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就活の面接で、苦手な人はいないと言ったこと

「苦手なタイプの人とはどう接しますか?」これは面接でもよく聞かれる質問だ。みんなはどう答えているんだろう。
私はこの質問に「苦手な人はいない」と答えた。これは嘘ではない、でも本当のところはちょっと違う。

学生は特に、人間をカテゴライズしたがる生き物だ。陽キャ陰キャだとか、カースト上位下位だとか、とにかく比べたがる。自分たちとは「違う」人間に対して境界線を引くことで守られている気がするのはいたって普通の感情だ。
その過程で、自分には理解できない相手を「苦手」と感じ、さらに意味不明な行動原理で害を与えられると「嫌い」という感情に発展する。

そういった一般的な人にとって、好きな人や気が合う人はどうだろう。お互いに大事にしているものが似通っていたり、違ったとしても理解できたりすると思う。同じグループに属することは、価値観を共有することとほとんど同義であるように思える。

確かに私は、理解できない行動をとる人に苦手意識を感じることはある。でも、落ち着いて考えるとその人にはその人なりの世界があって、彼の世界ではきちんと物事の筋があるのだろうと思う。私がその人を理解できないのは、私の世界しか知らないからだ。

でも本当は、分かり合えない人とは対立したまま生きていくのがいいのかもしれない。議論の末に生まれた解決策は、新たな視点へと進めてくれることがあると聞く。私がやっていることは、分からない人を自分の中に取り込んで、同化することで争わないようにしているだけかもしれない。

結局私は、人を嫌わないことによって、嫌われることから逃げているだけかもしれない。それでも、そういう生き方しかできないような気がした。


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