 〜 ここまでコピペ 〜

Q:文字数稼ぎかな?
A:文字数の限界は俺が決めるんだよ

★やあ、スットンキョウ君!

 ささくれさんオタクの夢旅チロルだよ〜!

小説版トンデモワンダーズ、良かったぞ。これを読んでささくれオタクになれ。今ならプロジェクトセカイと人間六度さんのオタクにもなれるオマケつきだ。まずはミュージックビデオを見てもいいし、歌詞を見てから読み戻ってもいいし、ありったけささくれPの曲を聞いてからトンワン小説の色々な元ネタを噛み締めてもいい

 あっ、これフォロワーが作ったささくれUKプレイリストね(スッ)

この曲自体がささくれ曲の総集編みたいなとこあるんだけど(ささくれさんが似たような言い回しや似た音や世界観を使うことはささくれ界隈では有名)この曲がプロジェクトセカイのトンデモワンダーズ楽曲ストーリーのあらすじになっていることも一部界隈では有名

 え?ささくれ・プレゼンツはいいから、そういう要素抜きで小説の紹介をして?
仕方ないにゃあ…(人肌脱ぐ)

❖独自あらすじ

 ここは不思議なイキモノ『ワンダー』がいる他はナンデモないセカイ。
高校生の女の子、テラはとってもたいくつ。
私にも何かトンデモないこと起こらないかな?
担任の物理学の先生は、めっちゃ夢に溢れて教師になったらしいし。友達のナルコとレムは、付き合ってイチャついてるし。委員長は、柄杓で人の頭を叩く権利があるし。
 そんなある日、あってしまったのです。
突然セカイからみんなが消えるなんてこと。
そこを“跳”んでワンダーをやっつける、謎の少年!
出会うべき人に、出会ってしまったのです!
 色々あって、突き止めた彼は同じクラスの、不登校な男の子『カラス』。人と付き合いたがらない彼の、誰にも秘密の『クエスト』に、テラも乱入してしまったのです!
(みんなが消えるのにどうしてテラだけいなくならない!?そんなのどーでもいいじゃない!)
『ワンダー』を倒す『クエスト』のための、レベルもスキルもアイテムも持ってないテラがいるために、カラス1人の討伐クエストは狂狂(ぐるぐる)!制限時間までもうちょっと!?えーい、こうなったらテラも2Pで参戦だ!参戦できるの!?
テラとカラスは協力プレイ、つまりカラスが持っていたスキルとアイテムを使って、連携して巨大ワンダーを倒すことに成功したのでした…。
 ゴリ押しでカラスの『クエスト』の2P(アイボウ)として参戦することを決めたテラ。学生と、クエストプレイヤーの二重生活を送ることになってから、テラの日々は一気に「『トンデモ』ない」ものになりました。
 いつもの街並みも、『クエスト』解決のギミック。
 お菓子やカップ麺も、『クエスト』前の2人でなら特別。
 何なら学校まで、『クエスト』の舞台になって━━。
カラスの目的は、「『クエスト』クリアでレベルアップしてLv99のラスボスを倒す」こと。楽しい日々の中で、テラがカラスに抱く気持ちはなんだろう?これは恋?それとも…?
 不登校だったカラスが、学校に来た。コウコウセイのカラスが誘ってくれる、街に行かないか?クエストじゃなくて、普通に、楽しむために。
これって実質デート…ウキウキ気分でテラはカラスとの休日を楽しむ。音ゲー、クレーンゲーム、買い食いのおやつ、2人での体験は何でもワクワクしちゃう。
はずだった。
私は何者?知りたかったこと。
でもでも待って!
それを言わないで!
「もうクエストはやめようと思う」
 テラは“知らされた”。
だから突き放した。「クエストをやらなくなるのはダメ」
そして2人の楽しい時間と一緒に、
手放した彼の月のペンダントは壊れて、散らばった…。

上巻読み終わって大の字で広がってる自分「どうすんだよテラ…この先どうすんだよテラ…なんてことになっちまったんだよ…ここから“ケンカ別れ”をどうやって“仲直り”するんだ…」
(MVを見てるから“どうやって”はマア知ってるんだけども、そこまでどう繋ぐかなんだ!だってここまででまだ上巻だもん!上巻って曲とMVの1/3くらいだよ!?)
 下巻のあらすじは君の目で確かめてくれ!

