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プロレス哲学、ストロングスタイルの定義について感じているままを綴ります。

所謂、アントニオ猪木の勝負論があり、加えて鍛え抜かれた肉体を披露し、様々な意味で魅せるという訴求力を生み出す場、新日本プロレスが顕す思想性と志向性が付随します。
‘プロレスは最強の格闘技、キングオブスポーツ’
一貫したこのスローガンで今年50周年を新日本プロレスは迎えました。
しかし、このスローガンの意図と原理主義は現在の新日本プロレスにはもはや存在しないでしょう。

「猪木の勝負論」この側面を考察していくと現代日本の現状にも重なる点があります。
環境や境遇が如何に厳しくても、たゆまぬ練習と精進していく姿勢で必ず現状突破はできるとして、ひたすらにトレーニングに明け暮れる日々が創設からアントニオ猪木がいた往時の新日本プロレスの真骨頂です。
勝負論の原点には誰が対抗しようとも勝てる根拠を自らが作り上げていくしか道は無しと、誰も助けてはくれない自分との闘いにまずは負けないことだと覚らしめる要素が、当時の道場を占める空気だったのです。
恵まれた状況にあるものしか生き残れないのではなく、生き残るために何をすべきかを「猪木の勝負論」から私は汲み取ります。
これは丁度、1970年代の世界史上の日本の勃興とも重なる時期でもあり、日本プロレスを追放され独立し団体を設立した猪木が這い上がる力を、その一念において自分との闘いと既成概念を打ち破るアクションから、万人の心を摑んでいく過程に‘思いある処に人は集う’と思わずにはおれない行動の為せる業だと感じ入るのです。

皮切りは力道山対木村政彦以来と言われた日本人対決となった国際プロレスのエースだったストロング小林との2度の激闘に端を発し、日本プロレスの先輩、痛い敗戦のデビュー相手だった大木金太郎とのヘッドバッド11連発を受けての一閃バックドロップでの勝利、ヨーロッパ世界王者であり、猪木の師であるカール・ゴッチもライバル視したビル・ロビンソンとの61分3本勝負フルタイム引き分け、異種格闘技路線を開拓、ミュンヘンオリンピック柔道の世界王者ウィリアム・ルスカをバックドロップ3連発からKO、全米マーシャルアーツ世界王者ザ・モンスターマンを現代的にはパワーボムみたく叩き落としKOと…そしてボクシングヘビー級世界王者、生ける伝説モハメド・アリとの対戦を実現、15ラウンド引き分けといった歴史的激闘が物語る、以上は1974年から1977年迄の名勝負です。

私はこれらの闘いを残念ながら後追いで観た訳なのですが、幼い時分でも涙が出る程感動したのです。
こうした気持ちと同じくして作家の村松友視氏を始め様々な文化人から「過激なセンチメンタリズム」と呼ばれる、戦い模様が猪木の生き様そのものとして伝わるが故の文学的解釈もあり、勝負論を突き詰めたプロレス哲学にまで昇華されていきます。

このプロレス哲学をストイシズムに掘り下げていく行為から現在の総合格闘技の地盤が醸成されてもいきますが、ヘビー級を前提にする上では、あくまでも柔軟なアプローチが可能なプロレスラーというスタイルが私は重要だと感じるのです。
つまり、そのスタイルこそストロングスタイルと呼んで良く、アントニオ猪木の理念の具現化に他なりません。
私見ではありますが、直系に連なるレスラーの系譜において前田日明からの船木誠勝を信じて疑わない、彼らにストロングスタイルの意志は託されたと私はみています。
さらに彼らの後は…

それぞれの思いの中に生き続けるであろうアントニオ猪木の遺した軌跡。
やはり語らずにはおれませんでした。

【インフォメーション】
下関名画座 第12回上映会
クリスマスはモンロー🧑‍🎄🎄
マリリン・モンロー没後60年記念上映「百万長者と結婚する方法 吹替版」
■日程 2022年12月17日(土)
■場所 シーモール下関2Fシーモールシアター 
■作 品「百万長者と結婚する方法 吹替版」(1953/アメリカ/95分)
監 督 ジーン・ネグレスコ
出 演 ※吹替版上映となります
ローレン・バコール(大谷育江)
マリリン・モンロー(Lynn)
ベティ・グレイブル(ファイルーズあい)
キャメロン・ミッチェル(落合福嗣)ほか    

■内 容 愛のための結婚なんて時代遅れと決め込み、大金持ちとの結婚を夢見るニューヨークの3人の美女モデル。超豪華マンションをなけなしの金で借りて、百万長者を掴まえようとするが、結局3人とも思わぬ恋に落ちてしまう。

■上映時間①10:30 ②13:00 ③15:30 ④19:30
1日4回上映。それぞれ上映後は5分程度の作品解説あり。        
■チケット 前売り1,000円 当日1,200円
シーモール1階インフォメーションカウンターにて取り扱っております。3時間無料駐車サービスあり。

■協賛 公益財団法人下関市文化振興財団公益社団法人
下関市シルバー人材センター
元祖瓦そば たかせ
金田博美
■後援 下関市
■提供 株式会社モービーディック
■協力 株式会社cinepos
■問合せ 山中プロダクション(090-8247-4407)

36歳で亡くなったモンローが存命なら、96歳でした。没後60年の節目で、彼女の生き方も再注目されています。クリスマスムード一色のとき、魅力溢れるモンローのロマンティックコメディを劇場でお楽しみ下さい。

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