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日本茶(1)

新緑もつかの間、昨日今日の真夏日で一気に緑は濃くなって風に葉を揺らしている。
新茶の季節。
せっかくの新茶も毎日いただかないとお茶っ葉は減らない。昨年はこの季節に静岡に行ったこともあり、産地の新茶を思わず複数持ち帰ったもののいただききれず新茶ではなくなってしまった。
昨年の連休に静岡県掛川市出身の旧友が遊びに来た。昼間からお酒を飲み続け、飲み干した後「コーヒー淹れようか?」と聞くと、友人は少し考えて「お茶がいい。日本茶ある?」
「静岡の新茶があるよ」と言って丁寧に淹れて出すと、「わぁうれしい!」とゆっくりひと口飲み、「ああ、やっぱり美味しい。」
としみじみ地元の味はわかる。と言い、アフタードリンクのほっこりしたひとときとなったのを思い出す。

■日本茶の種類


●年間の生産量の約半分は一番茶
「煎茶」は、茶葉を蒸す度合いにより「普通煎茶」と「深蒸し煎茶」に分けられ、日本茶生産量の約80%を占めている。
かぶせ茶
 太陽の光を当てずに育てたお茶。
 一番茶を摘採する約1週間前に、新芽に2週間ほどむしろや寒冷紗(かんれいしゃ)などで茶園に覆いをする。濃緑色でうま味成分を多く含む。
玉露
 日陰で生育。
 一番茶の新芽が開き始めるころ、20~30日間かぶせ茶同様に覆いをし、直射日光を遮って栽培(覆下栽培おおいしたさいばい)した高級茶。
アミノ酸類の含有量が多い。
●碾茶てんちゃ
 玉露と同じ覆下栽培。覆いをする期間は約1か月間。
 摘んだ茶葉は蒸した後に、藻まずに乾燥。
碾茶を茶臼で挽いて微粉状にしたものが抹茶
●玉緑茶
 蒸し製と釜炒り製がある。
 蒸し製:形を真直ぐに整える精揉(せいじゅう)の作業を省略し、揉みながら乾燥して丸まった形状にしたお茶。別名グリ茶。
 釜炒り製:蒸さずに鉄釜で茶葉を炒る、中国緑茶と同じ製法。
 主産地は、九州北部から中部。
●番茶
 製造工程で省かれた硬葉(こわば)や古葉、茎など、もしくは三番茶や四番茶を原料としてつくったお茶。
 ・ほうじ茶(焙茶):番茶や煎茶、茎茶を茶色くなるまで強火で炒って香ばしくしたお茶。
 ・玄米茶:番茶もしくは煎茶に、行った玄米を1対1の割合で加えたお茶。

■日本茶の産地と銘柄

1.静岡県<静岡茶>本山茶、川根茶、掛川茶、菊川茶、天竜茶、春野茶
  全国の5割を生産する日本一の茶産地
  天竜、本山、川根など山間地は上級茶の産地。
  岡部町は玉露で有名。
2.鹿児島県<鹿児島茶>知覧茶、薩摩茶、頴娃茶えいちゃ、有明茶、枕崎茶
  全国の25%を占める第2位の茶産地
3.三重県<伊勢茶>鈴鹿茶、亀山茶、渡会茶わたらいちゃ、飯南茶、伊賀茶
  全国第3位の生産量。
  鈴鹿山麓に広がる丘陵地帯の北勢地方が中心的な産地で、かぶせ茶が多く生産。
  宮川流域の南勢地方では、深蒸し煎茶。
○ 新潟県<村上茶>
  日本最北端の茶産地。冬が長く日照時間が短いため、渋みが少なく甘味の強いお茶。
○ 埼玉県<狭山茶>狭山茶、秩父茶、児玉茶、川越茶
  鎌倉時代から800年の歴史がある茶産地。
  仕上げの工程で強い火を加える狭山火入れという独特の技術により、お茶の香りを高めている。
○ 岐阜県<美濃茶>揖斐茶いびちゃ、白川茶、恵那茶えなちゃ、郡上茶ぐじょうちゃ
  冷涼な自然環境により、爽やかな香りと甘味をもつお茶
○ 京都府<宇治茶>宇治茶、宇治田原茶、和束茶わづかちゃ、宇治玉露、田辺玉露、両丹業潞
  宇治は有名は高級茶産地。室町時代には足利家が宇治茶を高く評価し、茶園をつくて茶栽培を奨励。宇治市を中心に、玉露や碾茶が栽培され、抹茶の生産高は日本一
○ 福岡県<八女茶>やめちゃ
  玉露の生産高は全国一(玉露生産量の半分)
  八女市では主に煎茶を生産、星野村を中心とした山間部では玉露を生産



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