・一人称小説 / ジュブナイル / 近未来SF / ■■■■■
・イラスト: 標準、ドット絵
・王道感: かなり、それがいい
・心痛要素: ないです。人によっては
・疾走感: 中だるみあり
・原作再現: 忠実、具体要素追加あり


❖スットンキョウでサイキョウなささくれ音楽ワールド

 曲の話をしよう。
…はよ考察って人はレッツスキップ。
 実はささくれさんが作る曲は、『翻訳』できるらしい。
というのは━━長くなるね━━そもそも、この『曲』は『プロジェクトセカイ』というゲームのために書き下ろされ、そのとあるアイドルの物語の中でライブのセンターを飾る歌として作曲されている。
つまり━━、
この曲の歌詞を、別の単語に置き換えていったりすると、一連の物語が浮かび上がってくるのだ。単語や言葉に意味を詰め込んだ俳句や短歌を現代文に直すような感覚で。しかもこれ、「噛む位置によって味が少し変わる」みたいに、数重の意味を持って歌われている━━、
とはささくれ曲研究家の友人の談。
では、私が先生の板書を見ながらやってみた例をどうぞ!

エビバディ→解体! 思い出に消しゴム!? あれっ。
(みんな)(接続詞)(取り壊す、バラす)(記憶)(消す道具)(疑問、感嘆)
→みんなの場所を壊すんだって!思い出が詰まってるのに、なくしちゃうの?どうして?)
ハイになる?廃になる? はい、とは言えな~い!!!
(high/高い、良い方、イエスマン)(廃れる、捨てる)(了承の返事)
→古くなった物は壊した方が良くなる?だから取り壊しに賛成して?同意できるわけない!!!)
お可視い世界 お菓子は消えちゃう!?どうしよ
(おかしい、変、妙)(見ることができる)(甘いもの、嗜好品→楽しいこと、笑顔になるもの)
→世界が私たちと違うヘンな形に見えちゃってるんだ。壊しちゃったら楽しめる場所がなくなって、みんなから笑顔が消えちゃう!?どうしよう)
“どうして!?”も“ああして!!”も 君らしくないな?
(何かへの、疑問/強い否定)(方法を示す、命じる)(強調)(も→総じて)(あなた、親しい呼び方、王君など偉い人への三人称)(そのものの特徴や性格などを強く示す部分)
→みんなに向かって、自分が絶対正しいみたいに、意見を頭ごなしに否定したり、自分の方針に従うよう強引に言ったり、王様。まるであなたじゃないみたいだよ)

ふんす!

全然別の書き方でありつつ、同じ内容。
 おわかりいただけたでしょうか。
研究者さんは『プロセカ版トンワン翻訳』をしているのだけど、そっちはプロセカやってないとわからない単語が出てくるのでプロセカやってる人は見てね。 (ダイマ)
 で、なぜこの話をしたかというと。
この小説は、『トンワンMV小説化』と例えた方がわかりやすい。でも、私は『ささくれさん翻訳』からも、物語を紹介してみたい。
ささくれさんは、複数の曲に同じ言い回しをすることがある。ある単語を出す時に、あえて一般とは違う漢字使いに拘ったり、同音異義語を並べたり別言語を使ったり…。
代表的な言い回しでは『うたを歌う』とか━━ね。
なぜ『違う/同じ言い回し』をするのか。それは、楽曲全てがささくれさんにとって、連結したひとつの物語だからである…むしろ、だから翻訳できる━━という説がある。
 え?もちろんささくれさんは『そんなコト』言ってないよ?
その説に基づいて実際にあまりにも翻訳できてるんだから確定事項みたいに言ってるだけです。
 じゃあ、『ワンダー』ってなに?
他に『ワンダー』のつく有名な曲は『ワンダーラスト』とかあるけど。直訳を更に意訳や別訳にしたり、他曲と単語を共有するこじつけをするけど、この世界ではよくあることです。

