【イベントレポート】言葉を通じて企業と読者の”架け橋”に。ひのりほさんが語るPRライターの魅力
みなさんはPRライターというお仕事をご存知ですか?
「PRって宣伝のことでしょ?」「聞いたことはあるけどよく知らない」と思う方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、フリーランスPRライター・ひのりほさんをゲストにお迎えしたSHElikes*1 受講生による自主企画イベント「パン屋さんから2ヶ月で独立したひのりほさんに聞く!”私らしい言葉”で魅力を伝える方法」の内容をレポートします。
ひのりほさんが考えるPRライターの魅力や、お仕事をする上で大切にしていることについてお話を伺いました。
「言葉を通じて橋渡し」ゴールに向かって企業に伴走するPRライター
ーPRライターとはどのようなお仕事ですか?
ひのりほ(以下ひの)「参加者のみなさんはWebライターについてどのようなイメージを持っていますか?」
参加者からは「コラムなどを書いているイメージ」「何か検索した時に説明してくれる記事を書いている方」などの意見が挙がりました。
ひの「今みなさんにあげていただいたWebライターという職業は、SEO*2 の視点を持って、Googleの検索結果上位にオウンドメディア*3 表示させることなどを目的としています。サイト内の記事数を増やしたいと考える企業が増えているため、Webライターの需要もここ数年で高まっています。
一方、PRライターはPR視点を持っているライターを指します。同じライターでも、Webライターとはライティング方法や考え方もまったく違います。」
ーひのりほさんが考えるPRライターの魅力とは何ですか?
ひの「企業と二人三脚で仕事ができる点です。PRライターとはいわば企業とステークホルダー*4 の架け橋。その企業のサービスや商品の魅力を、伝えたい相手に分かりやすい言葉に翻訳して橋渡しをします。
まずは『何を売りたいのか』『ターゲットは誰なのか』など目的をヒアリングします。そして、どのような言葉であれば企業の伝えたいことが読者に伝わるかを考え、課題解決に向かって伴走します。」
ーそもそもPRライターを始めたきっかけは何ですか?
ひの「記事を書いただけ、投稿しただけでは自己満足で終わってしまう。どうせなら、誰かに読んでもらえる記事を書きたい。読んでもらえる記事を書くためには、商品などの魅力をしっかり伝えなければなりません。そのための方法を考えたときにPRと出会い、PR講座のオンラインスクールに通いました。」
ーPRライターの仕事はどのように獲得していましたか?
ひの「『記事を書かせてください』と企業へ直接連絡をしたり、PRの知識があることをアピールして『こういう仕事はできますか?』と企業からお声がけいただいたりしたこともありました。
またWantedlyから連絡をとったり、名刺交換会に参加して『なにかお困りのことはありますか?』と聞いたりして企業とコミュニケーションをとっていました。」
まずはしっかり聞く。クライアントとのコミュニケーションを大切に
ー自分らしいかつ、相手に届く文章を書くコツはありますか?
ひの「執筆依頼をしてくださった理由と、記事に何を求めているかという目的をクライアントにしっかりヒアリングし、認識を合わせることです。
そして、この記事を届ける相手は誰なのかも細かく聞きます。ターゲットの悩みに寄り添い、解決の糸口を提供する文章を書くようにしています。
PRの役割はステークホルダーとの中長期の良好な関係を築くことです。企業視点にかたよると企業よがりになってしまうし、消費者視点にかたよると価格競争に陥ってしまいます。
企業とステークホルダーが良好な関係を築けるよう、両者の視点を持つようにしています。
以前、『ココナッツオイルを化粧品として使えることをアピールしたい』という企業からお仕事をいただいたことがあります。企業視点ではそれが当たり前とされている前提で文章を書いてしまいますが、『ココナッツオイルは一般的に食用で使われていて、化粧水として使う意識がある人は少ないのではないか』とお伝えし、PR方法の提案を行いました。
自分らしさというより『自分の視点・考えも適切な形でお伝えする』ことが大切だと思います。」
ークライアントにリピートしてもらうために必ず行っていることはありますか?
ひの「クライアントとのコミュニケーションを大切にしています。初めて一緒にお仕事をする企業さまとは、最低でも2回はオンラインミーティングなどですり合わせを行います。そして、原稿提出後も必ず1回は内容について伺う時間をいただいています。」
仕事とプライベート、両者の共存が私らしい
ー今のお仕事に対するモチベーションはいかがですか?
ひの「とてもおもしろいです。自分の名前で仕事をいただけて、必要とされていることを感じられるのが嬉しいです。」
ーお仕事で落ち込んだことはありますか?
ひの「過去、たくさんの赤入れ*5 が入った原稿が返ってきて、まるで自分の文章を否定された気分になったことがありました。でも、企業側も一緒にいいものを作って、目的を達成する意識を忘れずにいれば悲観的になることはありません。」
ープライベートとの両立はできていますか?
ひの「フリーランスとして働くようになって仕事とプライベートの線引きがゆるくなりました。つねに両方が生活の中に存在している感じです。でも、私はそれが心地良いと思っています。なので、完全にプライベートの時間はないですね。
それに企業から連絡が来ると嬉しいです。必要とされているからこそ連絡をいただけると思うので、気がついたらいつでも返信できるようにしています。」
参加者からの質問タイム
リアルタイムで寄せられた参加者からの質問に答えるコーナーがありました。
「お仕事を獲得するためにやったこと方がよいことがあれば教えてください」
ひの「ポートフォリオと名刺を用意するのがおすすめです。それらがあることによって自分がどんなことができるかを知ってもらいやすいです。
あとは、SNSで思っていることやできることを発信することです。SNSは本当にさまざまな人が見ています。私もSNS経由で新規の企業さまからお仕事をいただいたことがあります。SNSはお仕事獲得のきっかけづくりとしてぜひ活用してみてください。」
「相手に届く言葉選びで気をつけていることや大切にしていることはありますか?」
ひの「PRは、すべての利害関係者と良好な関係を築くことが大切です。そのため、あまり極端な言い方をしないように心がけたり、多方面の方とよい関係を構築するための言葉がけの仕方や、関わる姿勢などにポジティブな印象を抱いていただけるよう意識しています。」
参加者の声
イベント終了後、Twitterには参加者の感想が投稿されていました。
まとめ
企業の思いを伝えたい相手にしっかりと伝わる形でことばを届けるのがPRライターの役目。
クライアントの話をしっかりと聞きながら、ゴールまで伴走する素敵なお仕事だと思いました。
また、ひのりほさんの口から何度も出ていた「PRとは」「PRの役割は」という言葉からは、PRライターとしての誇りを強く感じました。
一口にライターと言ってもその仕事内容はさまざまです。
この記事を通してPRライターの仕事に対するイメージが膨らみ、みなさんの関心が深まれば嬉しいです。
~記事の執筆にあたり意識したポイント~
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