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BLM、アジア系アメリカ人、私の考えていること


課題解決、みたいな言葉によってモチベーションを保っている人は少なくないだろうし、自分もそうした人たちのなかの1人かもしれない。課題解決型クリエイター、課題解決型起業家……そした肩書も増えているような気がする。けれども私の場合、その枕詞に「ごく小規模な」とつけておかなければ、誇大広告になってしまうな……だなんてことを、のんびりとした大阪の住宅街にある実家の一室で、悶々と考えていた。


いつだってTwitterは目の前の世界よりも騒がしく、Instagramは現実よりもずっと平和だ。それがソーシャルメディアの平常運転とも言えるだろう。


が、ここ2週間、その世界はまるで逆転している。

私がInstagramで繋がっているのは主にアメリカの友人だからということもあるけれど、ストーリーを何度右にタップしても、黒、黒、黒……BLM以外の話は滅多に出てこない。

その中で訴えられてくるものは、目も当てられないほどの悲痛な映像、悲しい被差別者たちの実話、そしてドネーション先のURL。そうした話題について、友人の中でもいち早く自分ごととして発信していたのは黒人のAndyだったけれども、すぐに白人の友人らも声を上げ、タイムラインは黒一色に染まっていった。少し注釈をすると、私がニューヨークで親しくしているのは、アメリカ社会の中でも比較的おっとりとした、マイペースな性格の持ち主が多いと感じているのだが、それでもタイムラインにはBlack lives matter!という叫び声が並んだ。過激派だけの活動、という訳ではまったくないのだ。

しばらくすると、今度はSilence is Violence!!という訴えが流れてくる。


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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。