見出し画像

ヤフーニュースの掲載で知ったのですが、人気バラエティ番組でのある設問が話題となっております。

ビートルズへの理解が前提である筈にも関わらず、番組回答者とアンケート回答者の無知蒙昧なスタンスに少々呆れるばかりです。

そこで、真面目に私見ではありますが、この設問への回答を検証してみたいと思います。

①基本は四人組であること。
②ブリティッシュなポップとロックの系譜を汲んだ色合いが望ましい
③メンバーがソロとしても力量を持っている
④社会性や文化発信、加えてクリエイティヴィティに溢れている

さて、この基準4項目をクリアできるバンドは果たして存在するのか、していたかです。
あくまでも私見としてではあっても、結論から述べると厳密に符号するバンドはなかなか見当たりません。
ですが、敢えて挙げてみたいと思います。

まずは「はっぴいえんど」を思い浮かべます。基準項目①③④に符号できると考えます。実際、解散後にソロアーティストとしてのバリューが高まり、回顧的に評価が普遍性を帯びたという見方が正しいのかもしれません。
はっぴいえんどについては各メンバーのインタヴューを目にしても、驚く程売れなかったと総じた評価になっています。
しかし、評価が普遍性を得た現在、珠玉の4人の才能が短い期間であっても集合してバンドを組んでいた奇跡は、ビートルズに対を為すとしても過言ではないと思います。

実はこの設問を見た時に真っ先に思い浮かんだのが「チューリップ」でした。
基準項目②③④に符号できると考えます。70年代に発表したアルバム群では特に影響が色濃くコード進行、コーラスワークとビートルズを意識したと思われる楽曲精度の高さは限りなく、洋楽フレーブに傾注していたと感じられます。
チューリップはメンバーチェンジや何度かのインターバルを経ながらも今だ現役のポップバンドとして健在です。

基準項目②③④に符号できると考えます。日本音楽界では現役最古のロックバンドとも云われる「ムーンライダーズ」
ブリティッシュポップから連なるニューウェーブのアプローチと、音楽的革新性と実験的な色彩はある意味、ビートルズにおける中期のサウンドからのインスパイアが顕著とも読み取れます。
こちら「ムーンライダーズ」は先日ニューアルバムをリリースしたばかり。
衰え知らずのクリエイティブ魂に惹かれて已みません。

基準項目①②③④に符号できると考えます。「BOØWY」がややヴィジュアル優先のビートロックの印象が際立つも、ベースにあるのはブリティッシュポップとロックの下敷きに加えて、彼ら世代の憧憬にあったジュリー、矢沢永吉、ARBといった日本のドメスティックな格好良さをミクスチャーした確信的な存在感演出に成功したとみています。
今だ人気は絶えず、再結成の声も根強い点もかつてのビートルズ人気と似ています。
基準項目全てを満たすという意味でも、ある意味フォロワーの多さも含め、意外な事に「BOØWY」がビートルズに近いバンド立ち位置かもしれないと綴りながら感じてしまった次第です。

日本人による一番好きなバンドカバーです。元ルースターズ・下山淳が結成したサイケプログレバンドの60/40によるオリジナル楽曲の頭のイニシャルで表されたナンバーです。
ちなみにこの映像の現場にワタシおりまして、圧倒的演奏力に暫く耳がキーンとしていた記憶があります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?