・ワンダー(Wonder)
 不思議に思う、疑問に思う、思案する、考える、驚く、驚異 何かについて疑問を抱いたり、深く考えたりすることを示す→解くべき謎、難問、ずっと(始終)考えている、ありえない、恐るべきこと→○○すべき:使命 不思議、ありえない:魔法のような 深く考える(:ほど重要な問題) 疑問を抱く:信用できなくなる 驚異、恐るべき:トラウマ、避けたいこと 熟考する(:謎を解決するため)

 ……「小説トンワンの重要単語じゃん!」と考えられる物が羅列できましたね。した。そして、です。 不思議な魔法 …とささくれ世界で単語を連結するとおおよそこのような意味になります。

 『 とうてい解決は有り得ないけど許しを得るために行なうこと 』

 前置きが長くなりました。
これは少女と少年が出会う物語。 喧嘩する物語。 そして、苦難を経て、許し合う物語。 そして、○○と○○が喧嘩して許してをする物語━━。

引用が長いのでもうちょっとだけ書くんじゃ
\ \ ええ〜〜〜〜っ!? / /


▼決まらない少女と決まりきった少年

★テラちゃん
 スットンキョウでめちゃくちゃでサイキョウで天衣無縫、それが【2P】テラちゃん。
見た目も行動も破天荒でかわいい。高校生でツインテでへそ出しルック、いや見た目のことはどうでもいいんだ。いいのか!?いいんだよ。
でもそんな彼女には、致命的欠点がある。

5W1Hが、ない!

 逆に言えば、それを見つけ出すまでの物語なんだけど、
彼女はそれがないから、ぼんやりと『トンデモ』を探し続けてる。この世界では、それがわかりやすく可視化されている。『ワンダー』だ。でも世間にはそれは、お可視くない物として認知されている。
いつだって、アタリマエに疑問を抱くヒトが、世界を拓くんだ。
あらすじでも語ったが、テラちゃんは『自分はナニモノ?』を探し続けてる。ナニスル?ナゼヤル?思春期って、そんな時期だ。
でもそれを何年も大人になっても探し続けられる人って、ほんの一握り。だから━━そんな曲と物語が世界に溢れてるんだろうなあ。共感と郷愁と憧憬…じゃなかった。
 テラちゃんは、『決まりきった』カラスくんの常識を打ち破る良きパートナーとして、跳梁跋扈する。つまり、良き悪友と言ってもいい。
その後、そんなテラちゃんの否常識すら打ち砕く、衝撃の事実が判明するんだけど…。
型にハマらない。発想が自由自在。現状打破できるなら、新たなピンチに陥ることなんて考えず、誰かを助けるために、いくらでも行動できる、それがテラちゃんだ。無自覚ながら、数歩先を読むこともできる。
『決まらない』ことに悩んでるけど、『決まりごとに囚われない』ことこそが、彼女の強みだ。

強い。このナンオ、強いぜ…!

だって、強いというのは、『さいきょうのぶき』を持っていることだけじゃない。それを、彼女は教えてくれる。
 たった一回の失敗で諦めるの?
 何が怖いの?私の方を振り返ってよ!
 逃げてもいいんだよ(まずは挑んでみようよ!)
 失敗してもいいんだよ!
あらら、なんてアリキタリで━━忘れがちな心得。
こうやって見ると、物語を“得る”意味って何だと思う? 世界中に溢れる『名言』…その前後で何があって、その言葉が導き出されたか、を知るためだと思う。だからこそ胸に善く深く刻まれる。
というわけでコレが気になったら、読もう!
━━この世界は、あまりにも『切り抜き』されすぎてるから。そう思わない?
そして、

こんな彼女が、なぜ『2P』なのか?

★カラスくん
 テラちゃんと比較するとおもしろい、それが彼。

5W1Hが、ある!

 決まりきった…、いや、『決めきった』と言うべきかも。
少しふさふさの黒髪の男の子、くらいしか特筆がない。下巻表紙の姿は、『クエスト』用のケープと、諸事情でマスクを着用してるにすぎない。
他に上げるとすれば、クエスト初報酬の『月のペンダント』をいつも着けてる。ちなみにテラちゃんも『星型のブローチ』を着けてる。なかよしかっ!
 彼の強みは、彼の弱みなのだ。
1人で、何でもできる。一人暮らしで、つまり家事全般できる。通学の必要ないくらい、成績優秀。クエストもLv55にレベルアップするまでソロプレイヤーだった。
 彼の目的は決まっている。

学校でやることはできるんだから、行かない。
クエストをする。1日2回チャレンジできる。
目標を倒して、クエストクリア。
目的はLv99までのレベリング。
そして『ラスボス』を倒すのだ。
クエストは街なかに発生するが、
クエスト中の事は街に反映されない。
とにかく討伐に集中できる。
僕は1人で、それができる━━。

 そんなルーチンに闖入してきたのがテラちゃんだ。乱入じゃない、闖入者である。
彼は1人で完結していたのだから、それはもう自身を土足で踏みつけられたがごとく。そして彼女は、今までカラスくんが1人でやってきたことをことごとく、一緒にやるようになる。
クエストも。レベリングも。私生活も。そして学校に行こうかという気も、一緒にお出かけしようという気まで、呼び起こした。
 1人でやること、 1人でできること。
 決まりきった少年、カラスくん。
それは無意識に、キライなことを避ける。 チャレンジを、 開拓を、 失敗の可能性を。 不必要で非効率を。 カラスくんは自分1人で自分をかんぺきだと思っている。

と思っている。

あるよね、そういうとこ。 (自刃)
 カラスくんは、テラちゃんとのクエストを通じて、『1+1プレイ』を『2Pプレイ』として完成させる。彼は欠璧を認め、誰かと一緒に何かをし、自分の問題を誰かに解かせることができるようになった。カラスくんは自分が思っているより、できるコであった。1人ではできないことであった。テラちゃんは出会いで運命が変わったと思ってるけど、カラスくんだって彼女によって確実に変わったのだ。
でも、カラスくんの自分が融解したワケじゃない。
経験、情報、そして定石。あらかじめ用意できる選択肢。その地盤を持ち続けてるから、テラちゃんは無法に解決策を振る舞える。
連携は、ばっちりだ。

 ━━無意識に避ける。

ホントウのホントウに意識してないことには、そもそも触れすらしない。避ける、ということは、かすかに認識しているのだ。

彼には、5W1Hがある。
しかし、物語が進むにつれ思うのだ。
『彼はなぜワンダーを倒すの?
ラスボスを倒したらどうするの?』━━


★ワンダーと、クエスト

みんなにとって、“なんでもない”ワンダー。
それに積極的に挑む、カラス、とテラ。
なんで?
倒すべきだからだ。
なんで?
━━倒す必要があるからだ。 

 そして私たち、読者も、日ごろからワンダーに遭遇し、クエストをこなしている。
…なんかちんぷだな。マーイーカ、
誰かの敵は、自分にはどうでもいいことであったり、 自分の敵は、誰かにはどうでもいいもの。 どうやって倒す? どう倒すための手助けをする? これは“まず”、そのための例え話。

❖レッド・サイン・ルーラー

 『彼らが何か』という答えはある。上巻にある。下巻にもある。デモデモダッテ、そんなのネタバレじゃん!
でも『日頃挑んでるもの』ってほとんどネタバレじゃん?
だから、マーイーカ。
 ほんと、見事な可視化だ。
カラスくんは、Lv55までソロ討伐してきたらしい。1人で解決できるクエスト…問題…難問。巨大魚が空を泳いだって、この世界の人には何の関心もない。関係ない。何が誰かの心につっかえているものなのか、想像しないし、想像もできない。でも、カラスくんには超重要。

そんなのばっかだ。
それが、世界だ。

そして、目に見える世界だけが、世界だと思い込む。実際その“外”は自身の目で見なければ、どれだけ実在を信じようとしても、信じ込むのは難しい。
悲しいかな。
それが、私たちの見る世界だ。
 ━━そして、『トンデモワンダーズ』の世界だ。見ようとしなかったモノをもう一度見に行こうとする物語だ。
初めて2Pプレイで巨大魚討伐に成功した日、テラちゃんはカラスくんをその辺の食堂に引っ張っていく。何をするかと困惑する彼の前に、勝手にテラちゃんが注文した料理が出てくる。
鯖の味噌煮。
さっき倒したワンダーみたいな料理が出てきて、カラスくんはウエッとする。それでも、23レベくらいから魚とかやってたし、と強がりながら食べ始め━━ あ、案外大丈夫かも。
これにて、カラスくんの魚討伐クエストは完遂されたと言っても過言ではない。このシーン、超かわいい。思春期かわいいです。Lv23で出た魚ワンダーが、Lv55でも出たってことが、彼にとってどれだけ強敵かってこともわかるし。もしくは、2Pプレイでこなさなければ、真に倒せない相手だった可能性すら、ある。
 暴君テラちゃん曰く『ハラワタのある秋刀魚にしなかったのは情状酌量』。
 ちなみに、私はこのシーンを読んで数週間、鯖の味噌煮が食べたくてあちこちもんどり打った。
青魚、大好きです。

…………話はズレるけど『猫の魚』って知ってる?

ウチ基本魚食でさ、1尾魚が出ることが多かったの。きょうだいは今でも出来ないんだけど、コトノツマリ様、皮を剥がして内臓取って、骨から身を全部綺麗に取って、頭と骨と尾が繋がったまま残るっていう『魚を綺麗に食べる』技術。
えー、こういう言い方知らない? 知らない!?

❖0点(エンド)じゃないなら○ (おっけー)

 想いには必ず核がある━━、
というのは他のとあるの受け売りなんだけども、
良くも悪くも思い出や考え方には物が多く関わっていたりする。物?いや者のことも、もちろんある。
ワンダーであり、クエストに出るのは、魚や植物どころか、オモチャ、カギ、テスト用紙…果てはヒトガタまで。この世界のワンダーには…いや、ワンダーと認識されているモノには一定の共通認識がある。
 何かオカシイ以外は解明不能。
いやぁ、何その、悪魔の証明みたいな!?
 ━━カラスくんは、作中で2度、『クエストをやめる』と宣言する。 1度目は、時間切れでクエスト失敗した時。 2度目は、クエスト以外の生き甲斐を見出した時。 前者はネガティブで、後者はポジティブで。だけど、どちらもテラちゃんに止められて“しまう”。
2度目は、楽曲的に言えばMV1/3のケンカシーンで、曲の2番サビ終了で、本で言えば上巻最後。
 “クエストは続けなきゃいけない”。
クエストはいつまでも続く。ワンダーはいくらでも現れる。ラスボスと考える相手は、いつだって章ボスである。


▼私たちのネガポジ・コンティニューズ

私たちはカラスくんだ。
そしてテラちゃんだ。

その再認識ができるのが、このトンデモワンダーズだ。
 …私は頑固なカラスくんだったけど、テラちゃんが助けに来てくれた。最初は拒んでいたけど、いつか受け入れられた。そして気付けば“テラちゃんたち”に囲まれていた。 私は、弱い。 弱くなんか、いたくない。強くありたい━━とは、“強い”とは全く別。

━━弱くていい。   
━━頼っていい。   
━━それは、恥じゃない。   

なのに、意地を張るのだな。そんなレベリング不足状態で、私は何度もラスボスにぶつかり負け続けた。今はもう、章ボスってわかってるし、ゼロかヒャクか、カチかマケかって話ではないことはわかってる。ってても、結局私は、バトり続けているんだけども。
それでも、自分を強くしたい、そのために頼ろう、と思って実行に移せるようになったのは成長だと思う。
 そして私は今、少しの“テラちゃん”で在る。
誰かの2P。キミはキミだけの物語の主人公だ!とはよく言うけど、ソロプレイヤーばかりだったら崩壊してしまう。そんなわけでマルチプレイもするけど、『1+1+ ...』となるのが大概だ。
当たり前か……。
つーか『1P』の顔した『寄生プレイヤー』がいるから、マルチプレイに嫌気が差したりするんだけどさあ!
それでも私はこの日頃、テラちゃんのようになりたいと思って…いや青春とか相棒とかそういう意味では…………いや、その、それは今回の話とは、別カウントだからね。
『1P』がクエストクリアするのに必要な『2P』。になるには実のところ、ものっそい力がいる。正直、あまりオススメされない(知人:談)。

━━でもさ。   
━━主役でない。   
━━それは、恥じゃない。   

人助けは、自己満かい? エゴかい? そうかい、でも私はやる。大切な“あなた”と2人で泣きたい、それから笑いたい。
大切なあなた、の基準は人によって違うかもしれないけど…、1Pがクエスト失敗することも、放棄することもあると思う。それでも私は誰かのために死力を尽くす姿を…そうだな…3Pとして美しいと思うので、2Pになろうと思い立っている。
単純に共感が強いから(主観)、勝手に隣で泣きべそかいてるだけだったりするけどな。
 2Pはいいぞ?
自分のためになんてまったくならなかったり、報われなかったり、相手から受け流されたダメージを被弾したり、深淵を覗くことによるSANチェックを受けたりするけど、
『チロルさん、ありがとう。話聞いてくれたりアドバイスしてくれたおかげで、前に進めた!』
とか言われた日には祝杯でごはん3杯以上余裕でイケる(なお、ノンアルコールしか呑めない模様!)
……いいけど、安請け合いはオススメしないぞ!(経験者談)

❖『成功も失敗も全部大好き』で、『喧嘩して仲直りする物語』

筆者談なので明白なテーマ。そのために、あるいはその他に、様々なディティールが散りばめられているのも、ぜひ見ておきたい。
クエストをどうクリアするかの、アクションと、そのための謎解き。
少女と少年のもどかしいやり取り、そしてそれが噛み合った時の『よし!』な感じ。

【自分が何者で、何をすべきか、】

それを理解した上での下巻での決意と行動を、ぜひ読んでほしい。そして“そんなこと”より届けたいって思ったこと━━
 トンデモなく“ゴメン”。
だけどそれはクエストで、なんと制限時間が設けられる。世界解体10.42秒前!
“ゴメン”に到達するまでを、見届けてほしい。そして、その更に先を。
テラちゃん、カラスくん、をもちろん軸に進んでいくけど、委員長、先生、ナルコちゃん、レムくんも、ちゃんと出番があって主にテラちゃんの背を押してくれる。え、カラスくんは1人かって?実は下巻で登場人物が増えるのだ。

『 30分で“ゴメン”を言いに行く! 』
(そんなことできる!?やる!)

そして私の、

『 トンデモなくとんでもなく無い物語 』

とはどういう意味か!?
━━ネタバレに続く! (ドテ疲れた♡)


引用部分を込みにしても、noteで1万字は狂ってると思いませんか?あなた
#読書感想文 #トンデモワンダーズ #人間六度 #小説レビュー #微ネタバレ

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